交通事故トラブル解決ガイド|損害賠償請求・示談交渉の悩みを解決!

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  • 正当な損害賠償を受ける方法
    示談後に「後悔する人」と「満足する人」の少しの違いとは?
    交通事故被害者の多くが、残念ながら、正当な金額の損害賠償を保険会社から受けられていません。その事実すら、あまり知られていません。そんな中でも、一部には、保険会社から正当な損害賠償金額をキッチリ勝ち取っている交通事故被害者もいます。その違いは、たった1つのことを実行したかどうかです。正当な損害賠償金額を獲得している被害者が「共通して行っていること」とは?ほとんどの人が知らない! 保険会社の提示額で示談して損している!まず、交通事故の損害賠償を示談で解決する一般的なケースを見ておきましょう。保険会社が損害を算定し、賠償金額を提示するのが一般的治療が終了して損害額を計算できる段階になると、加害者が加入している保険会社から、賠償金額の提示があります。加害者が自分で損害賠償すべき金額を算定することは難しいので、保険会社が代わって、被害者の損害を算定し、被害者と直接交渉して損害賠償額を確定する仕組みになっています。被害者も、自分で損害額を算定し、賠償請求することは簡単ではありません。治療費は領収証等から損害賠償請求する金額が分かるとしても、そのほか何を損害賠償請求できるのか、どのように計算するのか、慰謝料はどれくらいが妥当なのか等、わからないことばかりです。保険会社から賠償金額の提示があるのは、被害者も助かるのです。比較的スムーズに損害賠償金を受領できますが、保険会社が損害賠償額を提示して示談を代行することは、被害者にとって重大な問題点があります。保険会社の提示額で示談する問題点とは?保険会社が示談代行を行うのは、迅速・公平に保険金(賠償金)を支払い、被害者の救済を図るため、とされています。しかし、これは表向きの理由であって、真のねらいは、自社の保険金支払基準で算定した賠償額で示談に応じさせ、保険金の支払額を減らすことです。保険会社の保険金支払基準は、被害者が本来受け取ることができる正当な賠償額(裁判で認められる損害賠償額)より、かなり低い金額です。しかも、保険会社の担当者は「加害者の代理」であって、「中立の立場」でも「被害者の味方」でもありません。さらに損害保険のプロです。交渉にも長けています。対して、被害者は、交通事故の損害賠償など初めてです。保険会社の提示額が妥当な金額なのか、どれくらい増額できそうか、判断する基準がなく見当もつきません。そのため、被害者は、保険会社の説明に納得させられ、おおむね保険会社の提示額で示談することになるのです。それは「正当な損害賠償額を取得できていない」ことを意味します。ほとんどの人が、この事実を知りません。被害者は、損していることを知らずに、保険会社に言われるまま、示談してしまっているのです。この事実を知ったあなたは、もはや保険会社の提示額で示談しようとは思わないでしょう。とはいえ、正当な損害賠償額が分かりません。では、どうすればよいのか?正当な賠償金額を獲得している人に共通することとは?正当な賠償金額を獲得している被害者に共通することとは、交通事故に詳しい弁護士に相談・依頼している、ということです。「弁護士に頼んだら、賠償額が増えるのは当たり前」と思うかもしれませんが、ほとんどの人が、「弁護士に頼むと、なぜ大幅に賠償額が増えるのか?」、その本当の理由を知りません。弁護士に相談・依頼することが大切なのは、単に弁護士が「法律の専門家だから」とか「交渉力が優れているから」という理由ではありません。交通事故の損害賠償請求においては、弁護士に相談・依頼すべき特別の事情があるのです。それは、交通事故の損害賠償は、迅速・公平に解決するため、定型化・基準化が進んでいるからです。どの基準で損害算定するかが、決定的に重要なのです。先に、保険会社の低い基準で算定した賠償金額で示談して、多くの被害者が損をしているという話をしました。裁判においても、裁判所の損害算定の基準があります。裁判所の損害算定基準は、保険会社の支払い基準よりもはるかに高く、2~3倍の金額である損害項目も少なくありません。この裁判所の基準で損害を算定してこそ、被害者は適正な賠償金を取得できるのです。弁護士に頼むと、裁判所と同じ基準で、被害者の損害を算定し、保険会社に対して賠償請求します。なので、示談による解決であっても、裁判による解決に近い「正当な損害賠償額」を取得することが可能となるのです。これこそが、弁護士に頼むと損害賠償金額を大幅に増額できる理由なのです。ほとんどの人が、このことを知りません。このことを知っている人だけが、弁護士に頼んで、正当な損害賠償額を受け取ることができているのです。ただし、弁護士なら誰でもよい、というわけではりません。弁護士には得意分野があり、すべての法律分野をカバーできるわけではありません。特に、交通事故の損害賠償は、弁護士にとって特殊な法律分野となりますから、交通事故の損害賠償に詳しい弁護士に相談することが大切です。正当な損害賠償金額を獲得している被害者は、弁護士選びで成功しているのです。交通事故被害者が知っておきたい弁護士選び3つのポイント弁護士費用は、弁護士保険の利用をおすすめします。あなたの任意自動車保険に弁護士費用特約が付いていれば、弁護士保険を使えます。まとめ示談後に「後悔する人」と「満足する人」のちょっとした違いとは、交通事故の損害賠償に詳しい弁護士に相談・依頼したかどうかです。保険会社の算定した賠償額で示談してしまうと、本来の正当な損害賠償額を取得できません。保険会社の損害算定基準が低いからです。弁護士に頼むと、裁判所と同じ基準で損害額を算定し、交渉してもらえるので、正当な金額を取得することが可能となります。あなたの適正な損害賠償額を知りたいときは、弁護士に相談してみることをおすすめします。このサイトでは、相談無料の交通事故に詳しい弁護士事務所をご紹介しています。弁護士に依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫ですから、まずは無料相談をしてみてはいかがでしょうか?交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 24時間受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでの無料相談のお申込みは、公式サイトの無料相談受付フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※加害者の方や物損のみの相談は受け付けていませんので、ご了承ください。こちらも読まれています交渉力だけではない!弁護士の介入で賠償額が増える本当の理由とは?交通事故の被害者が知っておきたい弁護士選び3つのポイント示談交渉を弁護士に頼む5つのメリット・1つのデメリット
