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  • 年少女子の逸失利益
    年少女子の逸失利益算定に用いる基礎収入の計算方法
    女性の逸失利益は、現実の賃金水準を反映し、低く算定されてしまいます。そこで、年少女子の逸失利益の算定では、女性の平均賃金でなく、男女を合わせた平均賃金を基礎収入とする方法が採られています。年少女子の逸失利益の算定に全労働者平均賃金を採用年少女子の逸失利益を算定する際の基礎収入は、従来、女性労働者の平均賃金を用いてきました。しかし、女性が様々な職業領域に進出できる社会情勢となっていること、未就労年少者は多様な就労可能性を有することから、現在は、年少女子の基礎収入に、男女を合わせた全労働者の平均賃金を用いるのが一般的です。東京・大阪・名古屋の各地裁では、男女を合わせた全労働者の平均賃金を用いることで見解が一致しています。赤い本は、「女性労働者の全年齢平均賃金ではなく、男女を含む全労働者の全年齢平均賃金で算定するのが一般的である」としています。青本は、最近の裁判例は「全労働者(男女計)平均賃金を基礎とする方法を採用していると言ってよいだろう」としています。死亡逸失利益の生活費控除率は45%死亡逸失利益は、基礎収入から生活費を控除して計算します。死亡逸失利益の計算方法はこちらをご覧ください。生活費控除率は、基準化されています。女性30%(主婦・独身・幼児を含む)※年少女性で労働者平均賃金を基礎収入とする場合は45%程度。男性50%(独身・幼児を含む)※『赤い本 2016年版』より女性の死亡逸失利益は、基礎収入に女性の平均賃金を用い、生活費控除率を30%として計算します。女性の生活費控除率が男性より低いのは、女性の賃金が低いことを反映して逸失利益が低めに算定されてしまうため、男女間格差を是正するためです。基礎収入に全労働者(男女計)の平均賃金を用いる場合は、生活費控除率を45%程度とします。なぜ生活費控除率を45%とするのか?なぜ45%なのかというと、生活費控除率が40%あるいはそれ以下だと、男子の逸失利益よりも高くなってしまうからです。全労働者の平均賃金を用いて生活費控除率を40%とすると、男性労働者の平均賃金を用いて生活費控除率を50%とした場合を上回ることになります。例えば、11歳の男児と女児の場合で見てみましょう。平成28年に交通事故で死亡したとします。基礎収入は、平成28年の賃金センサスによれば、男性の平均賃金は549万4,300円、女性の平均賃金は376万2,300円、全労働者の平均賃金は489万8,600円です。11歳のライプニッツ係数は12.912です。中間利息控除を年5%としています。これをふまえて、生活費控除率を変えて死亡逸失利益を計算してみます。基礎収入 ×(1-生活費控除率)× 就労可能年数に対するライプニッツ係数男児11歳の死亡逸失利益基礎年収は549万4,300円、生活費控除率は50%ですから、549万4,300円 ×(1-0.5)× 12.912 = 3,547万1,200円女児11歳の死亡逸失利益女性の平均賃金を用いる場合(生活費控除率30%)376万2,300円 ×(1-0.3)× 12.912 = 3,400万5,173円男児11歳より、146万6,027円少なくなります。全労働者の平均賃金を用いる場合(生活費控除率40%)489万8,600円 ×(1-0.4)× 12.912 = 3,795万433円男児11歳より、247万9,233円多くなります。全労働者の平均賃金を用いる場合(生活費控除率45%)489万8,600円 ×(1-0.45)× 12.912 = 3,478万7,897円男児11歳より、68万3,303円少なくなります。男女計の平均賃金を基礎とする年少女子の範囲全労働者(男女計)の平均賃金を基礎とする年少女子の範囲については、義務教育修了まで(中卒で就労している同世代の者との均衡から)高校、専門学校、大学、大学院等を卒業するまで若年者評価がされる期間(事故時おおむね30歳未満)一律に決めるべきでなく事案に応じて判断すれば足りるなどの考え方があり、裁判例も様々です。だいたい「義務教育終了まで」は、この方式を採用することが定着しています。近年は、少なくとも高校卒業までは全労働者の平均賃金が基礎とされることが多いようです。まとめ年少女子の逸失利益を算定するときは、女性の平均賃金でなく男女を合わせた全労働者の平均賃金を用います。この方式が適用される年少女子の範囲については、近年は高校卒業まで認められることが多くなっています。適用範囲については、生活費控除率を何%にするかもあわせて、個別具体的に検討・立証することになります。お困りのことがあったら、今すぐ交通事故の損害賠償請求に強い弁護士に相談することをおすすめします。交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 24時間受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでも無料相談のお申込みができます。公式サイトの無料相談受付フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※「加害者の方」や「物損のみ」の相談は受け付けていませんので、ご了承ください。関連休業損害や逸失利益の計算方法は、次のページをご覧ください。休業損害の計算方法後遺障害逸失利益の計算方法死亡逸失利益の計算方法参考文献・『交通事故事件の実務―裁判官の視点―』新日本法規 72~73ページ・『事例にみる交通事故損害主張のポイント』新日本法規 137~138ページ・『交通賠償のチェックポイント』弘文堂 116ページ
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