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「 民事調停 」の検索結果
  • 調停のメリット・デメリット
    交通調停・民事調停申立てのメリット・デメリット
    民事調停は、中立・公正な第三者である調停委員に仲介してもらい、交通事故の損害賠償をめぐる紛争を、加害者と被害者とが話し合いで解決する方法です。交通調停と民事一般調停があります。交通調停と民事調停の違いはこちらをご覧ください。民事調停の申立てにはメリット・デメリットがありますから、状況に応じて利用を検討することが大切です。ここでは、調停のメリット・デメリットについて説明します。交通調停・民事調停のメリット交通調停・民事調停には、次のようなメリットがあります。簡易な手続で迅速に解決できる。弁護士を頼まなくても本人だけでもできる。家族を代理人にすることもできる。裁判に比べて費用が安い。非公開が原則なので、プライバシーが守られる。調停委員による事情聴取は、当事者間に感情的な対立があることを配慮し、申立人・相手方それぞれ別々に聴取する方法が採られることが多く、気兼ねなく主張できる。調停が成立すれば確定判決と同じ効果を持ち、調停内容が履行されないときは、強制執行が可能。調停の申立て時点で請求していた以外のものも含めた金額で、調停を成立させられる。調停の申立てにより、損害賠償請求権の消滅時効の完成を猶予できる。交通調停・民事調停のメリットについて、補足説明しておきます。調停は本人や家族だけでもできる調停は、裁判所に調停申立書を提出することで、手続きが開始されます。弁護士を頼まなくても、本人だけでも大丈夫です。調停申立書は、裁判所に用意されています。最高裁のホームページからダウンロードすることもできます。また、当時者本人が必ず調停の場に出席しなければならないというわけでなく、調停委員会の許可を受ければ、家族を代理人にすることもできます(民事調停規則8条)。調停の申し立て費用は、訴訟費用の半分調停の申立て費用は、訴訟費用の半分ですから、訴訟に比べて安い費用で解決できます。申立書に収入印紙を貼ります。なお、調停が不成立になった後、本訴を提起する場合の貼用印紙は、調停不成立の通知を受けてから2週間以内に本訴を提起すれば、調停申立てのときに貼った印紙額を控除した差額を貼ればよいことになっています(民事訴訟費用等に関する法律第5条1項)。訴額・請求額訴訟費用調停の申立て費用100万円10,000円5,000円500万円30,000円15,000円1,000万円50,000円25,000円訴えの提起、民事調停の申立てに要する手数料額早見表 ※最高裁のWebサイトにリンクしています。調停調書には、確定判決と同じ効力がある調停が成立すると調停調書が作成されます。この調停調書には確定判決と同じ効力があり、調停条項が履行されない場合には、強制執行が可能です。なお、「調停調書により強制執行できる」という法律上の直接的な規定があるわけではありません。そもそも強制執行は、債務名義により行うことができます(民事執行法22条)。調停調書を債務名義として強制執行できる根拠は、次のように三段論法になっています。調停調書の記載事項は、裁判上の和解と同一の効力を有します。(民事調停法16条)裁判上の和解における和解調書の記載事項は、確定判決と同一の効力を有します。(民事訴訟法267条)確定判決と同一の効力を有するものを債務名義として強制執行をすることができます。(民事執行法22条7号)債務名義とは,強制執行によって実現されることが予定される請求権の存在,範囲,債権者,債務者を表示した公の文書のことです。(最高裁Webサイト「裁判手続 民事事件Q&A」より)申立て時に請求した以外のものを含めて調停を成立させられる訴訟の場合は、訴訟物に対して判決が出されます。ですから、請求金額を上回る賠償額が認められることはありません。それに対し、調停は、当事者間の話し合いにより合意して解決する手続きです。ですから、申立て時の請求以外でも、合わせて解決することが適当と判断されるものがあり、それを含めて当事者間で合意できれば、調停を成立させることができます。例えば、調停の申立て時点では治療費のみ請求していたとしても、通院交通費や傷害慰謝料を含めた金額で調停を成立させることができるわけです。調停の申立てにより時効の完成を猶予できる調停の申立ては、時効の完成猶予事由となります。調停の申立てを行った場合、調停の手続きが終了するまでの間は、時効の完成は猶予されます(民法147条1項3号)。調停が不成立で手続きが終了した場合、終了から6ヵ月間は時効の完成が猶予されます(民法147条1項)。調停が成立すれば、時効は新たに進行します(民法147条2項)。交通調停・民事調停のデメリット交通調停・民事調停には、次のようなデメリットがあります。厳格な事実の調査は行われないので、当事者双方の言い分に大きな開きがある場合は、調停は馴染まない。調停は、成立するまでは強制力がなく、相手方が譲歩しなかったり、出頭しないときは不成立となる。