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  • 示談交渉テクニック
    交通事故示談交渉で保険会社に負けない交渉術7つのテクニック
    交通事故の示談交渉で「保険会社に負けない交渉術・交渉テクニック」をご紹介します。単なる小手先の交渉テクニックではありません。実際の交通事故の示談交渉における弁護士の交渉術をまとめた、いわば「プロの交渉術」です。示談交渉で主導権を握り、正当な損害賠償金額を取得するための「7つのテクニック」として整理しましたので、参考にしてみてください。7つの示談交渉テクニック事故状況を正確に把握し、情報の優位性で相手を圧倒する。保険会社まかせでなく、自身で損害額を計算し、最大限の額を賠償請求する。冷静に法と証拠で勝負する。示談交渉は書面で行う。2~3割減くらいは譲歩する心づもりで交渉に臨む。裁判を恐れない強気の姿勢を相手に示す。最終局面では内訳を気にせず総額で判断する。「7つの示談交渉テクニック」について、これから詳しく説明していきますが、その前に、このことは知っておいてください。交通事故に遭って心身とも疲弊している中、苦労して交渉テクニックや交渉力を高めたとしても、保険会社との示談交渉において、その労力に見合う成果は少ないのが現実です。もちろん、ここで紹介する交渉テクニックや交渉術を駆使すれば、自力で示談交渉する場合でも、多少の示談金アップは見込めます。しかし、大幅アップを望むのであれば、限界があります。弁護士を立てない限り、保険会社が損害賠償金の大幅な増額に応じることは、まずあり得ないからです。決して無理をせず、弁護士に相談し、保険会社との示談交渉を任せてしまうことも考えてみてください。もっとも、被害者が自力で保険会社と示談交渉をしなければならない場合もあります。軽傷だった場合や物損の場合など損害が比較的軽微だった場合です。こういうケースでは、受領できる損害賠償額より弁護士費用が上回って「費用倒れ」となることがあり、弁護士に頼むメリットがないのです。このサイトに掲載している弁護士事務所は、費用倒れになりそうな場合には弁護士が受任せず、別の解決方法を教えてくれますから、安心して相談できます。弁護士に相談することで、あなたの正しい損害賠償額が具体的に分かりますから、自力で保険会社と示談交渉することにした場合でも、強気で臨めます。もちろん、弁護士に相談をして、弁護士に任せるのがよさそうだと思えば、弁護士にすべて任せればよいのです。あなたは示談交渉について何の心配もなく治療に専念でき、しかも損害賠償額の大幅アップも期待できます。【相談無料】交通事故被害者におすすめの弁護士事務所はこちら保険会社から賠償金額が提示されているのでしたら、こちらの弁護士事務所に相談すれば、その提示額が妥当かどうか、無料で診断してもらえます。それでは、交通事故の示談交渉で「保険会社に負けない交渉術」「7つ示談交渉テクニック」について、詳しく説明しましょう。① 事故状況を正確に把握し、情報の優位性で相手を圧倒する事故の状況を正確に把握し、そのことを相手に認識させること、すなわち、情報の優位性で相手を圧倒することが、示談交渉で主導権を握るための大前提です。そのためには、事故の状況について記録し、証拠や証言を集めておくことが大事です。特に、ドライブレコーダーの映像があれば、どういう状況で事故が起きたか、有力な決定的証拠となり得ます。事故の状況を可能な限り記録しておく事故が発生したときの状況を一番知っているのは、いうまでもなく当事者です。被害者は、事故の当事者です。対する保険会社の担当者は、当事者である加害者の主張にもとづいて交渉する第三者です。つまり、事故が発生したときの情報量については、被害者の方が、保険会社の担当者より勝っているのです。とはいえ、人の記憶は、時間の経過とともに曖昧になるものですから、事故の状況について可能な限り記録を残しておくことが大切です。正確な事故状況の把握は、賠償責任の有無や過失割合の判断に大きく影響します。保険会社との「たたかい」は、事故直後から始まっているのです。証拠集め・目撃者探し被害者と加害者で主張が対立する場合は、客観的な証拠や目撃者の証言が不可欠です。日が経つと事故の痕跡は消えてしまいます。事故後、速やかに事故状況を記録し、証拠を集め、目撃者がいれば、目撃者の連絡先や証言内容を記録しておきましょう。ドライブレコーダーを搭載している場合は、事故時の映像が上書きされないよう保存しておくことが大切です。救急搬送され、事故の状況を記録できなかった場合は、できるだけ早く事故現場に行き、事故状況を記録し証拠を集めておきましょう。あとから事故現場に行くと、事故直後には気が動転していて気づかなかったことを発見できる場合もあります。「いまさら事故現場を見に行ってもしかたない」と諦めてはいけません。ただし、自分で証拠を集め、目撃者を探すのは簡単ではありません。困ったときは弁護士に相談してみましょう。プロの目で、有利な証拠や証言を見つけられる可能性があります。【相談無料】交通事故の被害者におすすめの弁護士事務所はこちら事故直後の初期対応について、さらに詳しく被害者が事故現場でやっておくべき3つのこと被害者がやりがちな3つの間違い② 被害者の側で損害額を算定し、最大限の額を賠償請求する相手方の任意保険会社が一括対応している場合、被害者の損害額が確定する段階で、相手方保険会社から賠償金額の提示があるのが一般的です。多くの場合、この保険会社の提示額をベースに示談交渉をします。