交通事故トラブル解決ガイド|損害賠償請求・示談交渉の悩みを解決!

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「 無保険 」の検索結果
  • 自動車保険に未加入
    交通事故加害者が任意自動車保険・自賠責保険に入っていないとき
    加害者が、任意自動車保険(対人賠償責任保険)や自賠責保険に入っていなかったら、被害者は十分な損害賠償を受けられません。そんなとき、被害者の負担を少しでも減らせる方法をご紹介します。加害者が任意保険に加入していなかったら?加害者が任意保険(対人賠償責任保険)に加入していなかった場合、被害者の自己負担を減らすには、2つの方法があります。相手方の自賠責保険に直接請求する1つは、加害者の加入している自賠責保険に、損害賠償額を直接請求する方法です。自賠責保険は法律(自動車損害賠償保障法=自賠法)で契約締結が義務づけられていますから(自賠法5条)、基本的には最低でも自賠責保険による補償は受けられます。自賠責保険に対する被害者請求権を活用する自賠責保険の被保険者は加害者ですから、保険金を請求できるのは加害者です。しかも、被害者に損害賠償金を支払ってからでないと、保険金を請求できない仕組みになっています。これでは、加害者に資力がなければ、被害者は、自賠責保険分すら損害賠償を受けられません。そこで、自賠法(自動車損害賠償保障法)では、被害者が、加害者の加入する自賠責保険に直接請求する権利が認められています(自賠法16条)。これを「直接請求権」または「被害者請求権」といいます。加害者に損害賠償責任が発生した場合、被害者は、直接、自賠責保険会社に対し、保険金額の限度において損害賠償額の支払を請求できます。また、治療費等の差し迫った出費にあてるため、被害者には仮渡金の請求も認められています(自賠法17条)。仮渡金請求は、加害者の損害賠償責任の有無に関わりなく、また損害賠償額が確定していない段階でも、請求可能です。加害者が任意保険に加入していなければ、任意保険会社による一括払いはありませんから、治療費は、被害者が支払うことになります。治療費の支払に困るようなときは、相手方の自賠責保険会社に対し、まず仮渡金請求(自賠法17条請求)をし、治療が終了・症状固定となった段階で本請求(自賠法16条請求)をすることもできます。自賠責保険に対する直接請求自賠責保険に対する仮渡金請求自賠責保険から保険金または損害賠償額が支払われるのは、厳密には「保有者に損害賠償責任が発生したとき」です。保有者とは「自動車の所有者その他自動車を使用する権利を有する者で、自己のために自動車を運行の用に供するもの」です(自賠法2条3項)。なので、泥棒運転中の事故のように、保有者に損害賠償責任が発生しない場合は、自賠責保険に対する損害賠償額の請求はできません。健康保険や労災保険を使う自賠責保険には、支払限度額があります。例えば、傷害による損害であれば、治療費・休業損害・慰謝料等すべて合わせて、被害者1人につき上限120万円です。ですから、健康保険等を使って治療することが大切です。交通事故による怪我の治療は、原則として自由診療なので10割負担ですが、健康保険を使用することで、3割の自己負担で済みます。治療費は病院への支払いで消えますから、治療費の支出を低く抑えることで、休業損害や慰謝料として受け取れる金額が増えるのです。交通事故は健康保険を使えない? 病院が健康保険診療を嫌う本当の理由交通事故で健康保険や国民健康保険を使うメリット・デメリット交通事故の治療で健康保険を使うべきケース・自由診療でよいケース勤務中や通勤中の事故で、労災保険を使用できる場合は、必ず労災保険を使いましょう。治療費の自己負担がゼロになるほか、多くのメリットがあります。交通事故で労災保険を使うメリット・デメリット・注意点交通事故が業務災害・通勤災害だったときの労災保険給付・補償の内容自分の加入している人身傷害保険に請求するもう1つは、被害者自身が加入している人身傷害保険(任意保険の1つ)に請求する方法です。人身傷害保険は、被保険者が事故で負傷して被った損害(治療費、休業損害、逸失利益、慰謝料など)について、加害者との示談が成立していなくても、また過失割合に関係なく、たとえ被害者の過失が大きくても、約款所定の損害額基準にもとづいて算定した保険金を支払う保険です。ただし、人身傷害保険の損害額基準は、裁判所基準に比べて低いので、裁判所基準で算定した損害額(適正な損害賠償額)を全額補償されるわけではありませんが、それでも自賠責保険による支払いを上回る金額を受領できる可能性があります。