調停委員は、必ずしも交通事故の損害賠償問題に詳しいとは限らない。交通調停・民事調停のデメリットについて、補足説明しておきます。厳格な事実の調査は行われない調停では、調停委員会が事実の調査をできるようになっています(民事調停規則13条)。ただし、この事実の調査とは、「特別の方式によらず、かつ、強制力によらないで資料を収集することをいい、例えば、厳格な証拠調べ手続によることなく、当事者が持参した資料等を調べたり、参考人から意見を聴取する方法」(改訂版『交通事故実務マニュアル』ぎょうせい)とされています。そもそも厳格な証拠調べが必要な場合というのは、当事者の説得が困難で、調停成立の見込みがないケースと考えられるので、調停では、事実上、厳格な事実の調査や証拠調べが行われることはありません。ですから、厳格な事実の調査や証拠調べが必要なほど、当事者双方の主張に大きな隔たりがある場合は、調停は馴染みません。最初から訴訟の提起を検討する方がよいでしょう。成立するまでは強制力がない調停は、成立すれば確定判決と同じ効力を有しますが、成立するまでは強制力がありません。ですから、調停は、相手方が出頭しないときは不成立となります。法律には、正当な理由なく出頭しないと5万円以下の過料に処されます(民事調停法34条)が、訴訟のような「欠席判決」の制度がありませんから、調停自体に影響を与えません。また、調停は、民間のADR機関のように損保や共済に対する片面的拘束力をもった裁定を出すことはできません。ですから、相手方が主張を譲らなければ、調停は成立しません。調停委員は、必ずしも交通事故問題に精通していない調停委員には、弁護士、税理士、不動産鑑定士、建築家など専門家がいます。書記官が、その事件に相応しい調停委員を任命することになっています。調停委員は基本的に2人ですから、例えば、地代家賃等の争いの場合は、不動産鑑定士等が1人入って、あとは一般の学識経験者というような組み方をします。しかし、交通調停の場合は、弁護士を除くと、必ずしも専門家という人がいません。調停委員2人のうち1人は、だいたい弁護士が入りますが、もう1人は法律家でない人が入ります。ただ、弁護士についても、交通事故の損害賠償に精通している人は少なく、ほとんどのケースにおいて、交通事故にあまり詳しくない弁護士があたるのが実情です。「交通事故紛争処理センター」や「日弁連交通事故相談センター」の場合は、交通事故の損害賠償に精通した弁護士が担当するのと対照的です。交通事故の損害賠償問題に詳しくない調停委員では、損害賠償について、法的に何が認められ何が否定されるのか、どこまで認められるのか、といった基本的なことが分かっていないため、双方の主張を足して2で割ったところを落としどころとする傾向があるようです。(参考:加茂隆康弁護士『自動車保険金は出ないのがフツー』(幻冬舎新書)より)東京簡裁の書記官の話によると、交通調停は、損保会社OB等の方に調停委員になってもらうことが多く、弁護士については、特に専門分野の方を選ぶわけでなく、必ずしも交通事故問題に精通した弁護士を調停委員に任命するわけではないようです。(参考:『交通事故の損害賠償とADR』日弁連ADRセンター編(弘文堂)より)まとめ調停は、本人や家族の申立てにより、裁判に比べて迅速に、費用も安く解決できるメリットがあります。また、調停の申立てには、損害賠償請求権の消滅時効の完成猶予の効力もあります。ただし、調停委員は、必ずしも交通事故の損害賠償問題に詳しくないなど、被害者にとってデメリットとなる部分もあります。調停のメリット・デメリットを十分知った上で利用することが大切です。お困りのことがあったら、今すぐ交通事故の損害賠償請求に強い弁護士に相談することをおすすめします。早く弁護士に相談するほど、メリットが大きいのです!交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 24時間受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでの無料相談のお申込みは、公式サイトの無料相談受付フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※加害者の方や物損のみの相談は受け付けていませんので、ご了承ください。
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  • 調停
    交通調停と民事調停の違いとは?民事調停事件の管轄裁判所