しかし、これでは、保険会社に主導権を握られてしまいます。被害者の側が、示談交渉で主導権を握るためには、被害者の側で損害額を計算し、賠償請求することが重要です。なぜ、被害者が損害額を算定して賠償請求すべきなのか?「加害者の側から、誠意ある金額を提示するのが筋だ!」という方もいるでしょうが、その手法では、示談交渉で主導権を握ることはできません。自身では損害額を計算せず、保険会社の提示額に対して異論を唱えて増額を要求する方法は、しょせん相手の土俵でのたたかいです。そもそも、正確な損害額の計算は、被害者の側でなければできません。損害の立証責任は、賠償請求する被害者の側にあります。保険会社の提示額で示談するのなら、何も面倒なことをする必要ありません。しかし、適正な損害賠償金額を取得するのであれば、被害者の側で損害額を計算し、その根拠を示して、保険会社に請求する必要があるのです。そもそも示談とは、双方が譲歩しあって和解することです。被害者が、被った損害の全額を最初に賠償請求し、そこから「いくら負けるか」の交渉こそが、被害者が主導権を握る示談交渉なのです。相手も、損害賠償額の上限が明確になるため譲歩しやすく、示談がまとまりやすいのです。これが「プロの交渉術」です。損害額は裁判所基準で算定する損害賠償額の算定基準には、自賠責保険基準・任意保険基準・裁判所基準の3つの基準があります。どの基準で損害算定するかによって損害額が異なります。裁判所基準とは、裁判で認められる金額を基準化したものであり、裁判所基準で損害額を計算することにより、被害者にとって適正な損害賠償額を算定することができます。これに対し、自賠責保険基準や任意保険基準は、保険金の支払基準にすぎず、適正な損害賠償額には及びません。任意保険会社の提示額は、任意保険基準や自賠責保険基準で計算した金額ですから、被害者が本来受け取れる正当な賠償金額に比べて低い水準にとどまります。裁判所基準で算定すると、自賠責保険基準で算定した場合に比べて、3~4倍高い金額となることも珍しくありません。だからこそ、被害者は、裁判所基準で損害額を算定し、賠償請求すべきであり、保険会社と示談交渉をする意味があるのです。なお、裁判所基準での損害算定と保険会社との示談交渉は、交通事故に詳しい弁護士に頼むのが一番です。【相談無料】交通事故の被害者におすすめの弁護士事務所はこちらすでに保険会社から損害賠償金額が提示されているのでしたら、こちらの弁護士事務所に相談すれば、その提示額が妥当な金額かどうか、無料で診断してもらえます。③ 冷静に法と証拠で勝負する示談交渉は、「法と証拠にもとづき冷静に」が鉄則です。感情的になったら負けです。請求の根拠を示して冷静に交渉すれば、相手から譲歩を引き出せる可能性があります。法と証拠にもとづく示談交渉とは「法と証拠にもとづく」とは、損害賠償請求に法的根拠があり、請求額の正当性を証明する証拠もある、ということ。裁判になった場合でも、裁判所が認める根拠や証拠があることです。保険会社は、自社の支払基準が、裁判所基準に比べて低いことは百も承知しています。その一方で、裁判になったらどのような結果になるか、も考えながら交渉します。ですから、保険会社は、法外な要求には応じませんが、法と証拠にもとづく請求であれば、譲歩する場合があるのです。感情的になると、相手から裁判に持ち込まれることもある冷静に交渉することも大切です。保険会社の対応に怒りを感じることもあるでしょう。しかし、感情的になっては、良い結果を生みません。示談交渉で、感情的になって激しい口調で抗議を続けると、保険会社は弁護士に委任します。交渉相手が、保険会社の示談担当者から、保険会社の顧問弁護士に移ります。「弁護士に任せたので、文句があるなら弁護士に言ってください」というわけです。弁護士に抗議を続けると、弁護士は、すぐに債務不存在確認訴訟を提起します。「言いたいことがあれば、法廷で言ってください」と。債務不存在確認訴訟とは、被害者に対して支払う損害賠償債務は、保険会社の提示額を超えて存在しないことを確認する裁判です。こうなると、示談交渉でなく、裁判で争うことになってしまい、解決まで時間も費用もかかってしまいます。保険会社の対応に冷静でいられない気持ちは理解できますが、感情的になると、相手から裁判に持ち込まれてしまうこともあり、決して良い結果にはならないのです。④ 示談交渉は書面で行う保険会社の担当者は、知識も経験も豊富なプロです。直接会って交渉すると、相手のペースに引き込まれ、主導権を握られてしまいます。ですから、示談交渉は、基本的に書面で行うことをおすすめします。書面やメールで交渉すると、交渉の経過が残り、「言った、言わない」の争いを防止できるメリットもあります。直接会って交渉すると、その場の雰囲気に流されて承諾してしまい、「あとで考えると失敗だった」と後悔することがありますが、書面ならじっくり考えて返答できます。だれかに相談した上で返答することもできます。直接会って交渉するときは即答を避けるもちろん、直接会って交渉することが必要となる場合もあります。その際、記憶が曖昧な部分を聞かれたり、想定していなかった質問をされることもあります。そんなときは、その場で即答せず、確認してから回答することを伝え、あとで回答するようにします。相手が示談を急かすときは要注意被害者が生活費にも困っているような状況なら、保険会社は、そこに付け込んで、早急に示談するよう迫ってくる場合があります。そういう場合は、往々にして提示額が低いのです。いったん示談すると、やり直しや追加請求ができません。生活費にも困っているような状況なら、先に自賠責保険に仮渡金請求をすることもできます。示談するかどうかは、慎重に判断してください。保険会社との対応で困ったときや、どう対応したら良いか分からないときは、自分だけで判断せず、弁護士に相談してみましょう。保険会社との交渉を、弁護士に全て任せることもできます。【相談無料】交通事故の被害者におすすめの弁護士事務所はこちら⑤ 2~3割減くらいは譲歩する心づもりで交渉に臨む示談は、双方が譲歩しあって和解する解決方法です。どちらかが一方的に譲歩する解決方法ではありません。ですから、被害者の側も、ある程度は譲歩しなければなりません。