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  • 医師の指示・承諾
    むち打ち症の治療で接骨院・整骨院へ通うとき医師の指示が必要な理由
    治療費等の損害賠償には、医学的な見地からの診断が必要ですが、接骨院や整骨院の柔道整復師は、医師ではないため、医学的見地からの診断ができません。そのため、交通事故で接骨院・整骨院へ通う場合は、整形外科医師による医学的な見地からの診断が重要となります。接骨院や整骨院で施術を受けることにつき医師の指示があると、施術が治療の一環とみなされ、施術費を治療費とみなされやすくなります。ここでは、接骨院や整骨院の柔道整復師が行える施術の範囲や医師との関係について、損害賠償の実務で、どのように考えられているか、まとめています。「医師の治療」と「柔道整復師の施術」の違い「医師の治療」と「柔道整復師の施術」の違いについて、東京地裁判決(平成14年2月22日)において、次のような指摘があります。ここでは、柔道整復師としていますが、同判決では、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師も含めています。医師の治療特段の事情のない限り、その治療の必要があり、かつ、その治療内容が合理的で相当なものと推定され、それゆえ、それに要した治療費は、加害者が当然に賠償すべき損害となる。柔道整復師の施術その施術を行うことについて医師の具体的な指示があり、かつ、その施術対象となった負傷部位について医師による症状管理がなされている場合、すなわち、医師による治療の一環として行われた場合でない限り、当然には、その施術による費用を加害者の負担すべき損害と解することはできない。つまり、医師の治療は「必要性・合理性・相当性が推定される」ので、その治療費は、加害者が賠償すべき損害として原則認められるのに対して、柔道整復師の施術費は、「医師による治療の一環として行われた場合」という条件付きで認められるということです。もちろん現実には、医師の治療であっても、無条件に治療費の全額が認められるわけではありません。保険会社は「必要かつ妥当な範囲」しか支払いません。また、保険会社が一方的に治療費の支払いを打ち切ることはよくあります。しかし、損害賠償の実務においては、医師の治療費は原則認めるが、柔道整復師の施術費は条件付きで認めるという違いがあるのです。その条件とは「医師による治療の一環として行われる場合」ということです。なぜ、このような差が生じるのでしょか?それは、柔道整復師による施術は、医師の治療のように「必要性・合理性・相当性を推定できない」からです。同判決は、その理由として次の点を挙げています。柔道整復師の施術が、必要性・合理性・相当性を推定できない理由医師の治療と異なり、柔道整復師の施術は限られた範囲内でしか行うことができない。柔道整復師には、施術内容の客観性・合理性を担保し、適切な医療行為を継続するために必要な診療録の記載、保存義務が課せられていない。柔道整復師は、外傷による身体内部の損傷状況等を的確に把握するために重要な放射線による撮影、磁気共鳴画像診断装置を用いた検査ができない。外傷による症状の見方、評価、施術方法等にも大きな個人差が生じる可能性がある。施術者によって施術の技術が異なり、施術方法・程度が多様。自由診療で報酬規定がないため施術費が施術者の技術の有無、技術方法によってまちまちであり、客観的で合理的な施術費を算定するための目安がない。(参考:東京地裁判決・平成14年2月22日)柔道整復師の施術は、医師の治療と違い限定されています。レントゲンやMRIなど画像診断もできません。医師ではありませんから、医学的な見地から総合的な判断ができません。一方で、施術の技術や方法が多様で、症状の見方にも個人差があります。施術費も、報酬規定がないため目安がありません。こうしたことから、条件付きで施術費を損害として認めるという扱いがされているのです。もちろん、医師の指示がなくても、施術により症状が軽減するなどの効果が認められる場合は、施術の必要性が認定されるべきものです。しかし、そのためには、施術の必要性・合理性・相当性・有効性を立証しなければなりません。仮に施術費が認められたとしても、その何割かを事故と相当因果関係のある損害と認定されることが多く、施術費の全額が認められるのは稀です。そもそも柔道整復師は、どんな施術ができる?