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  • 自賠責保険の被保険者とは?
    自賠責保険の被保険者、自賠責共済の被共済者とは?
    自賠責保険の被保険者、自賠責共済の被共済者は、その自動車の「保有者」と「運転者」です。保有者は、所有者とイコールではありません。また、運転者は、一般的な意味の運転者とは異なる概念です。では、保有者と運転者に該当するのは誰か? 自賠法が、なぜ保有者と運転者を被保険者としているのか? 詳しく解説します。自賠責保険の被保険者、自賠責共済の被共済者とは誰か?損害保険契約における被保険者は、「損害保険契約によりてん補することとされる損害を受ける者」と保険法で定めています(保険法2条4項イ)。ただし、自賠責保険の被保険者、自賠責共済の被共済者は、保険契約や共済契約でなく、法律で定めています。それが、次の自賠法11条です。自賠法11条(責任保険及び責任共済の契約)責任保険の契約は、第3条の規定による保有者の損害賠償の責任が発生した場合において、これによる保有者の損害及び運転者もその被害者に対して損害賠償の責任を負うべきときのこれによる運転者の損害を保険会社がてん補することを約し、保険契約者が保険会社に保険料を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。責任共済の契約は、第3条の規定による保有者の損害賠償の責任が発生した場合において、これによる保有者の損害及び運転者もその被害者に対して損害賠償の責任を負うべきときのこれによる運転者の損害を組合がてん補することを約し、共済契約者が組合に共済掛金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。第1項が自賠責保険契約、第2項が自賠責共済契約についての規定です。「保険」と「共済」、「保険会社」と「組合」の違いはありますが、内容は同じですので、以下、自賠責保険について説明します。自賠責保険とはどのような保険か?自賠法11条1項の規定によると、自賠責保険は、「第3条の規定による保有者の損害賠償の責任が発生した場合」に、「これによる保有者の損害」「及び運転者もその被害者に対して損害賠償の責任を負うべきときのこれによる運転者の損害」を保険会社が填補する保険です。どんな場合に保険金が支払われるのか?まず、自賠責保険の保険事故(保険会社が保険金を支払う原因となるもの)は、「第3条の規定による保有者の損害賠償責任の発生」です。第3条の規定とは、「自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によって他人の生命又は身体を害したときは、これによって生じた損害を賠償する責に任ずる」という運行供用者責任を定めた規定です。すなわち、自賠責保険の保険事故は、保有者が運行供用者責任(自賠法3条の規定による損害賠償責任)を負担することです。誰の、どんな損害を填補するのか?第3条の規定による保有者の損害賠償の責任が発生した場合に、「これによる保有者の損害」「及び運転者もその被害者に対して損害賠償の責任を負うべきときのこれによる運転者の損害」を保険会社が填補すると定めています。「これによる保有者の損害」とは、保有者が損害賠償責任を負担することによって生じる損害です。「これによる運転者の損害」も同様です。この「保有者の損害」「運転者の損害」を填補するのが、自賠責保険です。したがって、自賠責保険の被保険者は、保有者と運転者です。保有者とは? 運転者とは?保有者と運転者については、自賠法2条で次のように定義しています。保有者自動車の所有者その他自動車を使用する権利を有する者で、自己のために自動車を運行の用に供するもの(自賠法2条3項)運転者他人のために自動車の運転または運転の補助に従事する者(自賠法2条4項)自賠法における運転者は、一般的な意味の運転者とは異なります。「他人のために自動車の運転又は運転の補助に従事する者」ですから、例えば、運送会社の業務で運転している人、バスの運転手や車掌などが該当します。ちなみに、マイカーの運転者は、自賠法では保有者にあたります。保有者とは誰か保有者について、詳しく見ていきましょう。保有者の要件保有者の要件は、次の2つを満たす者であることです。自動車の所有者その他自動車を使用する権利を有する者自己のために自動車を運行の用に供する者すなわち、保有者とは、「自動車を使用する権利を有する者」であり、かつ「運行供用者」です。