    民事調停事件の申立ては、管轄の裁判所に対して行う必要があります。人身事故の場合は、交通調停事件として、管轄裁判所の特例が認められています。民事調停事件の管轄は、原則として相手方住所地の簡易裁判所民事上の紛争解決のため、裁判所に調停の申立てをすることができます(民事調停法2条)。調停の申立ては、管轄の裁判所へ申立てする必要があります。調停事件を管轄するのは、原則として相手方所在地の簡易裁判所、または、当事者が合意で定める地方裁判所・簡易裁判所です(民事調停法3条1項)。つまり、交通事故の民事上の紛争を解決するための調停申立ては、基本的に、相手方の住所・居所を管轄する簡易裁判所に対して行います。例外として、当事者間で合意があれば、合意で定める地方裁判所もしくは簡易裁判所に申立てができます。民事調停法2条(調停事件)民事に関して紛争を生じたときは、当事者は、裁判所に調停の申立てをすることができる。民事調停法3条1項(管轄)調停事件は、特別の定めがある場合を除いて、相手方の住所、居所、営業所若しくは事務所の所在地を管轄する簡易裁判所又は当事者が合意で定める地方裁判所若しくは簡易裁判所の管轄とする。交通調停とは?民事調停法は、一般の民事調停と区別し、独立した調停事件を特則として規定しています。その一つが交通調停です。民事調停法の特則特則には、①宅地建物調停、②農事調停、③商事調停、④鉱害調停、⑤交通調停、⑥公害等調停があります。交通調停事件とは交通調停について、民事調停法は次のように規定しています。民事調停法33条の2(交通調停事件・管轄)自動車の運行によって人の生命又は身体が害された場合における損害賠償の紛争に関する調停事件は、第三条に規定する裁判所のほか、損害賠償を請求する者の住所又は居所の所在地を管轄する簡易裁判所の管轄とする。「自動車の運行によって人の生命又は身体が害された場合における損害賠償の紛争に関する調停事件」を交通調停事件といいます。人身事故における損害賠償の紛争については、交通調停事件として管轄裁判所に特例があります。その特例とは、民事一般調停の申立ては原則として相手方所在地の簡易裁判所ですが、交通調停事件の場合は、このほか、損害賠償を請求する者の住所・居所の所在地を管轄する簡易裁判所も、管轄裁判所となることです。民事一般調停と交通調停の違い民事一般調停と交通調停の違いは、管轄裁判所の違いです。交通調停事件(人身事故の民事紛争)の場合は、管轄裁判所に特例が設けられています。まとめると、次の通りです。調停の種類法定の管轄裁判所合意による管轄裁判所民事一般調停相手方の住所、居所、営業所又は事務所の所在地を管轄する簡易裁判所(民事調停法3条1項)任意の地方裁判所又は簡易裁判所(民事調停法3条1項)交通調停相手方の住所、居所、営業所又は事務所の所在地を管轄する簡易裁判所(民事調停法3条1項)損害賠償を請求する者の住所又は居所の所在地を管轄する簡易裁判所(民事調停法33条の2)任意の地方裁判所又は簡易裁判所(民事調停法3条1項)民事調停事件の申立ては、管轄のある裁判所に対して行います。民事調停事件の管轄裁判所は、基本的には「法定の管轄裁判所」欄記載の裁判所です。例外として、当事者間で「合意による管轄裁判所」欄記載の裁判所を管轄裁判所とすることを合意した場合には、その裁判所にも管轄があります。交通調停事件の場合は、相手方の住所・居所の所在地を管轄する簡易裁判所のほか、損害賠償を請求する者の住所・居所の所在地を管轄する簡易裁判所も法定の管轄裁判所です。交通調停の進め方は民事一般調停と同じ交通調停は管轄裁判所の特例があるだけで、それ以外、交通調停として特別の扱いがされるわけではありません。調停の進め方は、一般の民事調停と同じです。調停委員の人選も、特に交通事故の損害賠償に精通した調停委員が任命されるわけではありません。まとめ人身事故の場合、民事調停を申し立てるときは、交通調停として、相手方の住所・居所を管轄する簡易裁判所のほか、申立人の住所・居所を管轄する簡易裁判所に、調停申立てが可能です。物損事故の場合は、一般の民事調停となりますから、相手方の住所・居所を管轄する簡易裁判所に、調停の申立てをすることになります。いずれの場合も、当事者の合意があれば、合意で定める地方裁判所もしくは簡易裁判所に、調停の申立てが可能です。交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 24時間受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでの無料相談のお申込みは、公式サイトの無料相談受付フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※加害者の方や物損のみの相談は受け付けていませんので、ご了承ください。
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  • 調停申立てによる時効完成猶予
    交通調停・民事調停の申立てによる時効完成猶予の効力