人身傷害保険のほかにも、搭乗者傷害保険、無保険車傷害保険などの利用も可能ですから、加入していればその利用を検討するとよいでしょう。人身傷害保険(人身傷害補償保険)のメリット・デメリット人身傷害保険金と損害賠償金のどちらを先に請求すると有利か?搭乗者傷害保険は定額で支払われ損害賠償額から控除されない人身傷害保険と搭乗者傷害保険の違い無保険車傷害保険は無保険車による死亡・後遺障害を補償加害者が自賠責保険に加入していなかったら?自賠責保険の加入は法律で義務付けられていますが(自賠法5条)、自賠責保険に加入していない車両もあります。このような無保険車が交通事故(人身事故)を起こした場合には、自賠責保険による最低限の救済すら受けることができません。この場合は、国による自動車損害賠償保障事業(政府保障事業)に請求することにより、おおむね自賠責保険と同程度の金額の支払を受けることができます。なお、政府保障事業は、健康保険法や労災保険法などの法令で定める給付を受けられる場合には、他法令給付が優先され、それを控除して政府保障事業から填補が行われます。そのため、健康保険や労災保険等を使って治療したり、給付を受けておくことが大切です。政府保障事業の対象となる事故は?政府保障事業と自賠責保険の違いまとめ交通事故の加害者が、任意自動車保険(対人賠償責任保険)に加入していないときは、被害者が、加害者の加入する自賠責保険に対して損害賠償額の支払いを直接請求したり、自分の加入する任意保険の人身傷害保険等に保険金の支払を請求することで、自己負担を軽減することができます。また、加害者が自賠責保険に加入していない場合は、政府保障事業に請求することができます。交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 24時間受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでも無料相談のお申込みができます。公式サイトの無料相談受付フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※「加害者の方」や「物損のみ」の相談は受け付けていませんので、ご了承ください。【参考文献】・『自賠責保険のすべて 13訂版』保険毎日新聞社 120~122ページ・『交通事故事件対応のための保険の基本と実務』学陽書房 97~99ページ・『新版 逐条解説 自動車損害賠償保障法』ぎょうせい 128~130ページ、152~153ページ・『プラクティス交通事故訴訟』青林書院 36~39ページ
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  • 無保険車との事故
    無保険車傷害保険は無保険や当て逃げの死亡・後遺障害を補償
    無保険車傷害保険は、事故の相手が任意保険の対人賠償保険に加入していない場合や、加入していても保険金額が低い場合に、損害賠償額に不足する額が、保険金額を限度に支払われます。当て逃げのように加害者が不明なため相手の自賠責保険や任意保険に賠償請求できない場合にも支払われます。無保険車傷害保険は、どんな保険か?無保険車傷害保険の保険金の支払いは、事故の相手に対する損害賠償請求権が発生していることが前提です。相手に損害賠償責任がない場合は、保険金は支払われません。さらに、保険金の支払いは、被害者が死亡した場合または後遺障害が認定された場合に限られます。後遺障害をともなわない傷害の場合は、無保険車傷害保険の保険金は支払われません。無保険車傷害保険は、通常、加入している任意保険の対人賠償保険に自動で付帯されますが、人身傷害保険を付けている場合は、そちらが優先します。人身傷害保険を契約していない場合に、無保険車傷害保険の保険金を請求できます。保険金額支払われる保険金額の上限は、任意保険の対人賠償保険で契約している金額と同額となっています。ただし、2億円を限度としている保険会社が多いようです。契約している保険金額を限度に、保険金が支払われます。例えば、対人賠償保険を無制限で契約し、無保険車傷害保険の保険金額が2億円の場合、無保険車傷害保険から支払われる保険金の上限額は、1名につき2億円となります。被保険者無保険車傷害保険の被保険者は、次のいずれかに該当する者です。保険証券記載の被保険者(記名被保険者)記名被保険者の配偶者(内縁を含む)記名被保険者またはその配偶者の同居の親族記名被保険者またはその配偶者の別居の未婚の子上記以外で被保険自動車の搭乗者無保険車傷害保険の保険金の支払と、相手の対人賠償保険との関係事故の相手の任意自動車保険(対人賠償責任保険)との関係で、無保険車傷害保険がいくら支払われるのか、具体例を含めて見てみましょう。