交通事故トラブル解決ガイド|損害賠償請求・示談交渉の悩みを解決!

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  • 訴訟の提起
    交通事故の損害賠償請求訴訟・裁判を提起するメリット・デメリット
    裁判では、裁判所基準で損害賠償額が認定されます。示談交渉のように被害者側が譲歩する必要はありません。そのうえ、示談の場合には支払われない「遅延損害金」や「弁護士費用」が認められます。裁判は、示談交渉や調停に比べ、時間も費用もかかりますが、最大限の賠償金を取得することができます。損害賠償請求訴訟(民事訴訟)を提起して、裁判で解決する場合のメリット・デメリットをまとめておきます。【裁判のメリット①】最大限の賠償金を取れる!損害賠償請求訴訟(民事訴訟)を提起する最大のメリットは、最大限の賠償金を取れることです。裁判では、示談交渉と違い、被害者側が譲歩する必要はありません。また、示談では支払われない弁護士費用や遅延損害金も認められます。損害賠償額は裁判所基準で算定裁判所は、損害賠償額を裁判所基準で算定します。示談による解決の場合でも、弁護士に頼めば裁判所基準で損害額を算定して、相手方と交渉してくれます。しかし、示談を成立させるには双方が譲歩しあう必要がありますから、被害者側も請求金額からいくらかは値引きに応じなければなりません。裁判では、被害者側が譲歩する必要はありません。裁判所基準にもとづき算定した正当と考えられる賠償金額を請求し、その根拠を立証すればよいのです。もちろん、請求額全額が認められるとは限りませんが、裁判所は、裁判所基準にもとづき正当な損害賠償額を算定します。つまり、示談では、例えば「裁判所基準で算定した額の 8割程度」で合意せざるを得ないのに対して、裁判では「裁判所基準で算定した額そのもの」で判決が出るのです。さらに、裁判の場合には「弁護士費用」や「遅延損害金」も認められます。弁護士費用が一部認められる交通事故の損害賠償請求訴訟では、被害者が弁護士に支払う費用も損害として認め、加害者に支払いを命じる判決が出されます。ただし、弁護士費用の全額が認められるわけではありません。一般的に弁護士費用として認められる額は、裁判所が認める損害額の10%程度です。例えば、裁判所が認める損害額が1億円だったとすれば、その1割の1千万円の弁護士費用が認められます。なお、弁護士費用が認められるのは「判決」の場合で、「和解」の場合は認められません。弁護士費用は「訴訟費用」に含まれない訴訟費用は、敗訴した者が負担するルールになっています(民事訴訟法61条)。訴訟費用とは、訴状に貼る印紙代と裁判所に収める郵送料など訴訟手続きにかかった費用です。弁護士費用は、訴訟費用に含まれません。ですから、本来は勝訴しても、自分で頼んだ弁護士費用まで相手に請求できません。ただし、近年、交通事故などの損害賠償請求訴訟では、弁護士費用の請求も認められるようになってきています。遅延損害金が認められる裁判では、遅延損害金が認められます。ただし、弁護士費用と同じく、判決の場合だけです。遅延損害金とは、賠償金の支払いが遅れたことによる利息です。裁判所が認めた賠償金額に対し、事故発生日を起点として法定利率にもとづく遅延損害金が加算されます。遅延損害金の計算方法遅延損害金は、弁護士費用を加えた損害額をもとに算出します。例えば、事故発生日から2年経過後に判決が出たとします。裁判所が認定した賠償金額が1億円とすれば、これに1割相当の弁護士費用を加算し、遅延損害金は、法定利率が年5%の場合、(1億円+1千万円)× 5% × 2年 = 1,100万円となります。遅延損害金は事故発生日が起点遅延損害金は交通事故の発生日から付加されます。最高裁は、「不法行為に基づく損害賠償債務は、なんらの催告を要することなく、損害の発生と同時に遅滞に陥るものと解すべきである」との判断を示しています(最高裁第3小法廷・ 昭和37年9月4日)。和解の場合は「調整金」を加算裁判上の和解の場合は、紛争の早期解決の趣旨から、弁護士費用や遅延損害金を計上しないのが通例です。ただし、人身損害に関する事件の場合には、被害者保護の観点から、遅延損害金の一部を「調整金」という名目で加算し、和解案が提示されることが多いようです。例えば、上の例と同じく、事故発生日から2年経過後に、裁判所が提示した和解案で和解が成立したとしましょう。裁判所が認めた賠償金額が1億円、調整金を遅延損害金の50%とします。この場合の調整金は、1億円 × 5% × 2年 × 50% = 500万円となります。遅延損害金と異なり、調整金の計算に弁護士費用は含みません。【裁判のメリット②】事実関係に争いがあっても解決できる損害賠償責任の有無や過失割合、後遺障害等級などで争いがある場合、示談交渉や裁判外紛争処理手続(ADR)による解決は困難です。それに対して裁判なら、賠償責任の有無や過失割合、後遺障害等級など、事故態様や事実関係に争いがある場合でも解決できます。訴訟の提起は、示談交渉やADRで解決できない場合の最終的な解決方法です。【裁判のデメリット】解決までに時間や費用がかかる裁判は、解決までに時間や費用がかかるのがデメリットです。実態を見てみましょう。審理期間最高裁判所が公表している「裁判の迅速化に係る検証に関する報告書 第6回」(2015年7月10日)によれば、交通損害賠償事件の審理期間は、平均で約1年です。また、和解での解決が7割近くあり、判決にまで至るのは3割足らずです。和解は判決に比べ、早く解決します。裁判費用裁判費用としては、訴訟費用(裁判所に支払う手数料)のほか弁護士費用(弁護士に支払う報酬)があります。特に大きいのが、弁護士費用です。訴訟費用は、主に訴状に貼る印紙代です。訴訟費用は訴額によって決まります。例えば、訴額が500万円なら印紙代は3万円、訴額が1千万円なら5万円、訴額が5千万円なら17万円です。弁護士費用は、各弁護士事務所が報酬基準を設け、依頼者と協議の上で決めます。例えば、訴額1千万円の場合、着手金は5%なら50万円、裁判でその請求額が満額認められたとすれば、成功報酬は10%なら100万円です。訴訟費用よりはるかに大きな金額です。こうした費用が負担となり、裁判は敬遠されてきたのですが、近年は弁護士保険が普及してきたこともあり、裁判を利用しやすくなっています。交通事故の民事裁判が、訴えの提起から終結までどれくらいの審理期間を要するのか、費用はどれくらいかかるのか、詳しくは次のページをご覧ください。交通事故の民事裁判(損害賠償請求訴訟)の審理期間と費用の目安まとめ裁判は、ADRや調停でも解決できない場合の最終的な解決手段です。裁判となると、費用も時間もかかります。必ず勝利できるとは限りませんが、勝訴すれば最大限の損害賠償金額を取ることができます。裁判を検討しているのであれば、一度、弁護士に相談してみるとよいでしょう。その際、重要なのは弁護士選びです。このサイトでは、交通事故の損害賠償請求に強い弁護士事務所をご紹介しています。示談交渉や民事訴訟で実績豊富な弁護士事務所ですから安心です。弁護士選びの参考にしてみてください。交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 24時間受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでの無料相談のお申込みは、公式サイトの無料相談受付フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※加害者の方や物損のみの相談は受け付けていませんので、ご了承ください。
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  • 裁判の期間と費用
    交通事故民事裁判(損害賠償請求訴訟)の審理期間と費用の目安