[要件①]自動車の所有者その他自動車を使用する権利を有する者「使用する権利」とは、例示されている所有権のほか、使用貸借契約や賃貸借契約にもとづくもの、委任にもとづくもの、その他いかなる法律関係によるかを問わず、正当な権原にもとづく使用権をいいます(『三訂 逐条解説 自動車損害賠償保障法』ぎょうせい65ページ、『逐条解説 自動車損害賠償保障法 第3版』弘文堂17ページ)。泥棒運転者や無断運転者は、「使用する権利」を有しないので、この要件に該当しませんが、要件②の運行供用者には該当します。[要件②]自己のために自動車を運行の用に供する者「自己のために」とは、自動車の使用についての支配権とその使用により享受する利益とが自己に帰属することを意味します(『三訂 逐条解説 自動車損害賠償保障法』ぎょうせい65ページ)。自賠法における運転者は、「他人のために」自動車の運転または運転補助に従事する者ですから、この要件に該当しませんが、要件①の自動車を使用する権利を有する者には該当します。保有者の具体例保有者の具体的な例としては、次のものが挙げられます。自家用自動車の所有者自動車運送業者自動車の賃貸人自動車の委託販売業者自動車の整備業者陸送業者(自動車をメーカーの工場からディーラーまで移送する契約を結ぶ者)(参考:『三訂 逐条解説 自動車損害賠償保障法』ぎょうせい66ページ)保有者が賠償責任の主体となるケースが大半ですが…自賠法は、第3条で、損害賠償の責任主体を「自己のために自動車を運行の用に供するもの」(運行供用者)とする一方で、第11条では、運行供用者すべてを被保険者とせず、運行供用者のうち自動車を使用する権利を有する者を保有者と規定し、保有者に生じた損害を保険会社が填補するとしています。ほとんどの場合、保有者が賠償責任の主体となり、自賠責保険金が支払われますが、保有者に賠償責任が発生せず、自賠責保険金が支払われないケースが生じ得ます。保有者に賠償責任が発生せず、自賠責保険金が支払われないケースとは?例えば、泥棒運転者が事故を起こし、所有者に管理責任がないような場合です。この場合、泥棒運転者は、運行供用者ではありますが、自動車を使用する権利を有しないので保有者でなく、所有者は、自動車を使用する権利を有しますが、自己のために自動車を運行の用に供したとは言えないので保有者でありません。このような場合には、保有者(=被保険者)に損害が発生していないので、自賠責保険金は支払われません。保有者に賠償責任が発生しないときは、被害者請求(16条請求)することもできません。16条請求ができるのは、「第3条の規定による保有者の損害賠償の責任が発生したとき」と規定されているからです(自賠法16条1項)。こういう場合、被害者は、政府保障事業に損害の填補を請求することができます。なぜ運転者も自賠責保険の被保険者としているのか?自賠法は、賠償責任を運行供用者(自己のために自動車を運行の用に供するもの)に集中させています(自賠法3条)。運転者は、「他人のために自動車の運転・運転補助に従事する者」ですから、運行供用者責任を負うことはありません。にもかかわらず、保有者とともに運転者も自賠責保険の被保険者としているのはなぜか?それは、保有者を責任主体とした立法趣旨の観点から、究極の負担が運転者に転嫁されることのないようするため、とされています。具体的には、次のような理由からです。運転者は、直接の加害者として、民法709条(不法行為責任)による損害賠償責任を負うことが想定されるため。保有者に保険金を支払った保険会社が、保険法25条(請求権代位)により、運転者に対し、保険金相当額の求償をすることを避けるため。運転者は直接の加害者として民事上の責任を負う運転者は、自賠法上の損害賠償責任(運行供用者責任)は負いませんが、直接の加害行為者として民法709条(不法行為責任)にもとづく損害賠償責任を負うことが想定されるため、被保険者と法定されたものと解されています(『逐条解説 自動車損害賠償保障法 第3版』弘文堂129ページ)。保険者からの求償を避けるため被保険者の損害が第三者の行為によって生じたとき、保険給付した保険者(保険会社)は、被保険者が第三者に対して有する権利を代位取得します(保険法25条)。保険法25条1項は、「保険者は、保険給付を行ったときは、…保険事故による損害が生じたことにより被保険者が取得する債権について…当然に被保険者に代位する」と、請求権代位(第三者に対する権利の代位)について規定しています。