    民事に関して紛争を生じたときは、裁判所に調停の申立てをすることができます(民事調停法2条)。民事調停の申立てを行うと、調停が終了するまでの間は、時効は完成しません。仮に、調停が不成立で終了した場合も、終了から6ヵ月間は時効の完成が猶予されます。調停が成立したときは時効が更新し、そこから新たに時効が進行します。民法改正(2020年4月1日施行)により、旧民法の時効の停止・中断は、新民法では時効の完成猶予・更新に変わり、民事調停の申立てにより時効が完成しない期間についても規定が変わりました。詳しく見ていきましょう。民事調停申立てによる時効の完成猶予・更新新民法では、民事調停の申立てによる時効の完成猶予・更新について、次のように定めています(新民法147条)。調停を申し立てると、調停事件が終了するまでの間は、時効は完成しません(時効の完成猶予)。調停が不成立の場合は、調停事件が終了したときから6ヵ月間は時効の完成が猶予されます。時効の完成までに訴えを提起すると、その時点からまた時効の完成は猶予されます。調停が成立した場合は、調停が成立したときから新たに時効が進行します(時効の更新)。民法147条(裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新)次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定することなくその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。一 裁判上の請求二 支払督促三 民事訴訟法第二百七十五条第一項の和解又は民事調停法若しくは家事事件手続法による調停四 破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加2 前項の場合において、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める。旧民法との違いちなみに、旧民法では「調停が調わないときは、1ヵ月以内に訴えを提起しなければ時効中断の効力を生じない」と規定されていました。民法改正により、時効の中断が、時効の完成猶予・更新に変わったほか、調停が調わなかったときは、終了後6ヵ月間は時効の完成が猶予されることになったのです。旧民法151条和解の申立て又は民事調停法若しくは家事事件手続法による調停の申立ては、相手方が出頭せず、又は和解若しくは調停が調わないときは、1ヵ月以内に訴えを提起しなければ、時効の中断の効力を生じない。「時効の完成猶予・更新」と「時効の中断」の違い民事調停法19条との関係民事調停法19条は、調停が不成立で終了した場合には、「申立人がその旨の通知を受けた日から2週間以内に調停の目的となった請求について訴えを提起したときは、調停の申立ての時に、その訴えの提起があったものとみなす」と規定しています。また、民事訴訟費用等に関する法律5条1項は、「民事調停法第19条の訴えの提起の手数料については、調停の申立てについて納めた手数料の額に相当する額は、納めたものとみなす」と規定しています。つまり、調停が不成立の場合は、調停打ち切りの通知を受けた日から2週間以内に訴えを提起すれば、調停の申立てのときに訴えの提起があったものとみなされ、訴訟の手数料についても、調停申立ての際に納めた手数料相当額は納めたものとみなされ、訴訟費用から差し引くことができます。なお、この場合も、時効の完成猶予については、新民法147条の規定の通りです。調停手続き終了後6ヵ月間は、時効は完成しません。ただし、調停打ち切り通知を受けた日から2週間を超えて訴えの提起をした場合は、民事調停法19条と民事訴訟費用等に関する法律5条1項の適用はありません。したがって、調停申立ての手数料額を訴訟費用の一部として控除することはできません。かつては民事調停法19条と旧民法151条との関係が問題になった調停が不成立の場合、民事調停法19条は「2週間以内に訴えを提起すれば、調停の申立てのときに訴えの提起があったものとみなす」と規定し、他方で旧民法151条は「1ヵ月以内に訴えを提起しなければ、時効の中断の効力を生じない」と規定していました。このため、調停が成立しなかった場合、時効中断の効力を生じさせるには、2週間以内に訴えを提起する必要があるのか、それとも1ヵ月以内に訴えを提起すればよいのか、が問題となることがありました。現行の民法の規定によれば、上で説明した通りで疑問の余地はないのですが、参考までに、旧民法151条に調停申立てによる時効中断効力が盛り込まれた経緯と、旧民法151条と民事調停法19条の関係について解説します。旧民法151条に調停申立ての時効中断効力が盛り込まれた経緯旧民法151条に、調停申立ての規定が盛り込まれたのは、2004年(平成16年)の民法改正のときです。民法を現代語化(口語化)するとともに、確立された判例・通説の解釈との整合を図るため、条文の改正が行われました。もともと旧民法151条には和解についての時効中断の規定しかなく、調停申立てに時効中断の効力があるか否かが争いとなり、1993年に最高裁が、民事調停法に基づく調停の申立ても民法151条が類推適用され「時効の中断事由となる」という判断を示しました。 最高裁判所第二小法廷判決( 平成5年3月26日)民事調停法に基づく調停の申立ては、自己の権利に関する紛争を裁判所の関与の下に解決し、その権利を確定することを目的とする点において、裁判上の和解の申立てと異なるところがないから、調停の申立ては、民法151条を類推して時効の中断事由となるものと解するのが相当である。