どれくらい譲歩すればよいかは、個別事情により異なりますが、一般的には、裁判所基準で算定した額の7~8割程度で示談できればよいといわれています。もちろん、これは、弁護士が裁判所基準で損害算定して交渉する場合です。「請求額から2~3割程度は譲歩することもやむを得ない」と、気持ちにゆとりをもって示談交渉に臨むと、早期解決が見込め、良い結果につながることが多いようです。事前に弁護士と「落としどころ」を話し合っておくとよいでしょう。もし、「絶対に譲歩する気はない」というのなら、示談交渉は成り立ちません。すぐにでも訴訟に切り替え、裁判で決着を付けることを考える方がよいでしょう。ただし、裁判となると、解決までに時間も費用もかかります。裁判のメリット・デメリットを考えて、慎重に判断することが大切です。⑥ 裁判を恐れない強気の姿勢を相手に示すどうしても譲歩できないこともあるでしょう。そういう場合は、いざとなったら「出るところへ出る」と、裁判も恐れない強気な姿勢を示すことで、示談交渉が有利に進むこともあります。保険会社の担当者から、「これでダメなら裁判で解決するしかありません」と言ってくることがありますが、こちらが裁判を恐れていると足元を見られます。相手は、こちらの反応を見ているのです。裁判をして困るのは、本当は保険会社の側無用な裁判をしたくないのは、保険会社も同じです。むしろ、一般的には、保険会社の方が、裁判をすることによるデメリットが大きいのです。示談なら被害者側から譲歩を引き出せますが、裁判で被害者側の主張が認められると、満額支払いとなります。さらに、示談の場合には支払う必要がない弁護士費用や遅延損害金についても、判決では支払いを言い渡されます。被害者の側が正当な損害賠償を請求しているなら、裁判をして困るのは、実は保険会社なのです。ただし、実際に裁判を起こすかどうかは、諸事情を考慮する必要があります。裁判をして勝てるのか、どれくらいの期間や費用がかかりそうか、裁判の見通しについて弁護士とよく相談することが大切です。交通事故民事裁判の審理期間と費用の目安はこちらでまとめています。ADR機関(裁判外紛争解決機関)に申し立てる「出るところへ出る」というのは、裁判だけではありません。ADR機関(裁判外紛争解決機関)に申立てをする方法もあります。交通事故のADRでよく利用されるのは、「交通事故紛争処理センター」と「日弁連交通事故相談センター」です。交通事故紛争処理センターや日弁連交通事故相談センターは、無料で利用できるほか、裁判所基準で損害額を算定し、示談を斡旋してくれます。保険会社や共済組合は、裁定に従う義務もあります。「ADRに申し立てる」と言えば、それだけで保険会社が示談金の引き上げに応じることもあります。被害者側が「出るところへ出る」と強い姿勢を見せることは、示談交渉において重要なポイントなのです。⑦ 最終局面では内訳を気にせず総額で判断損害額は、個々の損害を積み上げて算定します。そうやって算出した総損害額から、被害者に過失がある場合は過失相殺をして、加害者が被害者に支払う賠償額(示談金の額)が決まります。示談交渉の過程では、1つ1つの損害額について吟味することが必要ですが、最終局面では、賠償金(示談金)の総額で判断することが大切です。例えば、「示談金の額は満足できるけれど、過失割合が納得できない」として示談せず、裁判で決着をつけようとするのは得策ではありません。保険会社としては、「過失割合については譲れないけれども、その分、慰謝料を増額しましょう」というような場合があるからです。また、裁判をすれば、必ず被害者の主張が認められるとは限りません。場合によっては、示談交渉で保険会社から示されていた示談金より少ない金額しか認められないことがあるのです。示談金の総額が納得できる金額にまで交渉が進んだのなら、内訳を問題にする必要は全くありません。示談交渉の最終局面で、示談するか否かを判断するときは、示談金の総額で判断することが大切です。まとめ保険会社に負けない交渉術・交渉テクニックについて、7点にわたって見てきました。正当な損害賠償を受けるには、事故状況の正確な把握と、裁判所基準にもとづく損害額の算定など、交渉前の準備が重要です。そのうえで、請求可能な正当な損害額を最大限、最初に賠償請求し、いくら減額に応じるか、という交渉スタイルに持ち込むことで、主導権を握って示談交渉することができます。とはいえ、被害者がこれを行うのは、かなりハードルが高いことです。まず、裁判所基準での損害算定が、素人には困難です。仮にその計算ができたとしても、弁護士が介入しない限り、保険会社がその金額での交渉に応じることはありません。被害者が無理をして損害額を算定し、賠償請求したとしても、たいていは、保険会社の提示額をベースに、いくら増額できるかの交渉となってしまい、賠償額の大幅アップは望めないのです。ですから、無理をせず、弁護士に頼むことも考えてみましょう。弁護士に任せれば、示談交渉のことで心配することなく治療に専念でき、しかも、自分で示談交渉するより、示談金額の大幅アップが望めるのです。とりあえず、裁判所基準で損害額を計算すると、どれくらいの金額になるか、弁護士に相談してみて、大幅にアップできそうなら、弁護士に示談交渉を依頼することを考えてみてはいかがでしょうか?このサイトに掲載している弁護士事務所なら、交通事故被害者からの相談は何度でも無料です。弁護士に依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です。交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 24時間受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでの無料相談のお申込みは、公式サイトの無料相談受付フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※加害者の方や物損のみの相談は受け付けていませんので、ご了承ください。自力で保険会社と示談交渉して示談がまとまらないとき最初に説明したように、損害が比較的軽微な場合は、弁護士に頼むと費用倒れとなることがあり、そういう場合は、自力で保険会社と示談交渉せざるを得ません。そんなとき、保険会社の提示額に納得できず、示談がまとまらないようなら、交通事故ADRに示談の斡旋を申し立てるのも1つの方法です。ただし、ADRに馴染まないケースもありますから、ご注意ください。交通事故ADR(裁判外紛争解決手続)のメリット・デメリット、ADRの限界【参考文献】・『交通事故の損害計算と示談交渉のテクニック』(日本法令)・『交通事故と示談のしかた』(自由国民社)