    「裁判をすると解決まで何年もかかるし、費用もかかる」と漠然と思っている方が多いと思います。実際に裁判をするとすれば、解決までにどれくらいの期間を要するのか、費用はどれくらいかかるのか、その目安について見てみましょう。引用しているデータは、最高裁判所の公表資料「裁判の迅速化に係る検証に関する報告書」の第1回と第7回の交通損害賠償事件のデータです。第1回は2004年、第7回は2016年の終局事件に関する統計です。交通損害賠償事件の分析については、2015年7月公表の第6回報告書を参考にしています。「裁判の迅速化に係る検証に関する報告書」はこちら ※最高裁のWebサイトにリンクしています。交通損害賠償事件の平均審理期間は約1年交通損害賠償事件の平均審理期間は約1年です。2016年終局事件でみると、62%が1年以内に終局し、94%が2年以内に終局しています。民事訴訟には、少額訴訟と通常訴訟があります。少額訴訟は、60万円以下の金銭の支払いをめぐる紛争について利用できる手続で、原則として1回の審理で解決します。もっとも多いのは、審理期間 6ヵ月~1年審理期間別の事件数を見ると、最も多いのが「6ヵ月超 1年以内」で全体の41%。次が「1年超 2年以内」で32%。その次が「6ヵ月以内」で21%です(2016年実績)。12年前と比べて増え方が大きいのは「1年超 2年以内」で3.1倍。次いで「6ヵ月超 1年以内」が3.0倍です。「第6回 裁判の迅速化に係る検証に関する報告書」では、「質的に困難な事件類型の増加」を指摘しています。このことが、1年前後から2年近くの審理期間を要する事件が増えている背景にあるようです。審理期間別の事件数と割合審理期間2004年(件数)2016年(件数)増加(倍)6ヵ月以内1,346(25.6%)3,024(20.6%)2.256ヵ月超1年以内2,010(38.3%)6,035(41.1%)3.001年超2年以内1,507(28.7%)4,719(32.1%)3.132年超3年以内277(5.3%)775(5.3%)2.803年超5年以内107(2.0%)128(0.9%)1.205年超5(0.1%)11(0.1%)2.20審理期間別の事件数審理期間別の事件数割合12年間で訴訟の件数が2.8倍に増加交通損害賠償事件数は、2004年から2016年の12年間で5,252件から14,692件へと2.8倍に増加しています。ただし、平均審理期間は、ほとんど変わっていません。事件数と平均審理期間2004年2016年増加事件数5,252件14,692件2.8倍平均審理期間12.2ヵ月12.3ヵ月-交通事故関係の損害賠償請求訴訟が増加している背景について、「第6回 裁判の迅速化に係る検証に関する報告書」で、「弁護士保険が浸透し、当時者本人が弁護士費用を負担する必要がなくなったこと」を、第一の理由に挙げています。訴額500万円以下が半数交通損害賠償事件のうち、およそ半分(51%)が訴額500万円までの事案です(2016年実績)。訴額別の事件数と平均審理期間訴額が大きいほど、審理期間が長くなる傾向があります。訴額別の事件数・割合・平均審理期間訴額事件数(件)割合(%)平均審理期間(月)500万円まで7,43750.62%10.41,000万円まで2,15114.64%12.45,000万円まで3,73925.45%14.51億円まで9056.16%15.65億円まで3882.64%20.510億円まで50.03%26.450億円まで10.01%30.050億円超10.01%1.5算定不能・非財産650.44%10.4訴額別の事件数の増加と増加率2004年と2016年とを比較すると、交通損害賠償事件数は、全体的に増加しています。訴額500万円までの事件が最も増えています。訴額別の事件数増加訴額2004年(件数)2016年(件数)増加(倍)500万円まで1,958(37.3%)7,437(50.6%)3.81,000万円まで731(13.9%)2,151(14.6%)2.95,000万円まで1,711(32.6%)3,739(25.5%)2.21億円まで590(11.2%)905(6.2%)1.55億円まで249(4.7%)388(2.6%)1.610億円まで2(0.04%)5(0.03%)2.5訴額別の事件数訴額別の事件数割合裁判は判決2割・和解7割で解決損害賠償請求訴訟を提起したとしても、すべてが判決に至るとは限りません。交通損害賠償事件は、約7割(72%)が裁判上の和解によって終結しています。判決は約2割(23%)です。あとは、取り下げ、その他の事由で終局しています(2016年実績)。和解で終結するケースが多いのは、判決まで進むと時間がかかるうえ、上訴もあり得るので、解決の見通しが立ちにくいため、裁判を戦い続けるのが経済的にも精神的にも難しいからです。和解の場合は、判決に比べて短期間で結果が確定します。また、判決なら厳密に損害算定がなされるのに対し、和解であれば慰謝料等で柔軟な損害算定が可能となる場合があり、和解の方が判決よりも被害者にとって有利になる場合があるのです。判決・和解の件数と率判決率・和解率を2004年と2016年で比べると、判決率が下がり和解率が上がっています。ただし、「第6回 裁判の迅速化に係る検証に関する報告書」では、「質的に解決が困難な事件」を中心として、「当時者本人が、金額の問題ではなく公正な判断を得たいなどといった意向を優先し、和解による解決に消極的な傾向がある」とも指摘されています。一方で、従来なら弁護士に頼んで訴訟を起こすと費用倒れになる事案(物損事故など少額のケース)でも、弁護士保険の浸透で訴訟を起こしやすくなっています。そういうケースが、訴訟件数と和解率の増加に寄与していると考えられます。終局事由別の事件数と割合2004年2016年判決1,897件(36.1%)3,425件(23.3%)和解3,075件(58.5%)10,506件(71.5%)取下げ190件(3.6%)501件(3.4%)その他90件(1.7%)260件(1.8%)終局事由別の事件数終局事由(率)裁判費用(訴訟費用・弁護士費用)の目安裁判費用の主なものは、①裁判所に納める「訴訟費用」と、②弁護士に支払う「弁護士費用」です。訴訟費用は訴額(訴えを起こした請求額)により決まり、弁護士費用は依頼者の得る経済的利益により決まります。訴訟費用訴訟費用として必要なのは、訴えの提起の際に訴状に貼る収入印紙代と、訴状等を当事者に郵送するための予納郵便切手代です。訴訟の申立て手数料(印紙代)は、「民事訴訟費用等に関する法律」で決められています。訴額に応じて、算出方法が定められています。予納郵便切手代は、通常訴訟の場合、東京地裁では、当事者(原告・被告)がそれぞれ1名の場合は6,000円、当事者が1名増すごとに2,178円が加算されます。訴訟費用の算定方法訴額申立て手数料100万円までの部分その価額10万円までごとに1,000円100万円を超え500万円までの部分その価額20万円までごとに1,000円500万円を超え1,000万円までの部分その価額50万円までごとに2,000円1,000万円を超え10億円までの部分その価額100万円までごとに3,000円10億円を超え50億円までの部分その価額500万円までごとに1万円50億円を超える部分その価額1,000万円までごとに1万円訴訟費用の例訴額申立て手数料100万円10,000円500万円30,000円1,000万円50,000円5,000万円170,000円1億円320,000円裁判の申立て手数料(訴訟費用)早見表 ※最高裁のWebサイトにリンクしています。訴訟費用が支払えないときは「訴訟救助」の制度がある訴訟費用を支払う資力がないときは、支払いを猶予する「訴訟上の救助」(民事訴訟法82条・83条)の制度があります。猶予された訴訟費用は、負担することとされた相手方が支払います。ただし、明らかに勝訴の見込みがない場合は、認められないことがあります。弁護士費用裁判費用の中で最も大きいのが弁護士費用です。弁護士費用は、統一基準はなく、それぞれの弁護士事務所で報酬基準を定め、依頼者と協議の上で費用を決めるのが原則です。なお、日弁連の旧・報酬基準を採用している弁護士事務所も多く、弁護士保険の弁護士費用支払基準(LAC基準)も、旧・報酬基準に準じています。弁護士費用について詳しくはこちら旧・報酬基準経済的利益の額着手金報酬金300万円以下の部分8%16%300万円を超え3,000万円以下の部分5%10%3,000万円を超え3億円以下の部分3%6%3億円を超える部分2%4%※事件の内容により30%の範囲内で増減額できます。※着手金の最低額は10万円。※経済的離籍の額は、着手金は請求額、報酬金は取得できた賠償額を基礎とします。弁護士費用は訴訟費用に比べて高額例えば、訴額500万円、賠償金を300万円得たとしましょう。この場合、着手金は34万円(300万円×8%+200万円×5%)、報酬金は48万円(300万円×16%)、合わせて82万円です。