したがって、調停が不成立によって終了した場合においても、1ヵ月以内に訴えを提起したときは、右調停の申立ての時に時効中断の効力を生ずるものというべきである。こうした最高裁判例があり、2004年(平成16年)の民法改正で、第151条に調停の申立てによる時効中断効力の規定が盛り込まれたのです。このことについて、法務省民事局参事官室の「民法現代語化案補足説明」に、「確立された判例・通説の解釈との整合を図るための条文の改正点」として、第151条について次のような説明があります。法務省民事局参事官室の「民法現代語化案補足説明」裁判所に対する調停の申立てについて、和解の申立てと同様に、相手方が出頭せず、又は調停が調わなかった場合には,1ヵ月以内に訴えを提起すれば時効が中断する旨を明らかにしている。※法務省民事局参事官室「民法現代語化案補足説明」(平成16年8月4日)より抜粋。 法務省のWebサイトにリンクしています。旧民法151条と民事調停法19条の関係平成5年3月26日の最高裁判決からも明らかなように、民事調停法に基づく調停の申立ては、旧民法151条により時効の中断事由になり、調停が不成立によって終了した場合にも、1ヶ月以内に訴えを提起したときは、調停の申立ての時に時効中断の効力を生じる、と解されてきました。それでは、民事調停法19条の規定、すなわち、調停不成立の場合、2週間以内に訴えを提起したときは、「調停の申立ての時に、その訴えの提起があったものとみなす」という規定との関係をどう解釈すればよいのでしょうか?民事調停法19条の「2週間以内に訴えを提起したときは、調停の申立ての時に、その訴えの提起があったものとみなす」という規定は、一定の条件の下に調停の申立てに訴え提起の効果を擬制したもので、調停の申立てそれ自体の実体法上の効力について規定するものではないと考えられています。(参考:司法制度改革推進本部 ADR検討会・第4回(平成14年5月13日)配布資料4-4)「実体法である民法」と「手続法である民事調停法」との関係から、実際に時効中断の効力が問題になった場合には、民法151条が適用されます。民事調停法19条は、ただ「2週間以内に訴えを提起したときは、調停の申立ての時に、その訴えの提起があったものとみなす」と規定しているだけで、調停の申立てによる時効中断の効力を規定するものではないのです。現民法との関係でいえば、時効完成猶予の効力を規定するものではない、ということです。まとめ裁判所への交通調停・民事調停の申立てには、損害賠償請求権の消滅時効の完成を猶予させる効力があります。調停が成立した場合は時効が更新し、調停が不成立となった場合でも6ヵ月間は時効の完成が猶予されます。また、調停が不成立だった場合には、調停打ち切りの通知を受けてから2週間以内に訴えを提起すれば、調停申立てのときに訴えの提起があったものと見なされ、訴訟費用(訴え提起の手数料)は、調停申立てのときに納めた手数料相当額を納めたものとして差し引くことができます。民間ADR機関への申立てには、一部を除き、時効完成猶予の効力はありません。詳しくは、交通事故ADRのメリット・デメリットをご覧ください。交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 24時間受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでの無料相談のお申込みは、公式サイトの無料相談受付フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※加害者の方や物損のみの相談は受け付けていませんので、ご了承ください。【参考文献】・最高裁判所「裁判手続 簡易裁判所の民事事件Q&A」・法務省民事局参事官室「民法現代語化案補足説明」(平成16年8月4日)・司法制度改革推進本部 ADR検討会・第4回(平成14年5月13日)配布資料4-4
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  • 調停手続き
    交通調停・民事調停の申し立て方法と手続の流れ
    民事調停事件は、管轄する裁判所が法律(民事調停法)で定められています。調停の申立ては管轄裁判所に行います。民事調停の申立て方法、民事調停の手続きについて見ていきましょう。民事調停申立ての管轄裁判所民事調停の申立ては、相手方の住所・居所を管轄する簡易裁判所に対して行うのが原則です。ただし、当事者が合意していれば、その合意した地方裁判所・簡易裁判所が管轄裁判所となります。民事調停法3条1項(管轄)調停事件は、特別の定めがある場合を除いて、相手方の住所、居所、営業所若しくは事務所の所在地を管轄する簡易裁判所又は当事者が合意で定める地方裁判所若しくは簡易裁判所の管轄とする。