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    交通事故紛争処理センターの特徴とメリット・デメリット
    公益財団法人・交通事故紛争処理センター(略して「紛セ」といいます)は、嘱託弁護士が無料で法律相談や和解斡旋を行うADR機関(裁判外紛争解決機関)です。和解斡旋が成立しないときは、審査の申立ができ、審査結果(裁定)には、損害保険会社に対する拘束力があります。全国に11ヵ所の相談拠点(東京本部のほか、高裁所在地7ヵ所に支部(札幌・仙台・名古屋・大阪・広島・高松・福岡)、相談室3ヵ所(さいたま・金沢・静岡))があり、各所在地の弁護士会から推薦された弁護士を、相談担当弁護士として委託しています。交通事故紛争処理センターの強み交通事故紛争処理センターを利用するメリットは、無料で和解斡旋を受けられることです。ですが、何より交通事故紛争処理センターの強みは、斡旋による和解が成立しない場合に、被害者が審査を申し立てると、相手方保険会社は、審査結果(裁定)に拘束され、従わなければならないということです。これを「片面的拘束力」といいます。ですから、審査に回して裁定が出れば、その裁定案に被害者が同意すると、裁定の通り和解が成立します。相手の保険会社は、審査結果を尊重する義務を負っているからです。審査結果に拘束されるのは保険会社の側だけで、被害者の側は拘束されません。被害者は審査結果に同意するかどうか自由で、不満なら訴訟を提起することができます。審査結果(裁定)に拘束される保険会社とは?審査結果に拘束されるのは、交通事故紛争処理センターと協定している損害保険会社や共済です。損害保険会社は、日本損害保険協会および外国損害保険協会に加盟する保険会社が対象ですから、ほぼ網羅されますが、共済は一部にとどまります。交通事故紛争処理センターと協定している損害保険会社や自動車共済は次のところです。日本損害保険協会に加盟する保険会社外国損害保険協会に加盟する保険会社全国共済農業協同組合連合会(JA共済連)全国労働者共済生活協同組合連合会(全労済)全国トラック交通共済協同組合連合会(交協連)全国自動車共済協同組合連合会(全自共)全日本火災共済協同組合連合会(日火連)交通事故紛争処理センターの手続の流れ被害者が交通事故紛争処理センターに相談・申立てする場合の流れは次のようになります。【1】相談申込み交通事故紛争処理センターで和解の斡旋を受けるには、紛争処理センターの嘱託弁護士による法律相談を受ける必要があります。これは、まず被害者から状況を聞くためです。相談担当弁護士が、和解の斡旋が必要だと判断すれば、次回に相手方保険会社を呼び出し、保険会社の言い分を聞きます。両者の主張と立証資料をふまえて、相談担当弁護士が、和解斡旋案を示すという流れになります。法律相談は、予約が必要です。電話相談は行っていません。面接相談となります。あなたの住所地または事故地に対応したセンター(本部・支部・相談室)に電話して、相談の日時を決めてもらいます。ただし、交通事故紛争処理センターは申立件数が多いので、例えば東京本部では 1ヵ月半ほど先でなければ予約できない状況です。かつては 3ヵ月待ちでしたから、改善はされましたが、時間がかかります。法律相談だけなら、予約が不要で、電話相談も行っている日弁連交通事故相談センターの方がよいでしょう。【2】和解の斡旋双方が出席した相談日より、相談担当弁護士が和解の斡旋を行います。相談担当弁護士は、双方から意見を聞き、資料の提出を受けて、和解斡旋案を提示します。斡旋案は、裁判所基準で損害額を算定します。和解斡旋手続きは、1回につき1時間以内とされています。人身事故の場合は通常3~5回、物損事故の場合は1~2回で和解が成立しているようです。物損事故の場合は、初回から保険会社も呼び出し、和解斡旋に入ります。和解斡旋によって合意に至った場合は、相談担当弁護士が示談書を作成します。なお、相談担当弁護士は、原則として事件終結まで変わりません。相談担当弁護士は、申立人である被害者の立場に立って事情を聴きますが、和解の斡旋は、あくまで中立公正な第三者の立場で行います。相談担当弁護士は、あなたの代理人ではないことに注意してください。