交通調停・民事調停の申立てが有効なケースとは?

交通調停・民事調停の申立てが有効なケースとは?

交通調停・民事調停の申立ては難しくはありませんが、交通事故の被害者にとって、調停申立てが有効なケースは限られます。どんな紛争で調停を利用すると有効なのか、調停の上手な利用法をご紹介します。

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交通調停・民事調停は、訴訟に比べて簡易な手続きで紛争を解決できます。調停の費用(手数料)も、訴訟の費用(手数料)の半分です。弁護士に頼まなくても、被害者本人で申立てができます。

 

ただし、どんな場合でも交通調停・民事調停の申立てが有効とは限りません。交通調停・民事調停の申立てにはメリット・デメリットがあるからです。裁判所に調停を申し立てるか、民間ADR機関(交通事故紛争処理センター、日弁連交通事故相談センターなど)に示談斡旋を申し立てるか、状況により選択することが大切です。

 

交通事故の被害者にとって、調停の申立てが有効な場合は、次の3つのケースです。

  1. 加害者が任意保険に加入していない場合
  2. 時効が近づいている場合
  3. 「自転車」事故の場合

 

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

調停は加害者が任意保険に加入していない場合に有効

加害者が任意自動車保険・任意自動車共済に加入している場合は、たいてい事実上の交渉相手が損保や共済となります。この場合は、裁判所に交通調停・民事調停を申し立てるよりも、交通事故ADR機関の「交通事故紛争処理センター」や「日弁連交通事故相談センター」に示談斡旋を申し立てる方が、断然有利です。

 

加害者が任意保険・任意共済に加入していない場合には、調停申立てが有効なケースがあります。

 

加害者が任意保険に加入しているときは、調停よりADRが有効

「交通事故紛争処理センター」と「日弁連交通事故相談センター」は、それぞれ損保と共済に対し、片面的拘束力をもつ裁定が出せるからです。損保や共済は、裁定に従わなければなりません。つまり、被害者の側が裁定に納得すれば、その金額と内容で示談が成立するのです。被害者の側には拘束力がないので、裁定に納得できなければ、訴訟に移行することができます。

 

さらに、「交通事故紛争処理センター」や「日弁連交通事故相談センター」では、交通事故に詳しい弁護士が第三者の立場で示談斡旋を行いますから、適正な損害賠償額で示談できる可能性が高いのです。

 

しかも、「交通事故紛争処理センター」や「日弁連交通事故相談センター」なら、利用は無料です。

 

交渉相手が損保や共済の場合、調停申立てのメリットはない

事実上の交渉相手が損保や共済の場合、交通調停・民事調停を申立てるメリットは、ほとんどありません。

 

そもそも調停は、調停委員が当事者を説得して合意を図る手続きです。事実上の交渉相手が損保や共済の場合、調停委員が加害者を説得しても、調停に応じるか否かは、損保会社や共済組合の内部で稟議を経る必要があるので、裁判所で調停委員に加害者を説得してもらうという「調停の利点」が発揮しにくいのです。

 

また、調停には、損保や共済に対する拘束力がありませんから、保険会社や共済組合の合意が得られなければ、調停は不成立となります。調停が不成立となれば、訴訟による解決しかありません。

 

加害者が任意保険に未加入のときは、調停申立てが有効な場合がある

相手が任意保険・任意共済に加入していない場合は、調停の申立てが有効な場合があります。

 

当事者に対し一定の強制力がある

民事調停法34条は、「裁判所又は調停委員会の呼出しを受けた事件の関係人が正当な事由がなく出頭しないときは、裁判所は、5万円以下の過料に処する」と定めています。

 

民事調停は、相手方に対し、少しだけですが強制力があります。相手を調停の場に引っ張り出し、調停委員に説得してもらうことができる点でメリットがあります。

 

相手が任意保険や任意共済に未加入の場合でも、交通事故紛争処理センターや日弁連交通事故相談センターに示談斡旋を申立てすることはできますが、民間ADR機関ですから強制力はなく、示談斡旋を受けることに相手の同意が必要です。

 

調停調書を債務名義として、強制執行が可能

相手が任意保険・任意共済に加入していれば、示談内容が履行されないという心配はないのですが、相手が任意保険・任意共済に加入していない場合は、示談内容が履行されない可能性があるので、示談条項の履行を確保するための手続きが必要になります。

 

調停による話合いがまとまると、裁判所書記官がその内容を調書に記載して,調停が成立します。調停調書は確定判決と同じ効力を有するので、万が一、示談条項が守られない場合、調停調書を債務名義として、強制執行が可能となります。

 

物損のみの場合でも申立ての制限なし

物損のみの場合、「交通事故紛争処理センター」や「日弁連交通事故相談センター」は、相手が示談代行付き対物賠償保険に加入している場合に限り、示談斡旋が可能です。

 

それに対して、民事調停は、そういった制限はなく、相手が対物賠償保険に加入していない場合でも、申立て可能です。

時効が近づいている場合には調停申立てが有効

交通調停・民事調停の申立てには、時効の完成を猶予させる効力があります。調停が成立すれば時効は更新し、調停が不成立の場合には、調停手続き打ち切りから6ヵ月間は、時効の完成が猶予されます。時効の完成が近づいているときは、交通調停・民事調停の申立てが有効です。

 

ちなみに、「交通事故紛争処理センター」や「日弁連交通事故相談センター」への示談斡旋の申立てには、時効の完成を猶予させる効力はありません。

 

消滅時効の完成猶予・更新について詳しくは次のページをご覧ください。

「自転車」事故の場合には調停申立てが有効

「交通事故紛争処理センター」や「日弁連交通事故相談センター」は、自動車事故にともなう紛争のみが対象で、「自転車」事故に関する紛争は扱いません。

 

それに対して、民事調停は「自転車」事故に関する紛争も取り扱い可能です。最近は、「自転車」事故の当事者からの民事調停の申立ても増えているようです。

まとめ

交通調停・民事調停の申立ては、被害者本人で可能で、裁判所で調停委員から相手を説得してもらえるので、示談交渉で行き詰まっているときに有効な手続きです。ただし、交通事故被害者にとって、調停の申立てが有効なケースは限られます。

 

交通調停・民事調停を申し立てるか、ADRに持ち込むか、弁護士に示談交渉を委任するか、状況により選択することが大切です。

 

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公開日 2017-07-11 更新日 2023/03/18 13:28:15