なお、「自動車の運行によって人の生命または身体が害された場合における損害賠償の紛争に関する調停事件」を交通調停事件といい、交通調停事件は、相手方の住所・居所の所在地を管轄する簡易裁判所のほか、損害賠償を請求する者の住所・居所の所在地を管轄する簡易裁判所も管轄とする特則があります(民事調停法33条の2)。交通調停の申立ては、相手方の住所地を管轄する簡易裁判所でも、自分の住所地を管轄する簡易裁判所でも、どちらでもかまいません。また、当事者間で合意した地方裁判所・簡易裁判所があれば、その裁判所に対して調停申立てをすることも可能です。民事調停法33条の2(交通調停事件・管轄)自動車の運行によって人の生命又は身体が害された場合における損害賠償の紛争に関する調停事件は、第3条に規定する裁判所のほか、損害賠償を請求する者の住所又は居所の所在地を管轄する簡易裁判所の管轄とする。交通調停と民事一般調停の違いについて詳しくはこちら調停申立書の書き方と注意点、添付書類交通調停・民事調停は、管轄裁判所に調停申立書を提出することで、手続きが開始します。交通調停は、調停事件を管轄する簡易裁判所に特例があるだけで、調停の手続きは、一般の民事調停と同じです。調停申立書の入手方法と書き方調停の申立用紙は、簡易裁判所に備えられています。記入の仕方は窓口で教えてくれます。交通調停の申立書の書式や記載例を最高裁のホームページからダウンロードすることもできます。申立書の記載方法は簡単です。申立人・相手方の住所・氏名、申立ての趣旨、交通事故の内容、損害額を記載します。添付書類としては、証拠書類(交通事故証明書・診断書の写し)、資格証明書(当事者が法人の場合、商業登記簿謄本・抄本)、委任状等(当事者の代理人が申立てをする場合、当事者が未成年者の場合は法定代理人の代理権を証するための戸籍謄本も必要)があります。※最高裁のホームページからダウンロードしたものです。具体的な請求額を記載しなくてもよい「申立ての趣旨」の欄に注目してください。通常は具体的な請求金額を記入しますが、損害額の算定を調停に頼みたい場合等は「2 相当額の金額を支払うこと」でもよいことになっています。調停の申立てには時効完成猶予の効力があるので、時効が迫っているのであれば、とりあえず「相当額の金額を支払うこと」として申立てを行えば、時効の完成を猶予させることができます。調停申立てに必要なものと手数料裁判所に提出する申立書や書類などは、裁判所提出用の正本1通のほか、相手方に交付するための副本(写し)を相手方の数だけ用意して裁判所に提出します。調停の手数料は収入印紙で納めます。申立書に一定額の収入印紙を貼り、相手方に送付用の切手を添えて、裁判所に提出します。印紙をいくら貼るかは、支払いを求める金額に応じて決まります。印紙や郵便切手について詳しいことは、裁判所の受付で教えてくれます。調停委員会調停は、原則として調停委員2名と裁判官1名で構成される調停委員会により行われます。裁判官は、調停が大詰めにきたときや、成立・不成立の判断をするとき以外は出席せず、調停委員が当事者の意見を聞いて調整していきます。調停委員は、弁護士や学識経験者で、裁判所が任命します。なお、交通調停といっても、必ずしも交通事故の損害賠償問題に詳しい調停委員があたるわけではありません。詳しくは、交通調停・民事調停のデメリットをご覧ください。1回の調停でまとまらないときは、数回繰り返します。徐々に争点が絞られてきて、調停委員の勧める妥当なところで両者が妥協すれば調停成立、まとまらなければ調停不成立となります。調停が成立すれば、調停調書が作成されます。調停調書には確定判決と同じ効力があり、原則として後から不服を唱えることはできません。もし、約束した行為をしない場合には、調停の内容を実現するため、強制執行を申し立てることができます。調停不成立の場合は、訴訟を提起するほかありません。この場合、損害賠償請求権の消滅時効に注意してください。調停申立てによる時効の完成猶予の効力について詳しくはこちらをご覧ください。まとめ交通調停・民事調停の申立ては、被害者本人でもできます。調停は、調停委員が間に入りますが、あくまで当事者の話し合いにもとづく合意により解決する手続きです。当事者双方が合意しなければ、調停は成立しません。調停委員は必ずしも交通事故の損害賠償問題に詳しくないので、納得できる調停結果を得られない可能性があることにも留意してください。調停を申立てるかどうかは、慎重に検討する方がよいでしょう。お困りのことがあれば、交通事故の損害賠償請求に強い弁護士に相談することをおすすめします。交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 24時間受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでの無料相談のお申込みは、公式サイトの無料相談受付フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※加害者の方や物損のみの相談は受け付けていませんので、ご了承ください。あなたにおすすめのページ交通調停・民事調停のメリット・デメリット調停申立てが本当に有効なケースとは?