これに事件の難易性や依頼者の資産を加味して修正し、実際の報酬額を決めます。このほか、法律相談料や実費、事務手数料なども必用です。一方、裁判所に納付する訴訟費用は3万円ですから、弁護士費用が、いかに大きいかお分かりでしょう。弁護士保険があれば弁護士費用の負担なし最近は、弁護士保険が普及してきましたから、任意自動車保険に弁護士費用特約(弁護士保険)を付けている方も多いでしょう。弁護士費用特約を利用できれば、最大300万円まで弁護士費用が補償されます。弁護士費用の心配なく、弁護士を頼めるようになっています。以前は、物損事故など低額の損害賠償請求訴訟は、弁護士に頼むと費用倒れになってしまうので、裁判に持ち込むことは少なかったのですが、弁護士保険の普及にともない、低額訴訟も増えています。訴額500万円までの交通損害賠償事件が増えているのは、こうした背景もあるのです。弁護士費用を支払えないときは「民事法律扶助」制度がある弁護士保険にも加入していなくて、弁護士費用を支払うことができないとき、法テラスに相談してみましょう。条件を満たせば、弁護士費用の立替をしてもらえる「民事法律扶助」制度を利用できる場合があります。まとめ交通事故の損害賠償請求訴訟の審理期間は、最高裁の統計資料によれば平均で約1年です。約6割が1年以内に解決しています。訴訟費用は訴額により決まります。裁判費用で大きいのは弁護士費用ですが、いまは弁護士保険が普及し、弁護士費用の心配なく、裁判を利用しやすくなっています。裁判は、費用も時間もかかりますが、近時は、「高次脳機能障害」や「低髄液圧症候群」など新型後遺障害が問題となることもあり、民事訴訟を提起し、裁判手続による公正な判断を求める方が増えています。裁判をすべきかどうか迷っているなら、まずは弁護士に相談してみるとよいでしょう。このサイトでは、相談無料・着手金0円、交通事故の損害賠償請求に強い弁護士事務所をご紹介していますから、弁護士保険に加入していない方でも安心です。弁護士選びの参考にしてみてください。交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 24時間受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでの無料相談のお申込みは、公式サイトの無料相談受付フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※加害者の方や物損のみの相談は受け付けていませんので、ご了承ください。
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  • 損害賠償請求訴訟
    交通事故損害賠償請求訴訟(民事裁判)提起の手続と流れ
    訴額が140万円以下の場合は簡易裁判所に、140万円を超える場合は地方裁判所に訴えを提起します。本人訴訟という方法もありますが、裁判は、ADR(裁判外紛争解決手続)や調停の申立てと違い、専門的な知識や技術が必要なので、弁護士に相談・依頼することをおすすめします。ここで紹介する裁判の手続き・流れについては、弁護士に相談すれば、あなた自身が詳しく知らなくても大丈夫です。予備知識として押さえておくとよいでしょう。損害賠償請求訴訟の手続きと流れの概略民事裁判は、原告が訴状を提出することで開始されます。弁護士に委任した場合、依頼者は裁判にどうかかわるか弁護士に委任した場合、あなた自身が裁判所に出頭する必要はほとんどありません。相手方の主張する反論等について、弁護士の事務所などで打ち合わせすることが中心となります。あなたが裁判所に出頭するのは、当事者尋問の期日と和解等の重要な場面に限られます。①訴状提出訴状は、管轄する裁判所に提出します。訴状には、当事者(原告・被告)、請求する内容(請求の趣旨)とその理由(請求の原因)などを記載します。正本1通と相手方(被告)人数分の副本を作成し、決められた額の収入印紙を貼り、郵便切手を添えて提出します。収入印紙額は訴額に応じて決まります。郵便切手の額や枚数は、裁判所により異なります。郵便切手は、訴状を相手方に送付したり、呼び出し状を送付したりするのに使用します。この収入印紙と郵券(郵便切手)の額が訴訟費用です。②訴状審査裁判所で訴状をチェックします。訴状に形式的な不備があれば原告側に修正を指示します。不備がなければ訴状を被告側に送達し、口頭弁論期日を指定し、原告と被告に口頭弁論期日に出頭するよう呼び出します。③口頭弁論裁判所に訴状を提出した後、およそ1ヵ月~2ヵ月後に、第1回口頭弁論期日が指定されます。第1回口頭弁論では、原告は訴状にもとづき主張を陳述し、被告は事前に提出しておいた答弁書にもとづき主張(認否・反論)を陳述します。第2回口頭弁論以降は、概ね1ヵ月~2ヵ月に1回のペースで口頭弁論があり、双方が事前に提出する準備書面にもとづき主張を述べます。また、主張を裏付ける証拠を提出します。これを双方の主張が出尽くすまで繰り返します。なお、主張を述べるといっても、法廷で実際に陳述するわけではありません。法廷ドラマ等でご存知の方もいるかもしれませんが、あらかじめ裁判所と相手方に書面を提出しておき、口頭弁論の期日に法定で本人または代理人が「陳述します」と述べることで、書面に記載した主張の全てを「陳述した」こととされます。裁判長は、当事者の主張や証拠に矛盾や不明確な点があれば、質問したり、次回期日までに明らかにするよう準備することを命じます。④準備書面自分の主張や、相手の主張に対する反論なを準備書面として提出します。証人の申請や鑑定の申請などを含め、すべてを書面で提出するのが原則です。証拠書類には、原告側からの提出は「甲第○号証」、被告側からの提出は「乙第○号証」という番号を付けます。⑤争点整理争点整理は、証拠調べを合理的・効率的に行えるように、争点と証拠を整理する手続きです。争点整理手続には、法廷で行う「準備的口頭弁論」、法廷以外の準備室等で行う「弁論準備手続」、裁判所に出頭することなく準備書面の提出等により行う「書面による準備手続」の3種類があります。もっとも多いのは、弁論準備手続です。この手続を通して、双方の主張を整理し、裁判所と当事者との間で、その後の証拠調べによって証明すべき事実を確認します。⑥証拠調べ口頭弁論や争点整理手続で争点が明らかになれば、その争点について明らかにするために、書証の取り調べ、証人尋問・当事者尋問を行います。このように、提出された証拠を調べ、証人に尋問するなどの手続きが、証拠調べです。書証には、当事者の陳述書、医療記録、刑事記録(実況見分証書・供述調書)、現場写真等、ドライブレコーダー、私的鑑定書(事故状況について工学的知見を有する者の意見書、後遺障害の程度等に関する医師の意見書など)があります。なお、交通事故の民事訴訟では、尋問が行われることはほとんどありません。申出があった証拠を調べるかどうかは裁判所の判断にゆだねられています。一方で裁判所は、基本的に、原告や被告からの申出がない証拠調べをすることはできません。提出する証拠は極めて重要で、慎重に吟味する必要があります。⑦和解審理が進み、どちらの主張がどのくらい認められるかが見えてきた段階で、裁判官から話し合いによる解決を勧められることがあります。これが和解勧告です。裁判官の和解勧告に従い和解するのが「裁判上の和解」です。和解の場合は、法廷でなく、裁判官室などで記録をとらずに話し合いを続け、双方が譲歩しあい、解決に至ります。和解が成立すると和解調書が作成されます。和解調書は、確定判決と同じ効力があり、相手が履行しないときは強制執行が可能です。交通損害賠償事件の約7割が和解によって解決していることは知っておいてください。特に、証人尋問を行い、証拠調べが終わった段階での和解勧告の内容は、裁判官が判決を書いた場合の内容に近いものとなります。その点を考慮し、裁判官の考えをよく聞いて、和解するかどうか判断するとよいでしょう。⑧判決口頭弁論が終結すると、判決が言い渡されます。判決書は、後日送達されます。訴えを提起する裁判所訴えを提起するとき、裁判所には管轄があります。大きくは「事物管轄」と「土地管轄」があります。事物管轄請求金額(訴額)が140万円以下の場合は簡易裁判所に、140万円を超える場合は地方裁判所に、訴えを提起します。請求金額が60万円以下の場合は、簡易裁判所での少額訴訟も利用できます。