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  • 示談の法的性格と効力
    示談とは?示談交渉とは?示談の法的性格と効力は和解契約と同じ
    示談とは、交通事故により発生する損害賠償を解決する手法の1つです。交通事故民事事件(損害賠償請求事案)を解決する方法には、大きく分けると、裁判所を介して解決する方法(訴訟・調停)と、裁判所を介さずに解決する方法(ADR・示談)があり、8割程度が示談で解決しているといわれます。ここでは、示談とは何か? 示談の法的性格と効力について見ていきます。これを知らないと、示談で失敗することがありますから、ご注意ください。なお、示談以外の解決方法についてはこちらをご覧ください。示談とは当事者の話し合いで損害賠償額を確定すること示談とは、交通事故により発生した損害について、当事者間で話し合い、賠償額を確定することです。合意した金額について、加害者は被害者に支払うことを約束し、被害者は加害者にそれ以上の損害賠償を請求しないことを約束します。別の言い方をすれば、被害者に発生した損害を回復させるために、それぞれが負担する金額を決めること、ともいえます。それぞれの負担額を決めるということには、2つの意味があります。1つは、被害者の過失分は被害者の自己負担となり、相手方に賠償請求することはできないということ。もう1つは、お互いに譲歩しあって、落としどころを探るということです。当事者同士の話し合いでまとまらなかったら、裁判で争うことになります。示談とは民法上の和解契約さて、示談についての法律上の規定についてです。示談については、実は民法に直接的な規定はありません。示談の法的性格は、民法上の和解契約(民法695条、696条)と解されています。和解について、民法は次のように規定しています。民法695条(和解)和解は、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約することによって、その効力を生ずる。民法696条(和解の効力)当事者の一方が和解によって争いの目的である権利を有するものと認められ、または相手方がこれを有しないものと認められた場合において、その当事者の一方が従来その権利を有していなかった旨の確証または相手方がこれを有していた旨の確証が得られたときは、その権利は、和解によってその当事者の一方に移転し、または消滅したものとする。特に「和解の効力」に注目してください。条文は分かりにくい表現ですが、簡単にいえば、「いったん和解をした以上、たとえ後から和解したことと違った確証が出てきても、もはや和解の内容を変更することはできない」(参考:『口語民法』自由国民社)ということです。示談についても同じことがいえます。「いったん示談した以上、たとえ後から新たな事実が判明しても、示談の内容を変更することはできない」のです。被害者が知っておきたい示談の3つの注意点民法が規定する和解契約の意味や効力をふまえ、示談について、被害者が知っておくべき注意点をまとめておきます。示談の3つの注意点示談では、当事者(被害者・加害者)双方が互いに譲歩しあう示談すると、被害者はそれ以上の損害賠償請求ができなくなる示談は、一度成立すると原則として「やり直し」ができない示談では、当事者双方が互いに譲歩する民法695条(和解)が規定しているように、示談は、当事者が互いに譲歩しあって合意することです。「一方の主張が全面的に通り、もう一方が全面的に譲歩する」ものではありません。示談で解決しようとする場合には、「被害者の側も、ある程度の譲歩が求められる」ということを知っておいてください。もしも「絶対に譲歩したくない」というのであれば、損害賠償請求訴訟を提起して裁判で争うしかありません。示談交渉で譲歩することを見越して、最大限請求する示談交渉で譲歩することを見越して、賠償請求が認められる損害について、適正に損害額を算定し、最大限請求することが大切です。被害者にとって示談交渉は、賠償請求した金額から「いくら負けるか」の交渉です。詳しくは保険会社に負けない交渉術をご覧ください。ちなみに、当事者の一方のみが譲歩する示談は、和解類似の無名契約と解されていますが、交通事故では、そのような示談はまず見当たらず、そのような示談にも民法696条の類推適用があると解されています。(参考:『交通事故損害賠償法 第2版』弘文堂 380ページ)示談すると、それ以上の請求ができなくなるいったん示談すると、それ以上の損害賠償請求はできなくなります。示談とは、一方では加害者が、被害者に一定額の損害賠償金額(示談金)を支払う約束であり、他方では被害者が、示談した金額以外の請求権を放棄する(示談した金額以外に加害者に対して損害賠償を請求しない)という約束でもあります。例えば、100万円で示談したとします。これにより加害者は、被害者に100万円支払わなければなりませんが、100万円以上支払う義務はなくなります。逆に被害者は、加害者に100万円を請求する権利を有しますが、100万円以上を加害者に請求することはできなくなります。100万円で示談したということは、その事故の損害賠償額が100万円であったことを被害者と加害者の双方が確認・合意し、被害者は、示談した金額以外の請求権を放棄したことになるのです。示談は原則として「やり直し」ができない示談は、民事上の責任(=損害賠償責任)の解決を意味するため、いったん成立すると、原則として「やり直し」ができません。民法696条(和解の効力)の規定により、たとえ後から、示談したことと違った確証が出てきても、示談の内容を変更することはできないのです。示談書には清算条項が盛り込まれる示談書には、清算条項(権利放棄条項)が盛り込まれます。例えば「今後本件に関しては、双方とも、裁判上または裁判外において、一切異議、請求の申し立てをしないことを誓約いたします」というものです。