そもそも、接骨院や整骨院の柔道整復師の業務とは、どのようなものなのでしょうか?柔道整復師について定めた法律は、柔道整復師法です。柔道整復師法は、昭和45年に議員立法により制定された法律です。柔道整復師の医学的業務範囲について、法律に規定がない実は、柔道整復師の業務の範囲について、柔道整復師法には明確に定められていません。柔道整復の定義規定すらないのです。このことについて、国会で厚生労働省の医政局長が次のように答弁しています。法律には、柔道整復の定義を定める規定はございません。議員立法ということで出されて、全会一致で可決したという記録のみ残っておりますので、どのような定義づけがなされていたかということは、残念ながら承知しておりません。(平成16年3月1日・衆院予算委員会第5分科会での厚生労働省医政局長答弁)それでは、柔道整復師の業務について、法律でどのように定めているのでしょうか?柔道整復師法では「柔道整復師とは、厚生労働大臣の免許を受けて、柔道整復を業とする者をいう」(第2条)とし、柔道整復師の業務について、次の3つの規定があるだけです。医師である場合を除き、柔道整復師でなければ、業として柔道整復を行なつてはならない。(第15条)柔道整復師は、外科手術を行ない、又は薬品を投与し、若しくはその指示をする等の行為をしてはならない。(第16条)柔道整復師は、医師の同意を得た場合のほか、脱臼きゆう又は骨折の患部に施術をしてはならない。ただし、応急手当をする場合は、この限りでない。(第17条)このように、法律上、柔道整復師の医学的業務範囲の規定はないに等しいのです。柔道整復師の業務の範囲柔道整復師の業務の範囲について、法律には明確な規定がないのですが、根拠とされているのは、昭和45年の柔道整復師法の提案理由説明です。「その施術の対象ももっぱら骨折、脱臼の非観血的徒手整復を含めた打撲、捻挫など、新鮮なる負傷に限られている」(昭和45年3月17日衆院本会議 柔道整復師法の提案理由説明より)柔道整復師法が制定されるまでは、あんま・マッサージ・はり・きゅう・柔道整復等営業法として1つの法律でした。それが昭和45年に柔道整復業に関する部分を分離して、単独法として柔道整復師法が制定されました。柔道整復技術が、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等とは異なるというのが理由です。あんま・マッサージ・はり・きゅうが、慢性的に起きる病態を対象とするのに対して、柔道整復師が対象とするのは、骨折・脱臼・打撲・捻挫といった、スポーツや事故などによる急性の傷害だからです。つまり、柔道整復師の業務の範囲は、骨折・脱臼・打撲・捻挫など、負傷原因のはっきりしている急性の傷害です。柔整療養費の支給対象柔道整復施術の保険対象(療養費の支給対象)は、平成9年の厚生省「留意事項通知」で示されています。平成9年の厚生省通知「柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準の実施上の留意事項」療養費の支給対象となる負傷は、急性又は亜急性の外傷性の骨折、脱臼、打撲及び捻挫であり、内科的原因による疾患は含まれないこと。(平成9年4月17日・厚生省保険局医療課長通知「柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準の実施上の留意事項等について」より)この平成9年の厚生省通知によると、健康保険等を使って柔道整復施術を受ける場合、保険から療養費の支給対象となるのは、「急性または亜急性の外傷性の骨折、脱臼、打撲、捻挫」となります。この内容は現在も生きていますが、通知が出された当時から、整形外科医師からは「亜急性の外傷」が問題視されていました。外傷はすべて「急性」であり、「亜急性の外傷」は医学的にあり得ないからです。「亜急性」というのは、医学的には傷病の時間的経過を指します。受傷時から順に急性・亜急性・慢性として使われます。「亜急性」は、急性と慢性の間の時期、つまり「亜急性期」と表記されるのが一般的です。一方、柔道整復学では、亜急性を時間軸で考えません。亜急性外傷とは、亜急性期(急性期、亜急性期、慢性期というふうに受傷からの期間によって分類している)の外傷という意味ではなく、外傷を起こす原因として急激な外力より起こる急性外傷に準ずるもので、軽度な外力でも反復や持続した外力により、急性外傷と同様に軟部組織などの損傷が見られる外傷を指すものです。