訴額管轄請求金額が140万円を超える場合地方裁判所請求金額が140万円以下の場合簡易裁判所土地管轄民事訴訟法では、原則として、被告の住所地を管轄する裁判所に提訴することとされていますが、交通事故の損害賠償請求訴訟は、原告(被害者)の住所地を管轄する裁判所や、交通事故の発生場所を管轄する裁判所にも、訴えを提起することができます。一般的には、被害者側が出頭しやすい「原告(被害者)の住所地を管轄する裁判所」を選択することが多いようです。被告(加害者)の住所地を管轄する裁判所訴えは、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する(民事訴訟法4条1項)と定められています。これを「普通裁判籍」による管轄といい、民事訴訟の土地管轄の基本です。人の普通裁判籍は住所・居所(民事訴訟法4条2項)、法人の普通裁判籍は主たる事務所・営業所の所在地(民事訴訟法4条4項)を管轄する裁判所の管轄となります。このほか、次のような「特別裁判籍」も認められています。原告(被害者)の住所地を管轄する裁判所「財産権上の訴え」については、「義務履行地」を管轄する裁判所に提起できます(民事訴訟法5条1号)。金銭債権は持参債権となるので、債権者の現住所が義務履行地となります(民法484条)。したがって、被害者の住所地を管轄する裁判所に提訴できるのです。交通事故の発生場所を管轄する裁判所「不法行為に関する訴え」については、「不法行為があった地」を管轄する裁判所に提起できます(民事訴訟法5条9号)。交通事故の発生場所が、「不法行為があった地」となり、事故発生場所を管轄する裁判所に提訴できます。合意管轄当事者双方が管轄合意すれば、一審に限りますが、本来の管轄とは異なる裁判所を管轄裁判所として、訴えの提起をすることができます(民事訴訟法11条1項)。被害者・加害者双方に代理人がついて示談交渉が先行している場合、双方の代理人にとって都合が良く、当事者にとっても支障がないような場合に、合意管轄が見られるようです。併合管轄損害賠償義務者が2人以上存在し、その全員を共同被告とするときは、そのうちの1人について管轄のある裁判所に他の被告についても訴えを提起できます(民事訴訟法7条、38条前段)。原告となるのは誰か?原告となるのは、原則として、傷害事故の場合は被害者本人、死亡事故の場合は相続人です。死亡事故や重度の後遺障害の場合は、固有の慰謝料請求権を持つ近親者が、被害者や相続人と共に原告となることができます。「固有の慰謝料請求権を持つ近親者」とは、被害者の「父母、配偶者および子」です(民法711条)。法定相続人は「配偶者および子」ですから、近親者と法定相続人は必ずしも一致しません。被告となる相手方を誰にするか?交通事故による損害賠償責任については、民法や自動車損害賠償保障法(自賠法)で定められ、損害賠償義務を負うのは、直接の加害者である運転者だけとは限りません。賠償義務者が複数となる場合もあります。支払い能力や立証の難易などを考慮して決める賠償義務者が複数存在する場合、「相手方の支払い能力」や「立証の難易」などを考慮して、被告とする相手方を選択することになります。損害賠償請求できる相手方と責任原因について詳しくはこちら被告となる相手方を誰にするか、ごく大まかには次のように言えます。自賠法が適用となる人身事故の場合は、運行供用者と運転者を被告とします。自賠法の適用がない物損事故の場合は、原則として加害者(運転者)を被告とします。加害者の勤務する会社の使用者責任を追及できる可能性があるときは、使用者も被告とします。一般的には、運行供用者を被告とすれば、運転者を被告とする必要はありませんが、運転者を被告としない場合、将来、その運転者の証言が必要になったときに、転勤や退職などで連絡が取れず困ったことになる場合があります。運転者も被告とするかどうかは、提訴の際に慎重に検討することが必要です。自賠法でいう「運転者」とは、「他人のために自動車の運転又は運転の補助に従事する者」をいい、マイカーの運転者は、たいてい「運行供用者」となります。運行供用者と運転者の違いはこちらをご覧ください。任意保険会社を被告に加える? 加えない?損害保険は、契約者や被保険者が賠償金を支払ったときに、その損害を填補するものです。つまり、任意保険会社の責任というのは、被害者と加害者(保険の契約者・被保険者)との間で「示談」「裁判上の和解」「判決の確定」によって、初めて賠償義務を負う停止条項付きの責任です。ですから、任意保険会社が保険契約の効力を争っているような場合を除き、保険会社を被告に加える必要性は乏しいとされています(『交通損害関係訴訟』青林書院)。なお、自動車保険約款に、被害者直接請求権を規定している場合、これにもとづく直接請求権を訴訟物として、任意保険会社を被告に加えることもできます。自賠責保険会社を被告とするケース次のような場合には、自賠責保険会社を被告として提訴するケースがあります。自賠責保険で無責と判断された場合自賠責保険会社の算定した損害額が保険金額の上限に達しておらず、裁判所基準で算定した損害額が、自賠責保険会社の算定した損害額を上回る場合1つ目のケースは、相手の損害賠償責任を争う場合です。2つ目のケースについて、簡単に説明しておきましょう。自賠責保険の保険金額(保険金の支払限度額)は、自賠法13条1項において「責任保険の保険金額は、政令で定める」とし、自賠法施行令2条で定めています(死亡による損害につき3千万円、傷害による損害につき120万円など)。つまり、自賠責保険の保険金額は、法定の金額です。一方、支払基準は、国土交通省・金融庁の告示として示されています。もちろん支払基準も法律上の根拠(自賠法16条の3)にもとづいて定めたものですが、支払基準は訴訟外で支払う場合の基準であって、裁判所に対する拘束力はありません。法律で定めているのは、保険金額(保険金の支払限度額)のみです。したがって、被害者は、保険金額の範囲内であれば、自賠責保険会社を相手取って、支払基準により算定した損害額を上回る損害賠償額の支払を求めて提訴することが可能です。自賠法16条の3(支払基準)保険会社は、保険金等を支払うときは、死亡、後遺障害及び傷害の別に国土交通大臣及び内閣総理大臣が定める支払基準に従ってこれを支払わなければならない。国土交通大臣及び内閣総理大臣は、前項の規定により支払基準を定める場合には、公平かつ迅速な支払の確保の必要性を勘案して、これを定めなければならない。これを変更する場合も、同様とする。支払基準は裁判所を拘束しない(最高裁第一小法廷・平成18年3月30日)法16条の3第1項の規定内容からすると、同項が、保険会社に、支払基準に従って保険金等を支払うことを義務付けた規定であることは明らかであって、支払基準が保険会社以外の者も拘束する旨を規定したものと解することはできない。支払基準は、保険会社が訴訟外で保険金等を支払う場合に従うべき基準にすぎないものというべきである。法16条1項に基づいて被害者が保険会社に対して損害賠償額の支払を請求する訴訟において、裁判所は、法16条の3第1項が規定する支払基準によることなく損害賠償額を算定して支払を命じることができるというべきである。判決文において法とあるのは、自動車損害賠償保障法のことです。また、法16条1項に基づく請求とは、被害者請求(16条請求)のことです。まとめ交通事故の民事裁判(損害賠償請求訴訟)は、本人訴訟も可能です。しかし、訴訟は極めて専門的・技術的な分野なので、自力でやろうとすると、取り返しのつかない不利益を被る危険性があります。交通事故の損害賠償請求訴訟は、弁護士費用の請求も一部認められるようになっています。任意自動車保険に弁護士費用特約を付けていれば、弁護士費用は保険金で支払うことができます。交通事故の被害に遭い、損害賠償請求訴訟をお考えなら、交通事故の損害賠償請求に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 24時間受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでの無料相談のお申込みは、公式サイトの無料相談受付フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※加害者の方や物損のみの相談は受け付けていませんので、ご了承ください。
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  • 和解と判決
    裁判上の和解と判決の違い、メリット・デメリットとは?