訴訟移行手続き交通事故紛争処理センターでは、特に医学的に高度な判断を求めるような場合には、損害保険会社が、紛争処理センターに訴訟への移行を申し出ることができる制度が導入されています。損保会社から「訴訟移行の要請」が出されると、和解斡旋手続きは一時中断し、紛争処理センター内に設置されている訴訟移行審査委員会で、訴訟移行の可否を判断します。ただし、損保会社が「訴訟移行要請」を出せば、必ず訴訟に移行するわけではなく、紛争処理センターが「訴訟へ移行せざるを得ない」と判断したものだけ、訴訟移行が認められるという仕組みです。紛争処理センターが、訴訟移行を認めなかった場合は、和解斡旋が再開されます。【3】審査会による審査斡旋による和解が成立しないときは、審査を申立てることができ、審査手続に移行します。原則として、和解斡旋が不可能となった場合には、審査に移行する運用がなされています。審査が申し立てられた事案について、審査会が審査に適するものとして受理すると、審査会の期日が決められます。相手方保険会社や共済が紛争処理センターと協定していない場合などは、審査結果の遵守が確保されないおそれがあるため、受理するか否かが検討されます。審査会は、紛争処理センター所属の審査員3名(学識経験者・元裁判官・弁護士)で構成されます。中立公正な審査を行うため、損害保険会社やその関係団体の役職員・経験者は審査員から除かれます。審査会は、相手方と交渉を行う場ではないことに注意してください。事前に相談担当弁護士が審査会に争点や当事者双方の主張を説明します。審査においては、審査員が双方の主張を聴いた上で裁定を行います。審査会は、通常2~3回程度行われ、審査を終結すると、合議による審査の結果(裁定案)を当事者双方に告知します。裁定案は、斡旋案と同様に裁判所基準で賠償金額を算定します。保険会社は審査結果(裁定)に拘束されますから、被害者が裁定案を承諾すれば、和解成立となります。相談担当弁護士が裁定書にもとづき、示談書を作成し、紛争終結となります。被害者は、裁定案を拒否する自由がありますから、裁定に不服の場合は訴訟を提起できます。交通事故紛争処理センターで取り扱わない事案交通事故紛争処理センターの法律相談や和解の斡旋、審査は、自動車事故の示談をめぐる紛争が前提です。そのため、次のような場合は、交通事故紛争処理センターでは取り扱いません。交通事故紛争処理センターを利用できないケース調停または訴訟手続に係属中であるとき他のADR機関に和解(示談)の斡旋を申し込んでいる事案自転車と歩行者、自転車同士の事故による損害賠償の紛争人身傷害補償保険など、自分が契約している保険会社との保険金の支払いに関する紛争後遺障害の等級認定に関する紛争加害者が任意自動車保険(共済)に加入していない場合加害者が契約している任意自動車保険(共済)の約款に被害者の直接請求権の規定がない場合加害者が契約している任意自動車共済が、JA共済連、全労済、交協連、全自共、日火連以外の場合事故直後や治療中、後遺障害等級が未定など、まだ示談に至らない段階での法律相談①と②は、どのADR機関も同じです。調停や訴訟手続き中、他のADR機関で斡旋中のものは、取り扱いません。③~⑤は、そもそも交通事故紛争処理センターの業務の対象外です。⑥~⑧は、和解斡旋や審査結果(裁定)の遵守が確保されないからです。⑨は、紛争処理センターの法律相談が、和解斡旋を前提としているからです。治療終了後や後遺障害等級認定の結果が判明した後でなければ、法律相談の予約を受付てもらえません。そのほか、事実関係(過失割合など)に争いがある場合は、交通事故紛争処理センターは馴染まないと考えた方がよいでしょう。過失割合や後遺障害等級などで争いがある場合は、和解斡旋を申し込んでも、途中で訴訟手続に移行するケースが大半で、和解に至らないからです。交通事故紛争処理センターとは、そもそもどんな組織か交通事故紛争処理センターは、「交通事故の損害賠償問題を公正・迅速に解決する」ことを目的に、損害保険会社が中心となって設立された組織です。1974年(昭和49年)に和解斡旋の機能をもつ「交通事故裁定委員会」として発足しました。その後、1978年(昭和53年)に組織を拡充して「財団法人交通事故紛争処理センター」へ発展し、2012年(平成24年)に財団法人から公益財団法人へと移行しました。