請求権代位とは?一般に、請求権代位とは、損害保険契約において保険者の保険給付義務の発生事由と同一の事由に基づき、保険給付請求権者が第三者に対して損倍賠償請求権等の権利を取得する場合において、保険給付義務を履行した保険者が保険給付請求権者の第三者に対する権利を取得する制度であるといわれています。例えば、自動車の損害保険契約において、第三者が運転する車に衝突されて損害が発生した場合に、保険者がその損害を填補したときは、被保険者が第三者に対して有する損害賠償請求権を保険者が代位取得することになります。(参考:法制審議会保険法部会第4回会議(平成19年1月17日)議事録、資料5「保険法の現代化に関する検討事項(4)」)通常、「保有者と運転者」は、「使用者と被用者」の関係です。使用者責任について規定した民法715条は、第1項で「ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う」と定め、第3項で「使用者から被用者に対する求償権の行使を妨げない」としています。運転者に代わって賠償金を支払った保有者は、運転者に求償する権利を有します(民法715条3項)。保険会社が保有者の損害賠償額を填補したときは、保険会社が、保有者の「運転者に対する求償権」を取得します。その求償権を行使すれば、最終的な負担が運転者に転嫁されることになります。これを避けるため、運転者を被保険者とし、保険法25条でいう「第三者でない」こととしたのです(『三訂 逐条解説 自動車損害賠償保障法』ぎょうせい126ページ)。運転者が被保険者となるには、保有者に運行供用者責任が生じることが前提になるので、運転者だけが被保険者となることはありません。被保険者が法律で定められている意味自賠責保険の被保険者は、保険契約で定まるのではなく、法律(自賠法11条)で定められています。したがって、任意自動車保険のように、契約で被保険者を限定することはできません。また、自賠責保険の契約は、車両単位(自動車一両ごと)に締結することが義務付けられています(自賠法12条)。そのため、ある特定の自動車に自賠責保険契約が締結されていれば、その自動車を所有または正当に使用する一切の保有者及び運転者が被保険者になります。例えば、Aが友人Bの自動車を借りて運転中に事故を起こした場合、Aは自動車を使用する権利を有する者であり、運行供用者でもありますから、Aは保有者であり、被保険者となります。もちろん、Bが自分の車を運転中に事故を起こした場合には、Bは所有者であり、運行供用者でもありますから、Bは保有者であって被保険者です。自賠責保険が付保された自動車の所有権・使用権が変動した場合には、それに伴い保有者・運転者も変動し、運行供用者責任が発生した時点で確定される保有者・運転者が、被保険者となります。まとめ自賠責保険の被保険者は、保有者と運転者です。これは、保険契約で決まるのではなく、法律(自賠法11条)で定められています。保有者とは、自動車の所有者その他自動車を使用する権利を有する者で、自己のために自動車を運行の用に供するものをいいます(自賠法2条3項)。運転者とは、他人のために自動車の運転または運転の補助に従事する者をいいます(自賠法2条4項)。被害者は、自賠法16条にもとづいて相手方保険会社に損害賠償額の支払いを請求できますが、この直接請求権は自賠法の規定によって特別に認められるものであり、被害者は被保険者ではありません。交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 24時間受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでも無料相談のお申込みができます。公式サイトの無料相談受付フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※「加害者の方」や「物損のみ」の相談は受け付けていませんので、ご了承ください。【参考文献】・『自賠責保険のすべて13訂版』保険毎日新聞社 44~45ページ・『三訂 逐条解説 自動車損害賠償保障法』ぎょうせい 65~67ページ、123~126ページ、133ページ・『逐条解説 自動車損害賠償保障法 第3版』弘文堂 16~18ページ,128~130ページ
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