示談した後で、他にも賠償請求できる損害があったことが分かっても、示談のやり直し・追加の賠償請求はできません。示談交渉を始める前までに、もれのないように損害額を算定することが大切なのです。それには、示談交渉を開始するタイミングも重要です。例外として、示談した当時に、誰も予想できなかったような後遺症が発生した場合には、示談のやり直しが認められる場合があります。まとめ示談の法的性格は、民法の和解契約と同じと解されています。したがって、いったん示談すると、示談した以外の損害賠償請求権を放棄することになり、原則として、やり直しができません。また、示談は、当事者が互いに譲歩しあって解決する方法ですから、被害者の側は、示談交渉に先立ち、適正な損害額を算定し、最大限、賠償請求することが大切です。なお、損害賠償額には、3つの基準(自賠責保険基準・任意保険基準・裁判所基準)があります。裁判所基準が最も高く、裁判例に基づく正当な損害賠償額です。本来の示談交渉は、この金額をめざして交渉するものですが、それには弁護士の介入が不可欠です。適正な金額の損害賠償を受けるためには、交通事故の損害賠償請求に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 24時間受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでの無料相談のお申込みは、公式サイトの無料相談受付フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※加害者の方や物損のみの相談は受け付けていませんので、ご了承ください。【参考文献】・『交通関係訴訟の実務』商事法務 465ページ・『交通事故損害賠償法 第2版』弘文堂 380ページ・『交通事故事件の実務』新日本法規 127~128ページ・『口語民法』自由国民社あなたにおすすめのページ「示談後に失敗を後悔する人」と「満足できる損害賠償額を得る人」との違いとは?交渉力の違いだけでない! 弁護士の介入で賠償額が増える本当の理由とは?被害者が本来取得できる適正な損害賠償金額の調べ方自力で示談交渉する被害者が陥りがちな2つの間違いとは?示談交渉で保険会社に負けない交渉術=7つのテクニック
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  • 示談のやり直し
    交通事故の示談のやり直し・追加請求・取り消し・無効化できるケース
    いったん示談してしまうと、原則として示談のやり直しはできませんが、例外として、予想外の後遺症が発生した場合には、示談のやり直しが認められる場合があります。示談の内容が公序良俗に反する場合や、虚偽・錯誤・詐欺・強迫による示談の場合は、示談を無効・取り消しとすることが可能です。示談のやり直しができるケース示談した後で、予想外の後遺障害が発生した場合は、示談のやり直し(追加の損害賠償請求)が認められることがあります。次のような最高裁判決があります。最高裁第二小法廷判決(昭和43年3月15日)交通事故による全損害を正確に把握し難い状況のもとにおいて、早急に小額の賠償金をもつて示談がされた場合において、右示談によって被害者が放棄した損害賠償請求は、示談当時予想していた損害についてのみと解すべきであって、その当時予想できなかった後遺症等については、被害者は、後日その損害の賠償を請求することができる。この事案は、事故直後には比較的軽微な傷害とみられ、少額の賠償額で示談したものの、あとになって重傷であることが判明して手術し、結果的に機能障害が残ったケースです。示談のやり直しは被害者にとっても負担が大きいいったん示談が成立している以上、示談後に後遺障害が発生したからといっても、簡単に追加の損害賠償請求が認められるわけではありません。そもそも示談とは、当事者の話し合いで損害賠償金額を確定し、被害者の側は示談した以外の損害賠償請求権を放棄することです。「損害賠償は解決した」と思っている相手に対し、再度、損害賠償を求めるのですから、トラブルは避けられません。新たに発生した後遺障害と事故との因果関係の証明も必要となり、被害者の負担は非常に大きくなります。慎重に検討することが必要です。再度の示談交渉を求めるときの主張ポイント再度の示談交渉を実現するには、相手を納得させられる理由が必要です。何を主張すればいいのか、2つの方法をご紹介します。1つは、最高裁判例に基づき、示談した当時に予想できなかった損害が後から発生した場合には、新たな損害に示談の効力(権利放棄条項の効力)が及ばないとして、損害の賠償を請求する方法です。もう1つは、あとで説明するように、重要な事実関係に錯誤があったとして、民法95条に基づき、示談の取消しを求め、あらためて示談をやり直す方法です。いずれにしても、示談のやり直しは簡単ではありません。示談するときには慎重な判断が大事です。なお、加齢にともない後遺障害が悪化する場合がありますが、加齢による悪化は予測できたと判断されます。通常の加齢にともなう症状の悪化を超えるような予想外の悪化でない限り、再交渉は難しいようです。軽傷と思っていても、思わぬ後遺症が発生することはあります。示談書には、後遺障害に関する留保条項を入れておくことが大切です。示談の無効・取り消しができるケース法律を根拠に、示談の無効・取り消しが認められるのは、次の場合です。公序良俗に反する示談は無効心裡留保・虚偽表示の示談は無効錯誤による示談は取消しできる詐欺・強迫による示談は取消しできる詳しく見ていきましょう。公序良俗に反する示談は無効示談の内容が公序良俗に反する場合は無効とされます(民法90条)。公序良俗とは、公の秩序や社会の道徳的観念ということです。民法90条(公序良俗)公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする。例えば、被害者の無知や窮状に付け込んで、被害の程度に比べ著しく低い賠償額で示談したような場合です。心裡留保・虚偽表示の示談は無効心裡(心裏)とは、心の中という意味で、意思表示する人の真意のこと。心裡留保(しんりりゅうほ)とは、わざと真意と異なる意思を表明することです。