設例損害額が1億円、後遺障害1級の認定を受け、相手の自賠責保険から3,000万円が支払われる場合を考えます。相手が任意保険(対人賠償保険)に加入していない場合相手からは自賠責保険分だけしか支払われないので、損害額に不足する額が無保険車傷害保険から支払われます。設例では、相手から支払われるのは、自賠責保険の3,000万円だけです。この場合、被害者の無保険車傷害保険から、不足額の7,000万円の支払いを受けることができます。ただし、契約している保険金の限度額が5,000万円なら、支払われる保険金は5,000万円となります。相手は任意保険に加入しているが、免責事由に該当する場合相手から自賠責保険分だけしか支払われないので、損害額に不足する額が無保険車傷害保険から支払われます。 設例では、上の任意保険未加入の場合と計算は同じです。相手は任意保険に加入しているが、損害額に不足する場合相手の任意保険(対人賠償保険)の支払額が、自分の無保険車傷害保険の保険金額より低い場合は、相手の自賠責保険と任意保険から支払われる合計額と、自分の無保険車傷害保険の保険金額との差額が支払われます。設例では、相手の任意保険(対人賠償保険)が5,000万円の契約だっとすると、相手からの賠償額は、自賠責保険の3,000万円を加えて8,000万円です。不足する2,000万円は、被害者の無保険車傷害保険から支払いを受けることができます。当て逃げで相手が分からない場合当て逃げの場合は、加害車両が不明なので、加害者の自賠責保険から支払いを受けることができません。この場合は、政府の保障事業に填補金を請求します。政府保障事業の填補基準は自賠責保険の支払基準と同じです。政府保障事業からの支払いで不足する額が、無保険車傷害保険から支払われます。設例では、1億円の損害に対して、自賠責保険と同じく3,000万円が政府保障事業から填補され、不足する7,000万円について被害者の無保険車傷害保険から支払いを受けられます。保険金が支払われない主なケース(免責事由)保険金が支払われない主な免責事由には、次のようなものがあります。故意または重大な過失、無免許・酒気帯び・麻薬等運転により、被保険自動車の運転者自身が死傷した場合被保険自動車の使用について正当な権利を有する者の承諾を得ないで、被保険自動車に搭乗中の被保険者が死傷した場合(泥棒運転で搭乗者が死傷した場合)闘争行為、自殺、犯罪行為により、被保険自動車の運転者自身が死傷した場合核燃料物質による事故地震、噴火、またはこれらによる津波台風、洪水または高潮戦争、暴動など被保険自動車を競技、曲技、試験のために使用すること被保険自動車に危険物を業務として積載すること【関連】⇒ 任意保険に共通する免責事由まとめ加害者側が任意保険に加入していなかったり、加入していても保険金額が低く、十分な賠償を受けられない場合や、当て逃げで加害者が不明で賠償請求できない場合に、自分の加入している任意保険の無保険車傷害保険から補償を受けられます。対人賠償保険に自動で付帯される保険で、支払われる保険金は対人賠償保険で契約している額と同じですが、2億円を限度としている場合が多く、その限度内で支払われます。ただし、被害者が死亡または後遺障害が残った場合で、後遺障害をともなわない傷害は補償対象となりません。人身傷害補償保険を付帯していれば、そちらが優先して支払われ、現在では、人身傷害保険を付帯していない場合に、無保険車傷害保険が支払われるようになっています。ここで紹介しているのは一般的な内容です。保険会社や個々の保険によって異なることがありますから、必ず、ご自身の保険契約・保険約款をご確認ください。交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 24時間受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでも無料相談のお申込みができます。公式サイトの無料相談受付フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※「加害者の方」や「物損のみ」の相談は受け付けていませんので、ご了承ください。
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  • ひき逃げ
    自動車損害賠償保障事業とは?保障事業の対象となる事故とは?