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  • 調停に代わる決定
    調停に代わる決定(17条決定)とは?効力と無効にする手続き
    民事調停・交通調停を申立て、話し合いを重ねても、当事者間で大筋では合意していながら、感情的な対立などから調停の成立が見込めないケースがあります。そのまま調停不成立とするのは惜しい場合など、裁判所が職権で適切と思われる解決案を示すことがあります。これを「調停に代わる決定」といいます。調停に代わる決定(17条決定)とは?交通調停・民事調停が成立する見込みがないとき、裁判所が相当と判断すれば、職権で、調停に代わる決定をすることができます。調停に代わる決定は、裁判上の和解と同じ効力を有します。ただし、当事者が、調停に代わる決定の告知を受けた日から2週間以内に異議を申し立てれば、その効力を失います。調停に代わる決定がされるのは、どんな場合?調停に代わる決定がされるのは、例えば、次のような場合です。当事者双方が自らは譲歩したくないが、裁判所が和解案を提示すれば従うという場合解決の方向性は見い出せているのに、当事者が自分の考えに固執し合意できない場合大筋では合致しているのに、わずかな意見の対立から調停の成立が見込めない場合意見の対立が、もっぱら感情的なものに過ぎない場合当事者が法人で、裁判所が決定を出せば稟議を通しやすい場合調停申立てに至るまでに示談交渉を重ねている場合がほとんどですから、「自分から譲歩するのはイヤだけど、裁判所が決めてくれるなら従ってもいい」という方が、結構いるようです。このような場合に、裁判所が適切と思われる解決案を当事者に示すことで、当事者に再考を促し、紛争解決を図るため、調停に代わる決定という制度が民事調停法で認められているのです。民事調停法17条で規定していることから、「17条決定」とも呼ばれます。調停は、あくまでも当事者間での「話し合い」と「合意」により紛争解決を図るものです。そのため、調停に代わる決定は「当事者双方の申立ての趣旨に反しない限度」において認められています(民事調停法17条)。民事調停法17条(調停に代わる決定)裁判所は、調停委員会の調停が成立する見込みがない場合において相当であると認めるときは、当該調停委員会を組織する民事調停委員の意見を聴き、当事者双方のために衡平に考慮し、一切の事情を見て、職権で、当事者双方の申立ての趣旨に反しない限度で、事件の解決のために必要な決定をすることができる。この決定においては、金銭の支払、物の引渡しその他の財産上の給付を命ずることができる。調停に代わる決定の効力と異議申立調停に代わる決定に不服がある場合は、決定の告知を受けた日から2週間以内であれば、異議申立ができます(民事調停法第18条1項)。2週間以内に異議申立すれば、調停に代わる決定は効力を失います(民事調停法第18条4項)。その結果、調停不成立ということになります。2週間以内に異議申し立てをしない場合は、その決定は「裁判上の和解と同一の効力を有する」ことになります(民事調停法第18条5項)。調停が成立したときに作成される調停調書と同じ効力を有し、履行されない場合は強制執行が可能です。民事調停法第18条(異議の申立て)前条の決定に対しては、当事者又は利害関係人は、異議の申立てをすることができる。その期間は、当事者が決定の告知を受けた日から2週間とする。裁判所は、前項の規定による異議の申立てが不適法であると認めるときは、これを却下しなければならない。前項の規定により異議の申立てを却下する裁判に対する即時抗告は、執行停止の効力を有する。適法な異議の申立てがあったときは、前条の決定は、その効力を失う。第1項の期間内に異議の申立てがないときは、前条の決定は、裁判上の和解と同一の効力を有する。まとめ調停に代わる決定は、当事者双方が「自ら譲歩したくないけれども、裁判所が決めてくれれば従う」というような場合に有効です。調停に代わる決定には「裁判上の和解」と同じ効力があり、相手方が履行しない場合は、強制執行が可能です。決定に不服であれば、2週間以内に異議申し立てをすれば、その効力は失われます。交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 24時間受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでの無料相談のお申込みは、公式サイトの無料相談受付フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※加害者の方や物損のみの相談は受け付けていませんので、ご了承ください。
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  • 調停申立てが有効なケース
    交通調停・民事調停の申立てが有効なケースとは?