民法では、ウソや冗談を言った場合でも、その意思表示が無効になることはなく、自分の言ったことについて責任を負うのが原則です。ただし、相手がウソだと知っていた場合や知ることができた場合は、その意思表示は無効になります(民法93条1項)。民法93条(心裡留保)第1項 意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方がその意思表示が表意者の真意ではないことを知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。第2項 前項ただし書の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。また、相手方と示し合わせて真意と異なる意思を表明した場合も、その意思表示は無効となります(民法94条1項)。虚偽表示あるいは通謀虚偽表示といいます。民法94条(虚偽表示)第1項 相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。第2項 前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。心裡留保も虚偽表示も、第2項において「意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない」と規定しています。これは、意思表示の無効を知らない第三者(善意の第三者)を保護する規定です。例えば、加害者から、刑事裁判において、被害者側と示談が成立していれば情状酌量されるからと懇願され、そのためだけに示談をしたような場合です。当事者間では、この示談は無効ですが、保険会社との関係では無効とならず、取り返しのつかないことになってしまいます。錯誤による示談は取消しできる旧民法では「意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする」と定めていましたが、民法改正(2020年4月1日施行)により、意思表示が錯誤に基づくものであるときは「取り消すことができる」となり、その要件も明確化されました。民法95条(錯誤)第1項 意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。一 意思表示に対応する意思を欠く錯誤二 表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤第2項 前項第二号の規定による意思表示の取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができる。第3項 錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、次に掲げる場合を除き、第1項の規定による意思表示の取消しをすることができない。一 相手方が表意者に錯誤があることを知り、又は重大な過失によって知らなかったとき。二 相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき。第4項 第1項の規定による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。旧・民法95条(錯誤)意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。錯誤があったと認められ、取消しできる要件錯誤があったとして、意思表示を取り消すことができる要件は、次の3つです。主観的因果性意思表示が、錯誤に基づくものであること。表意者が、錯誤がなければ、その意思表示をしなかったであろう、と認められることが必要です。客観的重要性錯誤が、法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであること。すなわち、誰でも、錯誤がなければ、その意思表示をしなかったであろうと認められることが必要です。動機が表示されていること「表示の錯誤」と「動機の錯誤」とを区別し、動機の錯誤については、上記の2つの要件(主観的因果性・客観的重要性)に加え、動機である事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていること(その動機が意思表示の内容として表示されていること)が必要です(民法95条2項)。表示の錯誤間違って真意と異なる意思を表明した場合。(民法95条1項1号:意思表示に対応する意思を欠く錯誤)(例)売買代金として¥10,000,000円と記載すべきところ、¥1,000,000万円と記載した契約書を作成してしまった(=売主に錯誤)動機の錯誤真意どおりに意思を表明しているが、その真意が何らかの誤解に基づいていた場合。(民法95条1項2号:表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤)(例)土地の譲渡に伴って自らが納税義務を負うのに、相手方が納税義務を負うと誤解し、土地を譲渡した(=売主に錯誤)錯誤が問題となるのは、多くの場合、意思表示の錯誤よりも、意思表示の動機に錯誤があった場合の法律行為の有効性です。裁判例では、契約の相手方に動機が表示され、その動機が契約の前提であることを契約の当事者双方が知っており、契約の内容に取り込まれていると評価できる場合には、要素の錯誤に該当するという判断が一般化していました。最高裁判所第一小法廷(平成元年9月14日)意思表示の動機の錯誤が法律行為の要素の錯誤としてその無効をきたすためには、その動機が相手方に表示されて法律行為の内容となり、もし錯誤がなかったならば表意者がその意思表示をしなかったであろうと認められる場合であることを要するところ、右動機が黙示的に表示されているときであっても、これが法律行為の内容となることを妨げるものではない。協議離婚に伴い夫が自己の不動産全部を妻に譲渡する旨の財産分与契約をし、後日夫に2億円余の譲渡所得税が課されることが判明した場合において、右契約の当時、妻のみに課税されるものと誤解した夫が心配してこれを気遣う発言をし、妻も自己に課税されるものと理解していたなど判示の事実関係の下においては、他に特段の事情がない限り、夫の右課税負担の錯誤に係る動機は、妻に黙示的に表示されて意思表示の内容をなしたものというべきである。