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交通事故に遭ったとき、初期対応を間違えると、あとで損害賠償請求ができなかったり、賠償額が減額することがあるので、注意が必要です。
被害者が、事故直後に事故現場でやっておくべきことが、3つあります。
詳しく見ていきましょう。
加害者側が警察への連絡を渋るようなときは、被害者側が110番通報して、必ず警察を呼ぶことが大切です。
警察に報告していないと交通事故証明書の交付を受けられず、あとで相手方の保険会社に損害賠償請求ができません。自身の人身傷害保険に保険金の支払いを請求することもできません。
軽い接触や追突、軽微な物損事故の場合には、警察に報告しないことがあります。その後、何もなければ良いのですが、事故時には自覚症状がなくても、何日か経って症状が現れることがありますから、注意が必要です。
車同士の事故の場合、加害車両の運転者だけでなく、被害車両の運転者にも、警察への報告義務があります。法律に定められた義務ですから、報告を怠ると罰則があります。
歩行者が被害者の人身事故の場合、被害者に警察への報告義務はありませんが、加害車両の運転者が警察に連絡しないようなときは、被害者側が連絡することが大切です。
警察への事故報告は、運転者の義務というだけでなく、被害者にとっては、損害賠償や保険金の支払いを受けるために必要なことです。
加害者の氏名・住所を確認し、事故後の連絡がスムーズに行えるよう、携帯電話番号、自宅や勤務先の電話番号を聞いておきます。
その際、運転免許証や身分証明書、車検証などを見せてもらい、ウソ偽りがないか確認することが大切です。自賠責保険証書や任意自動車保険証書も確認しておきましょう。
事故の相手について確認しておく必要があるのは、次の4項目です。
氏名・住所 |
相手の氏名、住所、連絡先。 |
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車両 |
車のナンバー、車両の所有者。 |
勤務先 |
相手の勤務先。 |
保険 |
相手が加入している自賠責保険と任意保険の保険会社・契約番号。 |
これらが分かっていれば、たとえ相手と連絡が取れなくなった場合や、加害者が損害賠償に応じない場合でも、加害者の加入する保険会社に損害賠償金の支払いを直接請求することができます。
交通事故で損害賠償責任を負うのは、相手の運転者のほか、人身事故であれば相手車両の運行供用者、さらに相手が勤務中だったなら雇用主も使用者責任を負います。
損害賠償請求できる相手は、運転者だけではありません。相手車両の所有者も確認しておくことが大切です。
事故現場の状況を記録し、証拠や目撃者を確保しておくと、あとで賠償責任や過失割合で揉めたときに威力を発揮します。事故後すぐにできない場合でも、速やかに行うことが大切です。
もちろん、警察が実況見分調書を作成しますが、被害者が救急搬送されると、事故現場では加害者の供述にもとづいて実況見分が行われるため、被害者の主張が十分に反映されないことがあるのです。
それに、民事事件(損害賠償請求)で、実況見分調書や供述調書といった刑事記録を、いつも利用できるわけではありません。
事故現場の状況が分かるメモや図面を作成します。次の点が重要です。
事故の状況 | 衝突地点、衝突の個所・程度、被害者の転倒位置、車両の位置関係、タイヤ痕・スリップ痕の位置・長さ、血痕の位置・形状、破片や積荷の散乱状況、車両の破損の状態など。 |
---|---|
現場の状況 | 事故発生の時刻、天候、道路の幅、路面の状態、信号機、横断歩道、照明、樹木、標識、交通量、交差点の見通し、交通規制の有無など。 |
記録には、写真や図面が便利です。スマホや携帯のカメラで様々な角度から事故状況や破損個所を撮っておきましょう。最近はドライブレコーダーを搭載した車もありますから、事故時の映像を確保することも大事です。
事故直後には謝罪の意を表明していた加害者が、実況見分が始まるころには、最初に言ったことを翻すことも少なくありません。
相手が自分の過失を認めるような発言をしたとき、その場に第三者がいれば証人になってもらえますが、当事者しかいなければ、スマホなどで会話を録音しておくとよいでしょう。メモ書きして相手のサインをもらう方法もあります。
目撃者がいれば、警察の実況見分に立ち会ってもらえるよう頼んでみましょう。
目撃証人になってもらえる場合は、氏名・住所・連絡先・目撃内容(事故発生時の信号表示など)を控えておきましょう。
最近は、事故現場をスマートフォンで撮影している人もいます。撮影された動画や画像が有力な証拠となることもあります。
ここに挙げている内容は、交通事故の被害者が初期対応としてやっておくと、あとで損害賠償請求するときに役立ちます。
警察に交通事故の発生を報告すると同時に、確認しておくべき項目をまとめておきます。
これらのことを事故直後にできればいいのですが、負傷していたら無理でしょうし、事故に遭ったとき冷静に対処できるものではありません。後になって困ったと思うことはよくあります。
そんなときは、交通事故の損害賠償に詳しい弁護士に相談すると、解決できることがあります。一度、相談してみてはいかがでしょうか?
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