(公益社団法人・栃木県柔道整復師会HPより)「亜急性」「外傷性」の定義については国会でも質問主意書が提出され、次のような政府答弁書が出されました。亜急性とは、身体の組織の損傷の状態が急性のものに準ずることを示すものであり、外傷性とは、関節等の可動域を超えた捻れや外力によって身体の組織が損傷を受けた状態を示すものである。(平成15年1月31日・参院・政府答弁書より)。ただ、この説明では、亜急性が、受傷からの時間的経過を指すものなのか、軽度な反復・持続した外力によるものなのか、明確ではありません。柔道整復施術の保険適用範囲を広げることは、接骨院や整骨院にとっては死活問題であり、もちろん患者にとってもメリットがあることです。そのため、厚労省はファジーなままにしてきたのかもしれません。しかし、厚労省の見解は明瞭なのです。この平成15年の答弁書以前の国会答弁で「急性期のもの」とはっきり答えています。柔道整復で保険の対象になりますのは、骨折それから脱臼、打撲、捻挫の4つの外傷性の疾患でございます。このうち、骨折、脱臼につきましては医師の同意が必要である、こういうことになっているわけでございます。こういった一定の条件を満たす場合だけ療養費の支給対象になるわけでございまして、捻挫とか打撲というのを、いつの時点での打撲とかなんとかというのは確かに判定しがたいわけでございますけれども、制度の趣旨からいたしますと、当然のことながら急性期のものであると、こういうふうに私どもは理解いたしているわけでございまして、そうであるかないかという個々の認定というのは別にいたしまして、そういう考え方を持っているわけでございます。(平成12年11月16日・参院・国民福祉委員会での厚生省保険局長の答弁より)一方、「亜急性」について、厚生労働省の社会保障審議会医療保険部会・柔道整復療養費検討専門委員会で議論がなされ、平成29年3月21日の同専門委員会で、「留意事項通知」の改正案が示されました。現行療養費の支給対象となる負傷は、急性又は亜急性の外傷性の骨折、脱臼、打撲及び捻挫であり、内科的原因による疾患は含まれないこと。改正案療養費の支給対象となる負傷は、負傷の原因が明らかで、身体の組織の損傷の状態が慢性に至っていない急性又は亜急性の外傷性の骨折、脱臼、打撲及び捻挫であり、内科的原因による疾患は含まれないこと。厚生労働省の保険医療企画調査室長は、「急性、亜急性、慢性と時期の問題として分けた場合に、その急性、亜急性であるということを、この通知の改正案で明確にしたい」と説明しています(平成29年3月21日柔道整復療養費検討専門委員会議事録より)。これにより、亜急性が受傷からの時期の問題であり、慢性に至っていない外傷性の骨折・脱臼・打撲・捻挫が柔道整復の療養費の支給対象となることが明確となりました。もともと柔道整復師法の提案理由説明で「新鮮なる負傷」としていたのですから、急性期の外傷が柔道整復の施術の対象としていたことは明らかです。平成9年に当時の厚生省が「亜急性」という文言を入れたことが、複雑にしてきた元凶です。何らかの忖度があったことは容易に想像できます。その後、国会の答弁書で亜急性を定義づけたことにより、亜急性という文言を外せなくなってしまったと考えられます。いずれにしても、「亜急性」については一定の決着を見ました。保険会社からの施術費の支払いは、ますます厳しくなる問題は「留意事項通知」の改正が、交通事故の場合における保険会社からの施術費の支払いに与える影響です。「留意事項通知」は、社会保険からの療養費の支給に関するものですが、自賠責保険の施術費の支払いにも影響するでしょう。これまでも損保会社は、施術費の支払いには厳しかったのですが、亜急性の判断も絡み、ますます厳しくなることが予想されます。裁判になれば、より厳格に審理されることになるでしょう。損保会社から施術費の支払いを打ち切られた場合、これまでは健康保険などを利用して一部負担で施術を受けることができたようなケースも、これからは全額自己負担となることも予想されます。また、「留意事項通知」の改正案には、「負傷の原因が明らかで」という文言が盛り込まれました。事故との相当因果関係のある部位の施術に、これまで以上に限定されてくることが考えられます。接骨院や整骨院での施術が長期化する場合は、これまで以上に注意が必要です。医師の指示のもと施術を受けることが、正当な損害賠償を得る上で、ますます大切になってきます。医師の同意が必要な場合がある接骨院や整骨院で骨折や脱臼の患部に対する柔道整復施術を受ける場合は、医師の同意が必要ですから、注意してください。