「示談代行付き」自動車保険の販売にともない設立そもそも、交通事故紛争処理センターの発足は、「示談代行付き」自動車保険(FAP)の販売と関係があります。損害保険業界が「示談代行付き」自動車保険を売り出そうとしていた当時、2つの問題点が指摘されていました。日常的に交通事故の賠償事案を扱う保険会社が、賠償問題に不慣れな被害者と示談交渉することは公平性を欠く。保険会社による示談代行は、弁護士法72条で禁止する「非弁活動」にあたる。こうした問題を解決するため、日弁連が 1973年(昭和48年)に、損害保険協会に対して「示談斡旋を行う中立的な第三者機関の設置」や「被害者救済の確保の措置の具体化」などを申し入れ、協議を重ねました。そして、日弁連と損保協会との間で「交通事故損害賠償をめぐる紛争について和解の斡旋を目的とする中立機関(裁定委員会)を設置する」「保険会社は裁定案の尊重義務を負う」ことにつき、覚書が交わされました。。この中立機関(裁定委員会)として、当初は、日弁連交通事故相談センターが予定されていました。ところが、結果的に日弁連の理事会での決議が得られず、それに代わるものとして、損保協会が 1974年(昭和49年)に「交通事故裁定委員会」を設立したのです。交通事故裁定委員会は、損保協会と日弁連が交わした覚書の趣旨を生かし、和解斡旋と裁定制度を取り入れました。こうした経緯から、損保協会に加盟している損害保険会社は、交通事故紛争処理センターの審査結果に拘束される仕組みになっているのです。【関連】保険会社の示談代行は、なぜ非弁活動(弁護士法72条違反)とならないのか?交通事故紛争処理センターの運営と実績交通事故紛争処理センターの運営資金は、自賠責保険の運用益が充てられているほか、損害保険会社、JA共済連、全労済、交協連、全自共、日火連から拠出されています。2015年度(平成27年度)の実績業務実績相談全体21,571件(うち新規)8,020件(うち再来)13,551件和解斡旋新規依頼件数8,011件(うち対人)6,307件(79%)(うち対物)1,704件(21%)斡旋終了7,442件和解成立(成立率)6,517件(88%)審査審査件数728件審査終了641件和解成立(成立率)597件(93%)※交通事故紛争処理センターの平成27年度「事業報告書」「取扱事案分類」より作成。※和解成立率は、斡旋終了件数、審査終了件数に対する和解成立件数から算出しています。和解成立以外には、斡旋不調・取り下げ、不同意・取り下げなどがあります。※交通事故紛争処理センター「平成27年度取扱事案分類」より作成。和解成立件数(審査による和解も含む)には物損事故も含まれますから、1回目で和解成立に至っているケースもあり、2回で和解に至るケースも多くあります。物損の場合は、第1回目から相手方も呼び出し、双方出席の下ですぐに和解斡旋が行われるからです。人損の場合は、早くて第2回目から和解斡旋になります。ですから、人損の場合は、3~5回で和解成立に至るケースが多いと考えるとよいでしょう。いずれにしても、おおむね5回までで、90%以上が和解成立に至っています。まとめ交通事故紛争処理センターは、最も多く利用されている交通事故ADR機関です。少額事件や事実関係に争いがない事件など、比較的簡易な事件に適しています。メリット相手方保険会社が、損保協会加盟の保険会社、あるいは5つの共済(JA共済連、全労済、交協連、全自共、日火連)の場合に、和解斡旋を申し込むと有効です。これらの保険会社や共済に対して審査結果の拘束力があるため、和解斡旋が成立しなかった場合でも、審査に回すことにより、和解が成立する可能性が高いからです。相談担当弁護士も審査員も、交通事故の損害賠償問題に精通した弁護士等が当たります。相談費用、手続き費用は全て無料です。デメリット時間がかかるのが難点です。法律相談には予約が必要で、第1回期日まで約1ヵ月半待ちです。その後も1ヵ月に1回のペースでしか進行しません。損保会社から「訴訟移行要請」が出されると、紛争処理センターで訴訟移行の可否を判断しますから、結論が出るまで、話し合いは棚上げです。3~4ヵ月程度、和解斡旋の進行はストップします。これも、「交通事故紛争処理センターは時間がかかる」という理由の1つです。また、相手が自動車共済の場合、審査結果の片面的拘束力があるのは、一部の共済に限られます。