    交通調停・民事調停は、訴訟に比べて簡易な手続きで紛争を解決できます。調停の費用(手数料)も、訴訟の費用(手数料)の半分です。弁護士に頼まなくても、被害者本人で申立てができます。ただし、どんな場合でも交通調停・民事調停の申立てが有効とは限りません。交通調停・民事調停の申立てにはメリット・デメリットがあるからです。裁判所に調停を申し立てるか、民間ADR機関(交通事故紛争処理センター、日弁連交通事故相談センターなど)に示談斡旋を申し立てるか、状況により選択することが大切です。交通事故の被害者にとって、調停の申立てが有効な場合は、次の3つのケースです。加害者が任意保険に加入していない場合時効が近づいている場合「自転車」事故の場合それぞれ詳しく見ていきましょう。調停は加害者が任意保険に加入していない場合に有効加害者が任意自動車保険・任意自動車共済に加入している場合は、たいてい事実上の交渉相手が損保や共済となります。この場合は、裁判所に交通調停・民事調停を申し立てるよりも、交通事故ADR機関の「交通事故紛争処理センター」や「日弁連交通事故相談センター」に示談斡旋を申し立てる方が、断然有利です。加害者が任意保険・任意共済に加入していない場合には、調停申立てが有効なケースがあります。加害者が任意保険に加入しているときは、調停よりADRが有効「交通事故紛争処理センター」と「日弁連交通事故相談センター」は、それぞれ損保と共済に対し、片面的拘束力をもつ裁定が出せるからです。損保や共済は、裁定に従わなければなりません。つまり、被害者の側が裁定に納得すれば、その金額と内容で示談が成立するのです。被害者の側には拘束力がないので、裁定に納得できなければ、訴訟に移行することができます。さらに、「交通事故紛争処理センター」や「日弁連交通事故相談センター」では、交通事故に詳しい弁護士が第三者の立場で示談斡旋を行いますから、適正な損害賠償額で示談できる可能性が高いのです。しかも、「交通事故紛争処理センター」や「日弁連交通事故相談センター」なら、利用は無料です。交渉相手が損保や共済の場合、調停申立てのメリットはない事実上の交渉相手が損保や共済の場合、交通調停・民事調停を申立てるメリットは、ほとんどありません。そもそも調停は、調停委員が当事者を説得して合意を図る手続きです。事実上の交渉相手が損保や共済の場合、調停委員が加害者を説得しても、調停に応じるか否かは、損保会社や共済組合の内部で稟議を経る必要があるので、裁判所で調停委員に加害者を説得してもらうという「調停の利点」が発揮しにくいのです。また、調停には、損保や共済に対する拘束力がありませんから、保険会社や共済組合の合意が得られなければ、調停は不成立となります。調停が不成立となれば、訴訟による解決しかありません。加害者が任意保険に未加入のときは、調停申立てが有効な場合がある相手が任意保険・任意共済に加入していない場合は、調停の申立てが有効な場合があります。当事者に対し一定の強制力がある民事調停法34条は、「裁判所又は調停委員会の呼出しを受けた事件の関係人が正当な事由がなく出頭しないときは、裁判所は、5万円以下の過料に処する」と定めています。民事調停は、相手方に対し、少しだけですが強制力があります。相手を調停の場に引っ張り出し、調停委員に説得してもらうことができる点でメリットがあります。相手が任意保険や任意共済に未加入の場合でも、交通事故紛争処理センターや日弁連交通事故相談センターに示談斡旋を申立てすることはできますが、民間ADR機関ですから強制力はなく、示談斡旋を受けることに相手の同意が必要です。調停調書を債務名義として、強制執行が可能相手が任意保険・任意共済に加入していれば、示談内容が履行されないという心配はないのですが、相手が任意保険・任意共済に加入していない場合は、示談内容が履行されない可能性があるので、示談条項の履行を確保するための手続きが必要になります。調停による話合いがまとまると、裁判所書記官がその内容を調書に記載して,調停が成立します。調停調書は確定判決と同じ効力を有するので、万が一、示談条項が守られない場合、調停調書を債務名義として、強制執行が可能となります。物損のみの場合でも申立ての制限なし物損のみの場合、「交通事故紛争処理センター」や「日弁連交通事故相談センター」は、相手が示談代行付き対物賠償保険に加入している場合に限り、示談斡旋が可能です。それに対して、民事調停は、そういった制限はなく、相手が対物賠償保険に加入していない場合でも、申立て可能です。時効が近づいている場合には調停申立てが有効交通調停・民事調停の申立てには、時効の完成を猶予させる効力があります。調停が成立すれば時効は更新し、調停が不成立の場合には、調停手続き打ち切りから6ヵ月間は、時効の完成が猶予されます。時効の完成が近づいているときは、交通調停・民事調停の申立てが有効です。ちなみに、「交通事故紛争処理センター」や「日弁連交通事故相談センター」への示談斡旋の申立てには、時効の完成を猶予させる効力はありません。消滅時効の完成猶予・更新について詳しくは次のページをご覧ください。交通調停・民事調停の申立てによる時効完成猶予の効力損害賠償請求権の消滅時効の完成猶予・更新「自転車」事故の場合には調停申立てが有効「交通事故紛争処理センター」や「日弁連交通事故相談センター」は、自動車事故にともなう紛争のみが対象で、「自転車」事故に関する紛争は扱いません。それに対して、民事調停は「自転車」事故に関する紛争も取り扱い可能です。最近は、「自転車」事故の当事者からの民事調停の申立ても増えているようです。まとめ交通調停・民事調停の申立ては、被害者本人で可能で、裁判所で調停委員から相手を説得してもらえるので、示談交渉で行き詰まっているときに有効な手続きです。ただし、交通事故被害者にとって、調停の申立てが有効なケースは限られます。交通調停・民事調停を申し立てるか、ADRに持ち込むか、弁護士に示談交渉を委任するか、状況により選択することが大切です。交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 24時間受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでの無料相談のお申込みは、公式サイトの無料相談受付フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※加害者の方や物損のみの相談は受け付けていませんので、ご了承ください。
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