これは、法律で定められています(柔道整復師法第17条)。骨折や脱臼の患部に対する施術を整骨院や接骨院で受ける場合は、診断書や紹介状などで、医師が柔道整復による施術に同意したことを明らかにする必要があります。柔道整復師法第17条柔道整復師は、医師の同意を得た場合のほか、脱臼または骨折の患部に施術をしてはならない。ただし、応急手当をする場合は、この限りでない。例外とされている「応急手当」とは、「骨折または脱臼の場合に、医師の診断を受けるまで放置すると、生命または身体に重大な危害をきたす恐れのある場合に、柔道整復師がその業務の範囲内において患部を一応整復する行為」(日本整形外科学会『医業類似行為関連Q&A』)です。なお、実際に骨折・脱臼で接骨院や整骨院にかかっているケースはほとんどありません。厚生労働省の調査(平成24年10月サンプル調査)によると、柔道整復に係る療養費の負傷種類別の支給額割合は、骨折・脱臼はわずか0.6%、打撲が29.9%、捻挫が69.5%です。骨折・脱臼は、医療機関で正しい診察・検査・診断の上で治療しなければ、大きな障害を残す危険性があります。もし、骨折や脱臼の恐れがある場合は、接骨院や整骨院でなく、必ず整形外科を受診することが大切です。まとめ「整形外科より接骨院や整骨院がいい」という方もいるでしょう。確かに接骨院や整骨院の方が丁寧に診てくれるし、通いやすいというメリットはあります。しかし、交通事故の場合は損害賠償が絡みます。損害賠償の世界では、東洋医学は西洋医学に比べて、低く扱われる傾向があるのです。整形外科医師の指示のもと、接骨院や整骨院に通う方が損害賠償を受けられやすいので、まず、整形外科を受診して、医師の指示・承諾を得て、治療の一環として接骨院や整骨院に通うことをおすすめします。なお、損害賠償の面からだけでなく、頸椎捻挫の症例の中には脳脊髄液減少症を発症することもありますから、医師による正確な診断が絶対に必要です。交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 24時間受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでの無料相談のお申込みは、公式サイトの無料相談受付フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※加害者の方や物損のみの相談は受け付けていませんので、ご了承ください。
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  • むち打ち症の損害算定
    むち打ち症(頸椎捻挫)の後遺障害等級と労働能力喪失期間
    むち打ち症(頸椎捻挫)は、後遺障害の等級認定がされにくく、非該当となるケースが多い後遺症です。等級認定されても多くは14級で、12級に認定されるのは稀です。しかも、労働能力喪失期間は、14級が3~5年、12級で5~10年程度に制限されるのが通例です。そのため、後遺障害に対する損害賠償額が認められなかったり、認められても過少になる傾向があります。そもそも「むち打ち症」とは?むち打ち症は、自動車の追突や衝突、急停車などの衝撃によって、頸部がムチのように「しなる」ことで起る様々な症状で、正式な医学上の診断名ではなく、受傷機転(傷害を受けたきっかけ)を示す用語とされています。臨床的には病態が明らかになっていないのが実情で、交通事故後に「骨折や脱臼をともなわない頸椎部症状を引き起こしているもの」が、総じてむち打ち症とされています。診断書には、むち打ち損傷、むち打ち関連障害、頸椎捻挫、頸部損傷、頸部挫傷、頸部外傷、外傷性頸部症候群など様々な診断名が書かれ、統一した診断名はありません。自覚症状には、頭痛、頸部痛、頸部運動制限、上下肢のしびれ、首や肩のこり、めまい、吐き気、疲労感などがみられます。このように自覚症状が多いにもかかわらず、レントゲン撮影しても客観的な症状が分かりにくいため、後遺障害の等級認定されにくいのが、むち打ち症の特徴です。むち打ち症の後遺障害等級は「12級13号」か「14級9号」むち打ち症の後遺障害等級は、「12級13号」もしくは「14級9号」の該当の有無が問題となる場合がほとんどです。むち打ち症で「11級」以上が認定されることはありません。「13級」には該当する後遺障害はありません。