旧民法では動機の錯誤の取扱いが不明確でしたが、改正民法では、こうした判例の流れに沿って、動機の錯誤も法律行為の要素の錯誤の対象となるとともに、その動機が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときとの要件の下に、動機の錯誤も取り消すことができることを明文化したのです。取消しできない場合錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合は、意思表示の取り消しをすることはできません(民法95条3項)。なお、相手方が、表意者に錯誤があることを知っていたり、または重大な過失によって知らなかった場合(第3項1号)、あるいは、相手方が表意者と同じ錯誤に陥っていた場合(第3項2号)には、取り消すことができます。例えば、双方が「被害者の傷害は軽いので全治する」との認識で示談した後で、重い後遺障害が発生した場合は、その示談(意思表示)は錯誤があったとして、取り消すことができることがあります。詐欺・強迫による示談は取消しできる相手に騙されて示談したとか、脅されて示談に応じたという場合は、示談を取り消すことができます。(民法96条1項)。民法96条(詐欺または強迫)第1項 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。第2項 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。第3項 前2項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。「無効」と「取消し」の違い「無効とする」と「取り消すことができる」は、全然違います。行使権者期間制限無効制限なしなし取消し瑕疵ある行為をした者(相手方は不可)5年民法120条2項(取消権者)錯誤、詐欺又は強迫によって取り消すことができる行為は、瑕疵かしある意思表示をした者又はその代理人若しくは承継人に限り、取り消すことができる。民法121条(取消しの効果)取り消された行為は、初めから無効であったものとみなす。民法123条(取消し及び追認の方法)取り消すことができる行為の相手方が確定している場合には、その取消し又は追認は、相手方に対する意思表示によってする。民法126条(取消権の期間の制限)取消権は、追認をすることができる時から5年間行使しないときは、時効によって消滅する。行為の時から20年を経過したときも、同様とする。「無効とする」とは?意思表示が無効ということは、そもそも契約(示談)が成立していないということです。「無効とする」とは、当事者が何もしなくても、当然に無効ということです。なお、契約が無効だとしても、黙っていたのでは相手は契約が有効という前提で物事を進めますから、相手方に通知する必要はあります。無効は、どちらからでも主張できます。無効を主張できる期間に制限はありません。「取り消すことができる」とは?それに対して「取り消すことができる」とは、意思表示は有効で、契約(示談)は成立したとみなされますが、取消し権限を持っている者が、その意思表示を効果のないものとすることができる、ということです。無効ではないので、取り消さない限り、有効なものとして扱われます。つまり、取消権限を持っている者が、このまま有効とするか、取り消して無効とするかを選択できるのです。相手方に取消しの通知を出し(民法123条)、その通知が相手方に届いたときに初めて取り消されることになり、契約は最初に遡って無効となります(民法121条)。取消しの通知をしなければ、契約は有効に成立したままです。取消しは、取り消すことができる権限を持っている者だけが取消しできます(民法120条2項)。相手方から取り消すことはできません。さらに、取消権を行使できる期間が制限されています(民法126条)。取消しができる期間を経過してしまうと、その契約は有効なものとして確定してしまいます。錯誤は、なぜ「無効」でなく「取消し」とされたのか?錯誤による意思表示は、旧民法では「無効とする」でしたが、改正後の民法では「取り消すことができる」としました。その理由は 2つあります。1つは、錯誤を理由とする意思表示の無効は、誤解をしていた表意者のみが主張でき、相手方は主張できないとされ、通常の無効とは異なる扱いがなされてきたからです。無効とは、初めから法的効果がないということです。したがって、最初から無効であり、誰から見ても無効です。これを絶対的無効といいます。錯誤無効は、錯誤に陥った表意者を保護するのが趣旨ですから、「錯誤があった者からは無効を主張できるが、相手方からは無効を主張できない」というように解釈運用されてきたのです。これを相対的無効といいます。例えば、錯誤はあったが、契約は有効なものとして履行してほしいと、表意者が希望している場合であっても、絶対的無効の考え方であれば、相手方からも契約を無効とできるため、表意者の意向に反する結果となり、錯誤に陥った表意者を保護する制度として機能しないからです。もう1つは、意思表示の効力を否定できる期間制限の問題です。例えば、売買契約において詐欺があった場合、取消しができますが、5年間とする期間制限があります。ところが、錯誤の場合は、無効ですから5年を経過した後も、売買契約の効力を否定できることになり、バランスを欠きます。こうした事情から、無効ではなく、取消し制度がふさわしいと改正されたのです。まとめいったん示談すると、原則として示談のやり直しや追加請求はできません。示談する際には十分注意が必要です。ただし例外的に、示談のやり直し、追加請求が認められる場合があります。公序良俗に反する示談や心裡留保・虚偽による示談は無効となり、錯誤、詐欺・強迫による示談は取り消しできます。また、予期せぬ後遺障害が発生したときは、別途、損害賠償請求を認められることがあります。交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 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