    ひき逃げや無保険車による事故の場合、被害者は、相手方の自賠責保険・自賠責共済から損害賠償額の支払を受けられません。このように、被害者が自賠責保険や自賠責共済による救済を受けられない場合、被害者は、自動車損害賠償保障事業(政府保障事業)に対し、損害の填補を請求できます。自動車損害賠償保障事業(政府保障事業)とはどんなものか、どのような場合に政府保障事業の対象となるのか、詳しく見ていきましょう。政府保障事業とは?自動車の運行による人身事故で負傷した被害者は、本来なら少なくとも、加害車両に付保されている自賠責保険・自賠責共済により、損害の填補を受けることができます。「自動車は、責任保険の契約が締結されているものでなければ、運行の用に供してはならない」と、自賠責保険(自賠責共済を含む)の契約締結が、法律で義務付けられているからです(自賠法5条)。自賠責保険制度でも被害者が救済されないケースがあるしかし、ひき逃げ事故に遭った場合には、加害者・加害車両を特定できないため、加害者に損害賠償を請求することも、加害車両に付保された自賠責保険に損害賠償額の支払を直接請求することもできません。あるいは、加害者が判明している事故でも、加害車両に自賠責保険が付保されていない無保険車の場合には、加害者側に賠償資力がなければ、損害賠償を受けることができません。これでは、「自動車の運行によって人の生命・身体が害された場合における損害賠償を保障する制度を確立することにより、被害者の保護を図る」(自賠法1条)という自賠法の目的を達成することはできません。自賠責保険制度を補完する最終的救済措置そこで、ひき逃げや無保険車による事故に遭い、自賠責保険制度による救済すら受けられない被害者の保護・救済を図る目的で、政府が保障事業を行うことを自賠法で規定しているのです(自賠法71条)。また、政府保障事業は、国による最終的な救済措置という位置づけであることから、被害者が、健康保険法や労災保険法その他政令で定める法令に基づいて損害の填補に相当する給付を受けるべき場合、あるいは損害賠償責任を負担する者から損害賠償を受けたときは、それらの額に相当する額を控除して支払う、と規定しています(自賠法73条)。つまり、政府保障事業とは、自賠責保険制度による救済すら受けられない、ひき逃げや無保険車による事故に遭った被害者に対し、健康保険や労災保険等の他の社会保険給付や損害賠償責任者の支払いによっても、なお被害者に損害が残る場合に、法定限度の範囲内で、政府がその損害を填補する制度です。すなわち、政府保障事業は、自賠責保険制度を補完し、各種の保険制度によっても救済されない被害者を保護する最終的救済措置です。保障事業に対する請求権は、損害賠償請求権ではない政府保障事業に対する請求権は、民事上の損害賠償請求権ではなく、自賠法(自動車損害賠償保障法)によって創設された請求権です。この点につき、判例は、政府保障事業の目的が「等しく交通事故の被害者でありながら自賠責保険によっては全く救済を受けることができない者が生じるのは適当でないとして、社会保障政策上の見地から特に、とりあえず政府において被害者に対し損害賠償義務者に代わり損害の填補をすることによって、……特殊の場合の被害者を救済することにするため」であることからすれば、「政府の保障事業による救済は、他の手段によっては救済を受けることができない交通事故の被害者に対し、最終的に最小限度の救済を与える趣旨のものであると解するのが相当」としています。(最高裁第3小法廷判決・昭和54年12月4日)政府保障事業に被害者が請求できるケース被害者が政府保障事業に請求できるのは、次の場合です(自賠法72条1項)。加害自動車の保有者が明らかでない場合(自賠法72条1項前段)自賠責保険の被保険者以外の者が損害賠償責任を負う場合(自賠法72条1項後段)自賠法72条1項は、次のように定めています。自賠法72条1項政府は、自動車の運行によって生命又は身体を害された者がある場合において、その自動車の保有者が明らかでないため被害者が第3条の規定による損害賠償の請求をすることができないときは、被害者の請求により、政令で定める金額の限度において、その受けた損害をてん補する。責任保険の被保険者及び責任共済の被共済者以外の者が、第3条の規定によって損害賠償の責に任ずる場合(その責任が第10条に規定する自動車の運行によって生ずる場合を除く)も、被害者の請求により、政令で定める金額の限度において、その受けた損害をてん補する。※後段カッコ内の「第10条に規定する自動車」とは、自賠責保険の適用除外車のことです。適用除外車の運行によって生じる損害賠償責任は、政府保障事業の対象から除外されます。加害自動車の保有者が明らかでない場合保有者が明らかでない場合というのは、ほとんどが、加害者および加害車両が不明の「ひき逃げ事故」です。加害車両は判明しているが、加害者が不明の場合(加害車両が本来の保有者の管理責任が及ばない盗難車で、運転していた者が不明の場合等)も、このケースに該当します。自賠責保険の被保険者以外の者が損害賠償責任を負う場合自賠責保険の被保険者でない者が賠償責任を負う場合とは、無保険車の運行による事故、盗難車の運行による事故、自賠責保険適用除外車の運行による事故、の3つのケースがあります。ひき逃げ事故ひき逃げ事故の場合は、加害者も加害車両も不明です。被害者は、加害者に損害賠償請求することも、加害車両の自賠責保険に対し直接請求(被害者請求)することもできません。このような場合、被害者は、政府の保障事業に損害の填補を請求することができます。