「12級13号」と「14級9号」の違い「12級13号」と「14級9号」がどのような後遺障害か、認定基準はどのようなものか、まとめておきます。等級後遺障害12級13号局部に頑固な神経症状を残すもの14級9号局部に神経症状を残すもの※自動車損害賠償保障法施行令「別表第二」より抜粋。等級認定基準12級13号他覚的所見によって医学的に証明される場合14級9号医学的に証明しうる精神神経学的症状は明らかでないが、頭痛、めまい、疲労感などの自覚症状が単なる故意の誇張でないと医学的に推定される場合非該当自覚症状に対して医学的に推定することが困難な場合、事故との因果関係がない場合※自賠責の後遺障害認定は、労災保険の『労災補償障害認定必携』に従ってなされます。むち打ち症の場合、よほどのことがない限り「12級」が認定されることはなく、認定されても多くは「14級」です。首が回らなかったり、絶えず頭痛に悩まされたりして、明らかに日常生活に多大な支障が出ていたとしても「14級」がほとんどで、後遺障害「非該当」とされることも珍しくありません。後遺障害等級「12級」と「14級」の違いは、神経症状が「頑固な」かどうかです。認定基準では、医学的に「証明される」か「推定される」かの違いです。12級13号が認定される要件「12級」の「他覚的所見によって医学的に証明される」というのは、レントゲンやCT、MRIなどから、傷みやしびれなどの症状が、何によって引き起こされているのかが医学的に証明できるということです。つまり、神経症状を引き起こしている物理的な損傷(器質的損傷)が存在し、画像所見として目に見える形で証明されなければ、「12級」認定は難しいということです。14級9号が認定される要件「14級」の「医学的に推定される」というのは、受傷状況、症状経過、治療経過、臨床所見などから、現在の自覚症状が医学的に説明が付くということです。画像から異常所見が認められず、後遺障害診断書で自覚症状を裏付ける客観的な医学的所見に乏しい場合、症状経過や治療経過を勘案して、将来においても回復が困難と認められれば「14級」が認定されます。認定基準の問題交通事故で骨折したことが原因で神経を圧迫し、痛みやしびれを生じさせているのであれば、骨折という器質的損傷が画像としても残されるので、「12級」認定の条件を満たします。しかし、骨折や脱臼などがない場合は、いくら本人の自覚症状を訴えても、目に見える形での器質的損傷がないので、認定されても「14級」どまり、場合によっては「非該当」ということになるのです。神経の損傷は画像には映りません。神経症状の認定要件として、器質的損傷や画像所見を要求すること自体、そもそも矛盾しています。むち打ち症の労働能力喪失期間は、なぜ制限されるのか?むち打ち症のような局部の神経症状の後遺障害(後遺障害等級の12級13号または14級9号)は、労働能力喪失期間が制限される傾向にあります。裁判でも同じです。神経症状の場合の労働能力喪失期間は、12級で5年~10年。14級だと5年以下とされることが多いようです。このように労働能力喪失期間が制限される理由として、訓練や慣れによって次第にその影響が緩和されていく、症状に永続性がない、などが言われます。ですが、神経症状といっても、その原因や症状は一律ではありません。神経症状12級で、喪失期間が就労可能年限の67歳まで認められた裁判例や、神経症状14級でも、喪失期間を5年以下に制限しなかった裁判例もあります。労働能力喪失期間は、被害者の症状とその原因、後遺障害等級、年齢、職業などから、個別に判断することが大切です。むち打ち症(12級13号・14級9号)の後遺障害逸失利益の計算例まとめむち打ち症の後遺障害等級認定は難しく、症状に見合った適正な等級認定を受けるためには、そのための準備が必要です。交通事故の損害賠償問題に詳しい弁護士に相談し、自賠責に異議申立てすることで、非該当とされた後遺障害が認定されたり、後遺障害等級が引き上げられたりする可能性があります。まずは、弁護士に相談してみることをおすすめします。交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 24時間受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでの無料相談のお申込みは、公式サイトの無料相談受付フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※加害者の方や物損のみの相談は受け付けていませんので、ご了承ください。