    交通事故の損害賠償をめぐる争いを訴訟を提起して解決しようとする場合、「裁判上の和解」と「判決」があります。交通事故の損害賠償請求訴訟の約7割は、判決まで至らず、裁判上の和解により解決しています。和解で解決する方が、判決をもらうよりメリットが大きい場合が多いからです。ここでは、裁判上の和解で解決するメリット・デメリット、和解で解決するのが良いケース、判決をもらうのが良いケースについて、説明します。「裁判上の和解」のメリット・デメリット裁判上の和解と判決はどう違うのか、判決の場合と比較しながら、裁判上の和解のメリット・デメリットを見てみましょう。裁判上の和解判決時間和解成立と同時に解決。判決をもらうより早く解決する。和解決裂後、証人尋問など審理を継続するため判決まで時間がかかる。敗訴した側から上訴があると、さらに時間がかかる。効力和解調書には確定判決と同じ効力がある。判決が確定すれば、強制執行が可能。内容双方の主張・立証をふまえ、裁判官が心証を開示しながら損害項目ごとに金額と根拠を示し和解案を提示するので、当事者の納得が得られやすい。和解案は、あくまでも和解案提示時点での裁判官の暫定的な心証なので、判決と同じ内容となるとは限らない。申立ての範囲を超えた解決が可能。和解案以上に、原告に有利な判決内容となるとは限らない。判決での損害認容額が、和解案より減ることもある。証人尋問や当事者尋問などを行うことにより、公正な判断を期待できる。判決は、訴訟物に対してのみ。加算遅延損害金、弁護士費用は認められないが、人損の場合、調整金(遅延損害金の一部)が認められる。遅延損害金、弁護士費用(損害賠償金額の1割程度)が認められる。和解するか、判決をもらうか、判断する上で特に大切な3つのポイントを解説します。裁判上の和解の方が判決より早く解決する裁判上の和解は、判決より早く解決します。和解成立と同時に解決するからです。それに対して、判決を求める場合は、和解決裂後も審理を継続しますから、判決が出るまで時間を要します。判決が出ても、敗訴した側が上訴すると、解決までさらに時間がかかります。和解決裂後から判決まで、どれくらいの時間を要するかは、裁判所が和解案を出す時期にもよります。裁判所は、何度か和解を勧告します。一般的に、証人尋問前の争点整理の段階までに裁判所が和解案を出し、多くは、この段階で和解するようです。ここで和解しない場合は、証人尋問・当事者尋問などを行い、その後、最終的な主張を述べる口頭弁論を経て判決に至ります。こうなると、和解決裂から判決までは、4~6ヵ月程度はかかります。「時間はかかっても判決で決着を付けたい」という方もいるでしょうが、もしも感情的な対立から判決にこだわるのなら、得策ではありません。判決をもらうか、裁判上の和解で解決するか、冷静かつ慎重に判断することが大切です。裁判所の和解案は基本的に判決に近い内容裁判所の和解案は、“ざっくりと全体でいくら” という話ではありません。裁判官が、過失相殺や後遺障害など主な争点について証拠をあげて暫定的な心証を開示した上で、損害費目ごとに具体的な金額を示します。しかも、通常、和解案を示す裁判官と判決を出す裁判官は同じです。裁判官が異動するなど特殊な事情がない限り、判決を行う裁判官が和解に関与します。ですから、裁判官は、基本的に判決を視野に入れて和解案を提示します。特に証人尋問・当事者尋問を行い、証拠調べが終わった段階での和解勧告は、判決に近い内容で、当事者の納得も得やすいものとなっています。この段階で裁判所から和解案が示されたときは、和解を慎重に検討すべきでしょう。和解案は判決の最低保証ではない注意が必要なのは、裁判所の和解案は、判決の「最低保証」ではないということです。判決の方が、和解より賠償額が多くなるわけではありません。判決になった場合、損害認容額が和解案よりも大幅に減ることもあり得る、ということは知っておいてください。和解案が判決に近い内容といっても、あくまでも和解案を示した時点での裁判官の暫定的心証にもとづき、「和解案として相当性がある」ということで提案している金額です。損害項目によっては、被害者側が不十分な立証しかできない場合でも「和解に限り認定する」ということがあります。和解なら認めるが、判決となれば厳格にせざるを得ず、認容額が和解案より減る、ということもあり得るのです。訴訟は、必ずしも自分が思った通りの判決をもらえるとは限りません。こうした訴訟リスクを回避するためにも、裁判所が和解を勧告したときには、裁判官の心証や裁判の見通しなど、弁護士とよく相談し、和解に応じるか判決をもらうか、慎重に検討することが大切なのです。和解するのがよいケース次のようなケースでは、和解を選択することをおすすめします。加害者に賠償資力がない場合加害者が任意保険未加入など賠償資力がない場合は、たとえ高額の損害賠償を認める判決をもらっても、現実的に十分な支払いは望めません。譲歩しても、加害者の支払い能力に応じた賠償額で和解する方が実効性があります。ただし、相手方に本当に賠償資力がないのか、事前に調査の上で訴訟を提起することが大切です。実際には資産があるのに、無いという加害者がいるからです。また、賠償請求できる相手は、直接の加害者である運転者だけとは限りません。だれを相手に損害賠償を請求するかは重要なポイントです。損害の立証が難しい場合被害者側で損害の立証が難しい場合、和解で解決する方が有利になることがあります。立証が十分できない場合、グレーゾーンであっても裁判所が「和解に限り認定する」というケースがあるからです。こういう場合は、判決になると不利になることがありますから、和解により解決することをおすすめします。1日も早い解決を望む場合当事者同士の話し合いで譲歩するのはイヤだけど、裁判所の判断なら、その金額で和解してもよい、という方もいるでしょう。1審の和解案と判決は、裁判官が異動などで替わるなど特殊な事情がない限り同じ裁判官が判断しますから、損害認定額が大きく変わることはほとんどありません。しかし、控訴審に審理が移ると、どうなるか分かりません。1審では被害者側に好意的な判断が示されたとしても、2審では逆転することもあります。裁判上の和解は、お互いに控訴権を放棄し、紛争を終結させることです。審理が高裁に持ち込まれることはありません。訴訟を提起はしたものの、1日も早い解決を望むなら、和解の可能性を探るのがよいでしょう。判決をもらうのがよいケース双方が徹底的に争うのであれば、もちろん判決を求めることになります。そういう場合以外で判決をもらう方がよいのは、判決までの期間が和解の場合とあまり違わず、和解より損害賠償額が多くなる場合です。例えば、事故態様に争いがない死亡事故の場合に、そういうケースがあり得ます。死亡事故の損害は、治療費、葬儀費、逸失利益、死亡慰謝料の4つです。これらは、たいてい書面だけで立証が尽くされます。和解が決裂した後に、証人尋問も当事者尋問も行わずに判決を出すことになれば、和解でも判決でも認容額は変わらないのです。ただし、判決の場合には、弁護士費用と遅延損害金が認められるのに対し、和解の場合は、調整金(遅延損害金の半額程度)が認められるだけです。つまり、弁護士費用と遅延損害金が加算される分、賠償金額は判決の方が多くなるのです。こういうケースでは、和解より判決をもらう方が損害賠償額が多くなり、和解も判決も審理期間に大きな差はないので、判決をもらう方がよいということになります。まとめ裁判上の和解は、基本的に判決を行う裁判官が和解に関与します。証拠調べが終わった段階での和解案は、概ね判決に近い内容となります。また、判決の方が和解より有利な結果になるとは限らず、和解案より認容額が大幅に減るケースもあります。裁判所から和解の勧告があった場合は、裁判官の心証も開示されますから、訴訟の見通し、勝敗の予測、どの程度の額が示されたら和解で解決するのがよいか、弁護士と相談し、慎重に判断することが大切です。なお、ここでご紹介したことは、あくまで一般論です。交通事故の損害賠償請求は、個別事情をふまえることが大切です。和解するのがよいのか、判決をもらうのがよいのか、弁護士とよく相談の上で判断してください。交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 24時間受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでの無料相談のお申込みは、公式サイトの無料相談受付フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※加害者の方や物損のみの相談は受け付けていませんので、ご了承ください。