なお、加害者と疑われる人物がいたとしても、本人が否定したり事実関係を争っているような場合は、損害賠償請求権の時効消滅を避けるため、とりあえず保有者不明のひき逃げ事故として取り扱う運用がされています。ひき逃げ事故に遭ったとき治療費など損害の賠償請求は?無保険車の運行による事故自賠責保険に加入していない、いわゆる無保険車の運行による事故の場合、自賠責保険に対する被害者請求はできません。加害車両の運行供用者には、運行供用者責任(損害賠償責任)が発生しますから(自賠法3条)、賠償責任を追及することは可能ですが、賠償資力がなければ、泣き寝入りです。このような場合、被害者は、政府保障事業に損害の填補を請求できます。なお、保険契約の始期前も、無保険に含まれます。保険責任の始期は、通常、契約が成立したときですが、保険契約者の希望で保険責任の始期が送れることもあります。このような保険責任の始まっていない自動車を運行の用に供することは、自賠法5条違反です。この場合も、政府保障事業へ請求することができます。交通事故の加害者が自賠責保険に入っていないとき盗難車の運行による事故自賠法は、自動車の運行によって他人を死傷させたとき、損害賠償責任を負うことを定めています(運行供用者責任=自賠法3条)。他方で、自賠責保険は、車両の保有者に損害賠償責任(運行供用者責任)が発生したときに、保険金を支払うと規定しています(自賠法11条)。保有者とは、自動車の所有者や正当な使用権を有する者のことです(自賠法2条3項)。盗難車の運行(泥棒運転)による事故の場合、泥棒運転した運転者は、運行供用者として損害賠償責任は発生しますが、保有者ではないので自賠責保険から保険金は支払われません。この場合、被害者は、政府保障事業に損害の填補を請求することができます。ただし、盗難車(泥棒運転)による事故の場合であっても、盗難車両の保有者に運行供用者責任が発生するときは、自賠責保険の支払い対象となります。保有者に損害賠償責任が発生するかどうかは、自動車の保管・管理の状況、盗難から事故までの経過時間などから総合的に判断されます。自賠責保険の適用除外車の運行による事故自賠責保険の適用除外車(自賠責保険の契約締結が強制されない自動車=自賠法10条・同法施行令1条の2)の運行による事故は、政府保障事業の対象から除外されています(自賠法72条1項)。適用除外車とは、自衛隊・在日米軍・国連軍の車両と、道路以外の場所のみにおいて運行の用に供する自動車(いわゆる構内専用車)です。これらが自賠責保険の強制適用を除外されているのは、自賠責保険制度によらなくても、賠償資力があり被害者の保護・救済の目的が達成できるからです。自衛隊・在日米軍・国連軍の自動車が事故を起こしたときは、国が賠償責任を負います。また、構内専用車は、もっぱら公道以外の限定された場所のみで運行され、構内で事故があった場合は労災保険など他の制度で損害回復が可能であり、保有者に相応の賠償資力があると想定されます。したがって、適用除外車の運行による事故は、当該車両の保有者に、損害賠償請求を行うこととなります。適用除外車の事故で、政府保障事業の対象となるケース適用除外車は、基本的に政府保障事業の対象となりませんが、例外として、構内専用車が移動のため一時的に公道を走行し、道路上で人身事故を起こした場合は、無保険車による事故と同じですから、政府保障事業の対象となります。適用除外車による事故が政府保障事業の対象となる場合について、最高裁判例があります。最高裁第3小法廷判決(平成5年3月16日)自賠法10条にいう「道路…以外の場所のみにおいて運行の用に供する自動車」であっても、その本来の用途から外れて道路上を走行中に事故が発生して、自動車損害賠償責任保険の被保険者以外の者の自賠法3条の規定による損害賠償責任が生ずる場合には、右事故につき、自賠法71条に規定する政府の自動車損害賠償保障事業の適用があるものと解するのが相当である。まとめひき逃げや無保険車による事故の場合、被害者は、自賠責保険による救済を受けられません。このような場合、被害者は、政府の自動車損害賠償保障事業に損害の填補を請求することができます。政府の自動車損害賠償保障事業は、自賠責保険制度を補完し、各種の保険制度によっても救済されない被害者を保護する最終的救済措置です。交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 24時間受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでも無料相談のお申込みができます。公式サイトの無料相談受付フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※「加害者の方」や「物損のみ」の相談は受け付けていませんので、ご了承ください。【参考文献】・『新版 逐条解説 自動車損害賠償保障法』ぎょうせい 221~223ページ・『逐条解説 自動車損害賠償保障法 第2版』弘文堂 226~228ページ・『自賠責保険のすべて 13訂版』保険毎日新聞社 176~177ページ・『プラクティス交通事故訴訟』青林書院 36~38ページ・『交通事故損害賠償保障法 第3版』弘文堂 400~402ページ・『新版 交通事故の法律相談』学陽書房 322~324ページ・『新版 交通事故の法律相談』青林書院 359~365ページ
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