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  • むち打ち症の慰謝料計算
    むち打ち症12級13号・14級9号の逸失利益と慰謝料の計算例
    後遺障害による損害額の具体的な計算方法について、むち打ち症(頸椎捻挫)を中心にご紹介します。事例と計算方法次のような事例で、後遺障害等級が異なる3つのケースを考えます。被害者は、35歳の男性会社員で、年収400万円。加害者と被害者の過失割合は 9対1(すなわち、過失相殺率 10%)ここでは、後遺障害に関する損害(後遺障害逸失利益と後遺障害慰謝料)の計算例をご紹介します。後遺障害逸失利益の計算後遺障害逸失利益は、次の計算式で求めます。基礎収入 × 労働能力喪失率 × 労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数計算式の説明はこちらをご覧ください。基礎収入は400万円です。労働能力喪失率は労働能力喪失率表より、ライプニッツ係数はライプニッツ係数表より、それぞれ求めます。ライプニッツ係数は、現行の年3%のライプニッツ係数を用いています。2020年3月31日以前に発生した事故については、年5%のライプニッツ係数が適用されます。後遺障害慰謝料の計算後遺障害慰謝料は、裁判所基準の後遺障害慰謝料表より求めます。後遺障害慰謝料は、後遺障害等級に応じて慰謝料の基準額があります。むち打ち症で「14級9号」が認定されたケース後遺障害14級の労働能力喪失率は5%です。労働能力喪失期間が5年認められたとすると、ライプニッツ係数は4.5797です。後遺障害逸失利益は、400万円 × 5/100 × 4.5797 = 91万5,940円逸失利益91万5,940円慰謝料110万円合計201万5,940円被害者の過失を10%としていますから、過失相殺後の額は、201万5,940円 × 0.9 = 181万4,346円自賠責保険の後遺障害14級の支払限度額は75万円ですから、差額は任意保険会社が支払います。むち打ち症で「12級13号」に認定されたケース後遺障害12級の労働能力喪失率は14%です。労働能力喪失期間が10年認められたとすると、ライプニッツ係数は8.5302です。後遺障害逸失利益は、400万円 × 14/100 × 8.5302 = 477万6,912円逸失利益477万6,912円慰謝料290万円合計767万6,912円被害者の過失を10%としていますから、過失相殺後の額は、767万6,912円 × 0.9 = 690万9,221円自賠責保険の後遺障害12級の支払限度額は224万円ですから、差額は任意保険会社が支払います。神経系統の機能障害で「9級10号」に認定されたケース後遺障害9級の労働能力喪失率は35%です。労働能力喪失期間が67歳まで認められたとすると、就労可能年数32年に対応するライプニッツ係数は20.3888です。後遺障害逸失利益は、400万円 × 35/100 × 20.3888 = 2,854万4,320円逸失利益2,854万4,320円慰謝料690万円合計3,544万4,320円被害者の過失を10%(過失相殺率10%)としていますから、過失相殺後の額は、3,544万4,320円 × 0.9 = 3,189万9,888円自賠責保険の後遺障害9級の支払限度額は616万円ですから、差額は任意保険会社が支払います。まとめ交通事故で後遺障害が残った場合、正当な損害賠償を受けられるかどうかは、適正な後遺障害等級が認定されるかどうかがポイントです。特に、むち打ち症のような神経障害は、後遺障害等級の認定がされず、非該当となることがよくあります。そんなときは、弁護士に相談すると解決できる場合があります。まずは、無料相談をおすすめします。交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 24時間受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでの無料相談のお申込みは、公式サイトの無料相談受付フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※加害者の方や物損のみの相談は受け付けていませんので、ご了承ください。
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