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  • 少額訴訟手続き
    少額訴訟手続とは?交通事故で少額訴訟手続を利用するときの注意点
    請求金額が60万円以下の金銭請求事件については、少額訴訟手続を利用できます。少額訴訟の申立ては、原則として相手の住所地を管轄する簡易裁判所に行います。簡易裁判所は、請求額が140万円以下の軽微な事件について、簡易な手続きで迅速に解決するために設けられた裁判所ですが、少額訴訟については、さらに手続きの簡易化を図っています。少額訴訟手続とは? 少額訴訟手続はどんな場合に利用するとよいか? 詳しく見ていきましょう。少額訴訟手続の6つの特徴・注意点少額訴訟手続の主な特徴・注意点は、次の6つです。少額訴訟は手続が簡易少額訴訟は 1日で判決が出る和解的内容の判決も可能少額訴訟の判決に対しては控訴できない少額訴訟を提起しても相手は通常訴訟を選択できる同じ簡裁での少額訴訟は年10回まで①少額訴訟は手続が簡易通常訴訟では、裁判所に訴状を提出すると、裁判所から相手方に訴状と呼出状が送達され、裁判が始まります。準備書面で双方が主張を出し合い、証拠調べ・証人尋問・当事者尋問が行われ、和解勧告などの手続きを経て、最終的に判決に至ります。裁判の手続きは、だいたい1ヵ月に1回くらいのペースで行われ、早くても半年、相手が争えば1~2年、上訴すれば数年かかることもあります。訴訟手続も複雑なので、本人訴訟ができるといっても、弁護士を頼まなければ納得いく結果は得られません。そこで、当事者の手間と負担を軽減し、迅速な解決を図るために導入されたのが少額訴訟手続です。少額訴訟は、素人でも訴状を作成でき、本人訴訟も可能です。少額訴訟の判決は、通常訴訟の判決と何ら変わらず、履行されない場合は強制執行が可能です。②少額訴訟は 1日で判決が出る少額訴訟は、原則として、1回の口頭弁論期日で集中審理し、口頭弁論終結後ただちに判決が言い渡されます。つまり、少額訴訟手続は、1日で審理から判決まで行われるのです。民事訴訟法第370条1項(1期日審理の原則)少額訴訟においては、特別の事情がある場合を除き、最初にすべき口頭弁論の期日において、審理を完了しなければならない。民事訴訟法第374条1項(判決の言渡し)判決の言渡しは、相当でないと認める場合を除き、口頭弁論の終結後直ちにする。審理当日(口頭弁論期日)は、裁判所が当事者双方の言い分を聞き、証拠調べを行い、それにもとづいて判決を下します。そのため、交通事故証明書などの証拠書類は審理の期日までに提出し(民訴法370条2項)、証拠調べは、即時に取り調べることができる証拠に限られます(民訴法371条)。③和解的内容の判決も可能少額訴訟では、裁判所が請求を認容する判決をする場合、執行費用倒れを避けるために実行可能な弾力的判決をすることができます。具体的には、相手方(被告)の資力その他の事情を考慮して、判決言渡しから3年以内で支払猶予もしくは分割払を定めることができ、その定めに従って支払う限りにおいて、訴え提起後の遅延損害金の支払い義務の免除を定めることができます(民訴法375条1項)。分割払の定めをするときは、被告が支払を怠った場合における期限の利益の喪失についての定めをします(民訴法375条2項)。こうした和解の場合の内容に近い判決を出すことができるのも、少額訴訟の特徴です。④少額訴訟の判決に対しては控訴できない少額訴訟の判決に対しては、控訴できません(民訴法377条)。異議申立が認められているだけです(民訴法378条)。異議申立がなされると、訴訟は口頭弁論終結前の状態に戻り、簡易裁判所における通常の訴訟手続に移行します(民訴法379条)。なお、その結果出された判決(少額異議判決)に対しては、控訴できません(民訴法380条1項)。少額異議判決が、確定判決となります。このように、少額訴訟では、異議申立がなければ即日、異議申立があっても、最初に訴えを提起した簡易裁判所だけで決着がつくことになります。⑤少額訴訟を提起しても相手は通常訴訟を選択できる原告が少額訴訟を選択しても、相手方(被告)は、訴訟を通常の手続に移行させる旨の申述をすることができます(民訴法373条1項)。少額訴訟は、原告が選択する手続きですから、被告は応じたくなければ通常訴訟の手続きを選択することができるのです。被告が原告に対して請求権があるとき、少額訴訟では反訴請求できませんが、通常訴訟では反訴請求が可能です。相手方が過失相殺等で争う場合は、少額訴訟を提起しても、結局、通常訴訟に移行することになります。なお、少額訴訟の提訴後は、原告から通常訴訟の審理を請求することはできません。⑥同じ簡裁で少額訴訟手続を利用できる上限回数がある少額訴訟での審理・裁判を求めるときには、訴えを提起する簡易裁判所において、その年に少額訴訟による審理・裁判を求めた回数を届け出なければなりません(民訴法368条3項)。同じ簡易裁判所で少額訴訟手続を利用できるのは、1年間(1月~12月)で10回までとされているからです。これは、本来、個人が利用するために設けられた制度である少額訴訟を、業者側(消費者金融など)が利用することを防ぐためです。少額訴訟が適するケース・適さないケース少額訴訟手続が適するケース、適さないケースについて、事例を挙げておきましょう。少額訴訟が適するケース少額訴訟手続は、過失割合に争いがなく、物損のように損害の把握が容易な事案に適します。少額訴訟が適さないケース次のようなケースは、少額訴訟に適しません。過失割合に争いがあるケース人損のように「損害の把握が難しい事案」や「過失割合に争いがある事案」は、少額訴訟は適しません。少額訴訟手続では、十分な証人尋問や当事者尋問を行うことが難しく、また、不服申立ての制限(控訴の禁止)があるため、特に過失割合に争いがあるような場合には、相手方から通常訴訟手続に移行されてしまいます。相手の住所が不明のケース相手方(被告)の住所がわからないとき、少額訴訟では公示送達手続が取れません。第1回口頭弁論期日の呼出状と訴状が、必ず相手方に送達されなければいけません。送達できないときは、通常訴訟により公示送達手続を取るほかありません。まとめ少額訴訟手続は、請求額が60万円以下の場合に利用できます。簡易・迅速な解決を図るための制度で、原則として1回の審理で終結し、即日、判決が言い渡されます。1日限りで終結するため、時間・費用・労力の点で被害者に有利な制度です。少額訴訟手続は、過失割合に争いがなく、物損のように損害の把握が容易な事案に適します。逆に、相手が過失相殺を争ってくるようなケースでは、少額訴訟での解決は困難です。なお、原告が少額訴訟を提起しても、相手方(被告)が応じなければ通常訴訟に移行するなど、いくつかの制約があります。少額訴訟で行くか通常訴訟で行くか、相手の主張を吟味して決める必要があります。お困りのことがあれば、交通事故の損害賠償請求に強い弁護士に相談することをおすすめします。交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 24時間受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでの無料相談のお申込みは、公式サイトの無料相談受付フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※加害者の方や物損のみの相談は受け付けていませんので、ご了承ください。
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  • 特別送達
    債務不存在確認訴訟を交通事故の加害者側から起こされたときの対応