紛争処理センターと協定していない共済の場合は、審査を行うことができません。留意点次の点には、留意してください。交通事故紛争処理センターの嘱託弁護士は、あなたの代理人ではありません!相談担当弁護士は、中立の立場で和解を斡旋するのが仕事です。あなたの代理人として、相手方保険会社と示談交渉してくれるわけではありません。もし、示談交渉を委任することを含めて相談するのであれば、弁護士事務所に直接相談することが必要です。過失割合や後遺障害等級認定など事実関係に争いがある場合は、交通事故紛争処理センターの扱う業務に馴染みませんから、弁護士事務所に相談し、委任することになります。「交通事故紛争処理センター」「日弁連交通事故相談センター」のどちらに相談すればいいか迷っている方は、交通事故紛争処理センターと日弁連交通事故相談センターの違いをご覧ください。それぞれの違いや選ぶ時の判断ポイントをご紹介しています。交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 24時間受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでも無料相談のお申込みができます。公式サイトの無料相談受付フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※「加害者の方」や「物損のみ」の相談は受け付けていませんので、ご了承ください。
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  • 交通事故紛争処理センターと日弁連交通事故相談センターの比較
    交通事故紛争処理センターと日弁連交通事故相談センターの違い
    交通事故紛争処理センター(紛セ)と 日弁連交通事故相談センター(弁セ)のどちらを利用するのがよいかは、「あなたが何を相談したいか」「相手が損保か共済か」によって決まります。「紛セ」と「弁セ」の違い「交通事故紛争処理センター」と「日弁連交通事故相談センター」の違いを一覧でまとめておきます。比較項目交通事故紛争処理センター日弁連交通事故相談センターメイン業務和解斡旋示談斡旋、法律相談相談所11ヵ所159ヵ所面接相談予約制。約1ヵ月半待ち。予約必要なし。同一事案につき5回まで無料。1回30分程度。電話相談実施していない。一人10分程度。相談できる内容和解斡旋の事前相談の位置づけ。治療終了後または後遺障害等級認定後など示談交渉できる段階でなければ予約できない。交通事故の損害賠償に関することなら何でも相談できる。事故直後や治療中など示談交渉を開始できない段階でも相談可能。示談斡旋の対象事案自動車事故による損害賠償に関する紛争。自動車事故による損害賠償に関する紛争。例外として「自転車」事故についても示談斡旋できる場合がある。任意保険等に未加入の場合相手が任意保険・任意共済に未加入の場合は原則として和解斡旋できない。人損、人損をともなう物損は、相手が自賠責のみでも無保険でも示談斡旋可能。物損のみの場合は任意保険等に加入していないと示談斡旋できない。示談斡旋回数通常 3~5回で和解成立。原則 3回で示談成立。スピード時間がかかる。第1回目が申込の1ヵ月半後。和解斡旋は 1ヵ月に1回のペース。比較的早い。第1回目が申込の3~4週間後。示談斡旋は2~3週間に1回のペース。審査できる事案審査結果(裁定)に拘束される損保会社と共済が示談代行しているとき。審査結果(評決)に拘束される共済が示談代行しているとき。片面的拘束力審査結果(裁定)は損保会社と一部の自動車共済に対して片面的拘束力がある。審査結果(評決)は特定の自動車共済に対して片面的拘束力がある。担当弁護士相談と和解斡旋は同じ弁護士が担当。相談と示談斡旋は別の弁護士が担当。費用法律相談・和解斡旋・審査すべて無料。必要な書類の取り寄せ費用、センターまでの交通費などは自費。法律相談・示談斡旋・審査すべて無料。必要な書類の取り寄せ費用、センターまでの交通費などは自費。時効完成猶予の効力和解斡旋の申込に時効完成猶予(時効中断)効力はない。示談斡旋の申込に時効完成猶予(時効中断)効力はない。