    突然、裁判所から訴状が送られてきたら、誰だって驚くでしょう。「えっ? これ何? どうして訴えられるの? こっちは被害者なのに!」「何かの間違い? それとも新手の詐欺?」ここでは、債務不存在確認訴訟とは何か、加害者側(保険会社)から債務不存在確認訴訟を提起されたらどう対応すればいいのか、についてまとめています。債務不存在確認訴訟とは交通事故の民事訴訟は、普通、被害者が加害者に対して損害賠償金の支払いを求めて起こすものです。しかし、ときに加害者側が、訴訟を提起することがあります。それが、損害賠償債務の不存在確認訴訟(債務不存在確認訴訟)です。損害賠償債務とは、加害者が被害者に対して支払い義務を負う損害賠償金のことです。債務不存在確認訴訟とは、「加害者が被害者に対して支払う損害賠償債務は金○○万円を超えて存在しないことを確認する」ことを求める裁判です。つまり、交通事故の損害賠償についての債務不存在確認訴訟とは、加害者(保険会社)の側が、保険会社が賠償金として提示している金額以上は支払う責任がないことを裁判所に確認してもらうために起こす裁判です。この場合、損害賠償請求訴訟と逆で、加害者が原告、被害者が被告となります。債務不存在確認訴訟は、どんなときに提起されるのかところで、あなたは、激しい口調で保険会社の担当者やその代理人弁護士に抗議をしませんでしたか?もし、心当たりがあるなら、それが訴えられた原因です。「そんなバカな!」と思うかもしれませんが、債務不存在確認訴訟が提起されるのは、多くはそういうケースです。「強い口調で抗議した覚えはないんだけど?」という方もいるでしょう。保険会社が、賠償金の支払いを抑えようとして、債務不存在確認訴訟を提起することもあります。保険会社が債務不存在確認訴訟を提起する 3つのケース保険会社は、主に次のような場合に債務不存在確認訴訟を提起します。被害者からの法外で執拗な要求を排除し、損害賠償債務の存否や適正な損害額の確定を求めようとする場合被害者の治療や休業による損害の拡大を阻止しようとする場合将来の損害賠償請求を封じようとする場合被害者を黙らせるため①は、主に当たり屋のような人物からの不当な要求の場合です。不当な要求でなかったとしても、被害者が感情的に激しく責め立てるような場合にも、債務不存在確認訴訟を提起することがあります。債務不存在確認訴訟の提起は、被害者を黙らせるための保険会社の常套手段なのです。保険会社は、被害者からガンガン責め立てられ「厄介な相手」と判断すると、弁護士委任案件とします。「弁護士に委任したので、これからは弁護士を通してください」と、被害者からの抗議の矛先を弁護士に向けさせます。さらに弁護士に激しい口調で抗議を続けると、弁護士は、その抗議を封じるために債務不存在確認訴訟を提起します。「言いたいことがあるなら法廷で言ってください」というわけです。賠償金の支払いを抑えるため②は、早期に治療費や休業補償の支払いを打ち切り、損害賠償金の支払いを抑えるため、③は、後遺障害に関わる損害賠償を免れようとするのが狙いです。とはいえ、治療を継続している段階にもかかわらず債務不存在確認訴訟を提起することは、被害者の適正な治療を受ける権利を侵害するものです。治療を継続中など、損害を確定できる段階でないのに債務不存在確認訴訟が提起されたときは、裁判所が「確認の利益」がなく不適法と判断することがあります。債務不存在確認訴訟が提起されたときの裁判所の対応債務不存在確認訴訟が提起されると、裁判所は、被告である被害者の側に「交通事故による損害が確定しているか」「治療終了や症状固定により損害を確定できる状態か」を尋ねます。被害者側の主張により、裁判所の対応は異なります。損害が確定しているとき損害が確定しているのであれば、裁判所は、被害者側に反訴の提起を促します。反訴とは、原告(加害者側)から提起された債務不存在確認訴訟(本訴)に対し、反撃となる損害賠償請求訴訟を提起することです。被害者側から反訴(損害賠償請求訴訟)が提起されると、本訴(債務不存在確認訴訟)については「確認の利益がない」ということになるので、裁判所は、本訴原告に対し、本訴を取り下げるように促します。損害が確定していないとき被害者が、まだ治療を継続中なら、治療費・休業損害・入通院慰謝料などの金額は流動的で、損害を確定できません。また、後遺症が残るときは、症状固定の診断を受け、後遺障害等級が決まらなければ、後遺症についての損害(後遺障害逸失利益・後遺障害慰謝料)を確定できません。まだ被害者が治療を継続中という場合には、今後の見通しとして、次の2つのケースがあります。まもなく「治療が終了する・症状固定とする」見通しの場合被害者が「当面は治療を継続する」意向の場合まもなく治療終了あるいは症状固定とする見通しの場合まもなく「治療が終了する」あるいは「症状固定として後遺障害等級の認定を受ける」見込みである場合は、それを待って反訴を提起する考えであるなど、被害者側としての見通しや意向を裁判所に示します。それを受けて、裁判所は判断します。被害者が当面は治療を継続する意向の場合被害者側が、当面は治療を継続する意向で、反訴を提起しない場合、裁判所は本訴の審理を進めることになります。裁判所は、本訴原告側に、治療の終了または症状固定の事実が認められると判断した資料の提出を求めます。原告(加害者)側は治療終了・症状固定を主張し、被告(被害者)側は治療継続の必要性を主張し、争います。その結果、裁判所において「治療は終了していない」「症状は固定していない」という判断に至った場合は、損害を確定できませんから、債務不存在確認の判断をすることは時期尚早、つまり確認の利益(即時確定の利益)がないということになり、訴えの却下となります。裁判所が「治療は終了している」「症状は固定している」と判断した場合は、被害者側に反訴の提起を促します。それでも被告(被害者)側が反訴を提起しない場合は、裁判官が、治療の終了や症状固定の時期を認定した上で損害額を算定し、判決を下すことになります。反訴しない場合の主張は慎重に裁判所が「症状は固定している」と判断して反訴を促している場合に、被告(被害者側)が「症状は固定していないから損害は確定できない」と主張し、反訴しない場合は、深刻な問題が起こります。「症状は固定していない」という前提だと、「後遺障害がない」ということになってしまいます。つまり、後遺障害について何ら主張する機会もなく、本訴(債務不存在確認訴訟)の審理が進められ、損害賠償額について判決が下されてしまうのです。弁護士とよく相談して、慎重な対応が必要です。債務不存在確認訴訟が提起されたときの裁判所の対応については、東京地方裁判所判事・俣木泰治氏の講演「民事交通事故訴訟の基礎」(『交通事故の法律相談と事件処理』ぎょうせい)を参考にしました。債務不存在確認訴訟が提起されたとき、被害者の取れる対応債務不存在確認訴訟が提起されたときに、被害者側が取れる対応は、反訴(損害賠償請求訴訟)を提起するか、「損害を確定できない」と応訴するか、の2つです。上で紹介した債務不存在確認訴訟が提起された場合の裁判所の対応から分かるように、反訴を提起するタイミングは、いくつかあります。反訴(損害賠償請求訴訟)を提起する3つのタイミング損害を確定できる状態なら、債務不存在確認訴訟が提起されたとき、ただちに反訴を提起する。近々損害を確定できる状況になるのなら、その時点で反訴を提起する意向であることを裁判所に告げる。裁判所が審理を進めて損害を確定できる状態にあるとの判断に至り、反訴の提起を促してきたとき。裁判所が「症状が固定している」と判断したにもかかわらず反訴しない場合は、後遺障害についての損害賠償が認められない結果になることがあるので注意が必要です。債務不存在確認訴訟が提起されたときの対応は、交通事故の損害賠償に詳しい弁護士とよく相談して、慎重に対応を検討することをおすすめします。債務不存在確認訴訟の提起が不適法となる場合とは?債務不存在確認訴訟が提起されたときは、「確認の利益(訴えの利益)の有無」が問題となります。債務不存在確認訴訟の提起に「確認の利益がない」と、裁判所が判断した場合は不適法となり、裁判所は訴えの取り下げを促します。どのような場合に「確認の利益がなく不適法」となるか、裁判所の判断が示されていますので、参考にしてください。東京地裁(平成9年7月24)損害賠償債務に係る不存在確認訴訟は、被害者側が、種々の事情により、訴訟提起が必ずしも適切でない、或いは時期尚早であると判断しているような場合、そのような被害者側の意思にかかわらず、加害者側が、一方的に訴えを提起して、紛争の終局的解決を図るものであることから、被害者側は、応訴の負担などの点で過大な不利益が生じる場合も考えられる。このような観点に照らすならば、交通事故の加害者側から提起する債務不存在確認訴訟は、責任の有無及び損害額の多寡につき、当事者間に争いがある場合には、特段の事情のない限り、許されるものというべきであるが、他方、事故による被害が流動的ないし未確定の状態にあり、当事者のいずれにとっても損害の全容が把握できない時期に訴えが提起されたような場合訴訟外の交渉において加害者側に著しく不誠実な態度が認められ、そのような交渉態度によって訴訟外の解決が図られなかった場合専ら被害者を困惑させる動機により訴えが提起された場合などで、訴えの提起が権利の濫用にわたると解されるときには、加害者側から提起された債務不存在確認訴訟は、確認の利益がないものとして不適法となるというべきである。※東京地裁・平成9年7月24日・中間判決(判例タイムズ№958号)よりこの東京地裁の中間判決は、結論としては、交通事故による損害賠償債務の不存在確認訴訟において、確認の利益が肯定された事例ですが、「債務不存在確認訴訟の確認の利益の有無について判断した重要な事例判決」(判例タイムズ№958号)とされています。まとめ債務不存在確認訴訟の提起は、被害者を黙らせ、賠償金の支払いを抑制するための保険会社の常套手段です。債務不存在確認訴訟は、増加傾向にあるといわれています。保険会社の「払い渋り」が強まっていることの表れです。被害者側が反訴(損害賠償請求訴訟)を提起すれば、債務不存在確認訴訟(本訴)は意味を失い、取下げとなります。しかし、まだ治療を継続する必要があるなど、損害を確定できない場合は、反訴できません。そういう場合は応訴することになりますが、確認の利益(訴えの利益)がないと裁判所が判断すれば、訴えが却下されることがあります。なお、被害者側が対応を誤ると、後遺障害が認定されないまま損害額が確定されるなど、取り返しのつかない事態を招く恐れがありますから、慎重な対応が必要です。裁判所から、訴状が送られてきたのなら、すぐに交通事故の損害賠償に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 24時間受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでの無料相談のお申込みは、公式サイトの無料相談受付フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※加害者の方や物損のみの相談は受け付けていませんので、ご了承ください。【参考文献】・『交通事故の法律相談と事件処理』ぎょうせい・判例タイムズ№958号
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  • 仮処分
    仮払い仮処分を申立て治療費や休業補償を加害者・保険会社に支払わせる
    加害者や任意保険会社が当面の治療費や生活補償費の支払いを拒否しているとき、「仮払い仮処分」の申立てをすれば、裁判所に仮処分命令を出してもらうことができます。ただし、被害者とその家族の生活の困窮が危機的状況にあることを立証しなければならないので、仮払い仮処分の申請は弁護士に相談することをおすすめします。自賠責の仮渡金で足りないときは「仮払い仮処分」を申し立てる治療費や入院費、生活補償費など当座の費用を加害者側が支払ってくれないとき、まずは、自賠責保険の仮渡金を請求します。ただし、自賠責の仮渡金は、支払額が決まっています。死亡事故でも290万円。傷害事故の場合は、傷害の程度に応じて、40万円、20万円、5万円が支払われます。入院・治療が長引けば、自賠責の仮渡金だけでは足りません。そんなときは、裁判所に「損害賠償金の仮払いを求める仮処分」を申し立てます。「仮払い仮処分」とは、交通事故により被害者とその家族の生活が困窮しているとき、その生存を維持するために、損害賠償問題が最終的に解決するまでの間、一定額の治療費や生活補償費を被害者側に支払え、という裁判所の命令です。仮払い仮処分が認められる条件仮払い仮処分を裁判所に出してもらうには条件が2つあり、この2つを被害者側で立証しなければなりません。仮払い仮処分の条件損害賠償請求訴訟で、被害者側に勝訴の見込みがあること。被害者とその家族の生活が困窮し、生存を維持するうえで仮処分が不可欠であること。仮払い仮処分で請求できるのは、治療費と最低生活補償費くらいです。逸失利益や慰謝料などの仮払いは難しいと考えた方がよいでしょう。裁判所の仮払い仮処分命令が出ると強制執行が可能裁判所の仮払い仮処分命令が出ると、ただちに強制執行が可能です。加害者の家財道具、事業をやっていれば機械や商品などの動産を差押え、競売にかけ現金にすることができます。最近は、任意自動車保険に、被害者の直接請求権が付与されている場合がほとんどです。その直接請求権にもとづき、保険会社を相手として仮払い仮処分を申し立てることができます。裁判所の仮処分命令が出れば、保険会社は直ちに支払いに応じます。仮払い仮処分を申し立てると、裁判所は、数日中に相手方を呼び出し、審理します。通常の裁判のように「何ヵ月もかかる」ことはありません。一般的には、裁判所が相手方を呼んだ段階で和解を勧告し、和解成立となることが多いようです。和解にも、仮処分命令と同じ効力があります。仮払い仮処分の申請が有効なケース次のような場合に、仮払い仮処分を申請すると有効です。加害者側が、「被害者にも過失があり、これ以上は過失相殺で支払わない」と主張しているケース。加害者側が、被害者側の急迫に乗じ、低額の示談金を提示し、解決を長引かせようとしているケース。加害者が任意保険に加入しておらず、内払に一切応じないケース。仮払い仮処分は、裁判所による仮処分命令、あるいは裁判所が間に入っての和解となりますから、その威力は大きく、加害者や保険会社が支払いを拒否している場合に、絶大な効力があります。仮払い仮処分の手続きは弁護士に頼まないと難しい仮払い仮処分の申立ては、弁護士に頼まないと困難です。手続き上、法律知識が必要であるだけでなく、損害賠償請求訴訟で勝てる見込みがあること、被害者側の生活の困窮が危機的状況にあること、などの立証が必要だからです。とはいえ、仮払い仮処分を申請したいという方は、生活が困窮している方です。弁護士費用が心配でしょう。そういう方のために、法テラスがあります。法テラスに相談して弁護士を紹介してもらうと、法テラスが弁護士費用を立て替えてくれます。あとで分割払いが可能です。また、このサイトでは、交通事故被害者からの相談は何度でも無料、着手金0円、しかも交通事故の賠償問題に強い弁護士事務所をご紹介しています。弁護士を選ぶ際の参考にしてみてください。弁護士費用が心配な方は、あなたの任意自動車保険に弁護士費用特約(弁護士保険)が付いていないか確認してください。弁護士保険があれば、弁護士費用の心配なく、弁護士に相談できます。まとめ当座の治療費や生活費に窮する場合は、自賠責の仮渡金を請求するほか、裁判所に仮払い仮処分を申し立てることができます。自賠責の仮渡金で足りない場合は、仮払い仮処分の申立てを行うとよいでしょう。仮払い仮処分は裁判所による命令ですから、加害者や相手方保険会社が様々な口実で支払いを拒否している場合に有効です。ただし、仮払い仮処分が認められるには、損害賠償請求訴訟で被害者側に勝訴の見込みがあること、被害者とその家族の生活が困窮し生存を維持するうえで仮処分が不可欠であること、を立証しなければなりません。仮払い仮処分の申立てを検討するほど生活に困窮しているのであれば、弁護士に相談してみましょう。弁護士が相手方保険会社と交渉し、治療費や生活補償費の支払を勝ち取ってくれる場合もあります。交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 24時間受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでの無料相談のお申込みは、公式サイトの無料相談受付フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※加害者の方や物損のみの相談は受け付けていませんので、ご了承ください。
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