実績(2015年度)相談:21,571件新規和解斡旋依頼:8,011件和解斡旋終了:7,442件和解斡旋成立:6,517件(成立率:88%)新規審査申立:653件審査終了:641件審査和解成立:597件(成立率:93%)相談:44,886件新規示談斡旋受任:1,221件示談斡旋終了:1,233件示談斡旋成立:1,018件(成立率:83%)新規審査受任:19件審査終了:21件審査示談成立:17件(成立率:81%)※実績は、各センターの「平成27年度事業報告書」等より。片面的拘束力交通事故紛争処理センターと協定している「損害保険会社」や「一部の自動車共済」は、審査結果(裁定)を尊重する義務があります。日弁連交通事故相談センターと協定している「特定の自動車共済」は、審査結果(評決)を尊重する義務があります。「審査結果を尊重する義務」とは、事実上「審査結果に従う義務」ということです。審査結果に拘束されるのは、損保・共済の側だけです。これを片面的拘束力といいます。被害者は審査結果に拘束されませんから、審査結果が不服なら訴訟を提起できます。時効完成猶予の効力「交通事故紛争処理センター」や「日弁連交通事故相談センター」に和解・示談の斡旋を申し込むだけでは、損害賠償請求権の消滅時効の完成猶予(旧民法の時効中断)させる効果はありません。消滅時効を完成させないためには、法定の時効完成猶予の手続を取る必要があります。「自転車」事故の場合歩行者と自転車、あるいは自転車同士など「自転車」事故の場合は、どちらも示談の斡旋を受けられません。ただし、日弁連交通事故相談センターでは、例外として、全労済の「マイカー共済」については、「自転車賠償責任補償特約」が付いていれば、「自転車」事故についても示談斡旋を受けられます。各センターと協定している損害保険会社・共済「交通事故紛争処理センター」および「日弁連交通事故相談センター」と協定している損害保険会社および共済は、次の通りです。各センターと協定している損保や共済は、審査結果に拘束され、従う義務があります。保険会社・共済交通事故紛争処理センター日弁連交通事故相談センター損害保険会社○×JA共済連○○全労済○○交協連○○全自共○○日火連○○教職員共済生協×○自治協会×○町村生協×○都市生協×○市有物件共済会×○自治労共済生協×○○:協定している ×:協定していない (2017年6月1日現在)損害保険会社 : 日本損害保険協会・外国損害保険協会に加盟する保険会社JA共済連 : 全国共済農業協同組合連合会全労済 : 全国労働者共済生活協同組合連合会交協連 : 全国トラック交通共済協同組合連合会全自共 : 全国自動車共済協同組合連合会日火連 : 全日本火災共済協同組合連合会教職員共済生協 : 教職員共済生活協同組合自治協会 : 全国自治協会町村生協 : 全国町村職員生活協同組合都市生協 : 生活協同組合全国都市職員災害共済会市有物件共済会 : 全国市有物件災害共済会自治労共済生協 : 全日本自治体労働者共済生活協同組合「紛セ」と「弁セ」のどちらを選ぶとよいか判断のポイント交通事故紛争処理センターと日弁連交通事故相談センターのどちらを選ぶとよいか、判断のポイントとしては、次の5つがあります。5つの判断ポイント法律相談だけで間に合う(和解斡旋を要請しない)のであれば、「日弁連交通事故相談センター」が早い。相手が損保会社で、双方が主張する示談金額に相当な乖離がある場合は、時間はかかるが、損保に強制力のある「交通事故紛争処理センター」に和解斡旋を要請する。相手が損保会社で、双方が主張する示談金額にそれほど開きがない場合は、「日弁連交通事故相談センター」に示談斡旋を要請すると早い。相手が自動車共済なら、共済に強制力のある「日弁連交通事故相談センター」に示談斡旋を要請する。相手が任意保険・任意共済に加入していない場合は、「日弁連交通事故相談センター」に示談斡旋を要請する。事実関係に争いがあるときは利用できない「交通事故紛争処理センター」と「日弁連交通事故相談センター」は、交通事故分野の代表的なADR機関(裁判外紛争処理機関)です。当事者間で示談がまとまらないときに、公正中立の第三者が間に入って、示談の斡旋をするのが主な業務です。どちらの「センター」も、裁判と比べて早く、しかも無料で解決できるのが大きなメリットです。損害額は裁判所基準で算定し、示談斡旋案を提示します。担当する弁護士は、交通事故に精通した弁護士です。ですから、被害者が、個人で相手の保険会社や共済と交渉するより、ずっと有利な条件で示談できる可能性が高まります。過失割合や後遺障害等級の争いは示談斡旋・審査できないただし、どちらのセンターを利用する場合にも共通の注意点があります。「過失割合」や「後遺障害の等級認定」など事実関係に争いがある場合は、馴染まないということです。そういう場合は、まず事実認定をしなければ解決できないからです。例えば、双方が「自分の方の信号が青だった」などと主張し、過失割合に関して争いがある場合は、裁判による解決しかありません。後遺障害等級の認定に関して争いがある場合は、まず、異議申立手続きや「自賠責保険・共済紛争処理機構」の紛争処理手続きにより解決することになります。各センターでは、自賠責の認定した後遺障害等級を前提に、損害額を算定し示談斡旋するからです。自賠責の紛争処理手続きで解決できれば、「紛セ」や「弁セ」に持ち込み、示談斡旋や審査の手続きが可能となります。それで解決できないときは、裁判を起こすしかありません。各センターで解決が見込める事案とは?「交通事故紛争処理センター」と「日弁連交通事故相談センター」は、次のような事案の解決に適しています。事実関係に争いがなく、第三者が間に入ることで迅速に解決可能な比較的簡易な事案弁護士に委任すると費用倒れになる少額の事案こういうケースの場合、各センターに相談し、示談斡旋を要請すると、費用がかからず解決できます。損害賠償責任や過失割合、後遺障害等級など事実関係に争いがあり、示談が難航している場合は、「扮せ」や「弁セ」での解決は難しいので、直接、弁護士事務所に相談する方がよいでしょう。まとめ「交通事故紛争処理センター」と「日弁連交通事故相談センター」のメリット・デメリットは、大まかには次のように整理できます。交通事故紛争処理センター日弁連交通事故相談センターメリット相手が損保なら審査結果に拘束力があるので有利。裁判所基準で損害額を算定。交通事故の損害賠償に精通した弁護士が担当する。相手が特定の共済なら審査結果に拘束力があるので有利。裁判所基準で損害額を算定。交通事故の損害賠償に精通した弁護士が担当する。進行ペースが早い。上手くいけば申込みから3~4ヵ月で示談成立。人身事故の場合には相手が「自賠責のみ」「無保険」でも示談斡旋可能。相談体制が充実。示談斡旋の相談以外でも可能。電話相談も受け付け。デメリット進行ペースが遅い。協定している共済は一部だけ。相手が自賠責のみの場合は和解斡旋できない。法律相談は和解斡旋に関わることのみで予約制。治療終了後や後遺障害等級認定後でなければ相談の予約ができない。損保との協定がないので相手が損保の場合は審査結果に拘束力がない。3回までに示談成立に至らなければ決裂。「交通事故紛争処理センター」か「日弁連交通事故相談センター」かを決めるとき、大事なのは「相手が、損保か共済か」ということです。相手が損保で、双方の主張する賠償金額に開きが大きい場合は、時間はかかりますが、審査結果に拘束力のある交通事故紛争処理センターがよいでしょう。相手が共済なら、審査結果に拘束力のある日弁連交通事故相談センターがよいでしょう。なお、相手が損保でも、賠償金額の乖離がそれほど大きくなければ、日弁連交通事故相談センターでも示談斡旋により解決に至っています。そういう場合は、進行の早い日弁連交通事故相談センターを利用するのもよいでしょう。各センターの担当弁護士は、中立の立場で示談斡旋するのが仕事です。あなたの代理人ではありません。弁護士に示談交渉を委任したい場合は、弁護士事務所に相談して委任手続きを行う必要があります。交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 24時間受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでも無料相談のお申込みができます。公式サイトの無料相談受付フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※「加害者の方」や「物損のみ」の相談は受け付けていませんので、ご了承ください。
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