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  • 後遺障害等級認定
    交通事故後遺症の損害賠償請求は後遺障害等級認定がカギ
    「後遺症が残った」というだけでは、後遺症に対する慰謝料等を請求することはできません。後遺症が残ったことで逸失利益や慰謝料を請求するには、自賠責保険において後遺障害等級の認定を受ける必要があります。ここでは、後遺症と後遺障害の違い、後遺障害等級の認定条件、適正な後遺障害等級の認定を獲得するためのポイントについて、解説します。自賠責保険における後遺障害の等級認定は、「原則として労働者災害補償保険における障害の等級認定の基準に準じて行う」(自賠責保険の支払基準)とされています。また、勤務中の交通事故は、労災補償の対象です。ですから、労災保険の障害補償も参照しながら説明していきます。「後遺症」と「後遺障害」の違い治療しても完全に回復せず、身体や精神の機能に不完全な状態が残る場合があります。このような治療終了後に残存する身体・精神の不調を一般的には「後遺症」と呼んでいますが、損害賠償の分野では「後遺障害」と呼びます。「後遺障害」という呼び方が特別に意味をもつのは、自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)や労災保険(労働者災害補償保険)の支払手続においてです。自賠責保険制度における後遺障害自賠法(自動車損害賠償保障法)は、後遺障害を「傷害が治ったとき身体に存する障害をいう」と定め(自賠法施行令第2条1項2号)、障害の程度に応じて第1級から第14級までの14等級に区分し、各等級ごとに保険金額(支払限度額)を決めています(自賠法施行令第2条別表)。「治ったとき」とは、症状固定に至ったときです。すなわち、症状固定後に残存する障害が後遺障害です。労災補償制度における後遺障害労働基準法は、「労働者が業務上負傷し、または疾病にかかり、治った場合において、その身体に障害が存するときは、使用者は、その障害の程度に応じて、……障害補償を行わなければならない」と定めています(労基法77条)。この「傷病が治ったときに身体に存する障害」が後遺障害で、「治ったとき」とは症状固定に至ったときです。労災保険における障害補償も、障害の程度に応じて第1級から第14級までの14等級に区分し、各等級ごとに保険給付額を定めています。そもそも自賠責保険の後遺障害等級が、労災保険の障害等級に準拠したものです。後遺障害は補償対象を規定する法律上の概念後遺症が残った場合、それが自賠責保険や労災保険に定める後遺障害として認定されなければ、原則として保険金は支払われません。後遺症が残ったときは、それが後遺障害に該当するか、どの等級に認定されるか、が重要なのです。このように、「後遺障害」とは、労災補償制度や自賠責保険制度において、補償対象を規定する法律上の概念であり、「等級」は、支払限度額を決定するための格付けです。後遺症も後遺障害も、どちらも「症状固定後に残存する身体・精神の不調」を意味するものですが、後遺障害に該当するか否かによって、保険金(損害賠償額)の支払いを受けられるかどうかが決まります。後遺症が残ったとき、その後遺症が、後遺障害に該当すれば、保険金(損害賠償額)が支払われますが、後遺障害に該当しなければ、保険金(損害賠償額)は支払われません。さらに、認定される後遺障害の等級によって、支払われる保険金額(上限額)が決まります。後遺症と後遺障害の関係は、次のようなイメージです。後遺症後遺障害(保険による補償対象)では、後遺症のうち、どのようなものが後遺障害に該当するのでしょうか?後遺障害の認定条件自賠責保険の後遺障害認定は、労災保険の障害認定の基準に準じて行われます。労災保険における「障害補償の対象」は、「傷病(負傷または疾病)が治ったときに残存する当該傷病と相当因果関係を有し、かつ、将来においても回復が困難と見込まれる精神的または身体的毀損状態(=障害)であって、その存在が医学的に認められ、労働能力の喪失を伴うもの」としています(『労災補償障害認定必携第17版』労災サポートセンター69ページ)。これを交通事故の場合に当てはめると、①事故による受傷の結果発生した障害(精神的または身体的毀損状態)であって、②永続残存性があり、③その存在が医学的に認められ、④労働能力の喪失を伴うものが、自賠責保険による補償対象である後遺障害ということになります。すなわち、後遺障害に該当するためには、次の4つの条件を満たす必要があります。なお、この4つの条件は、後遺障害の該当性を判断する基本的事項であり、各障害等級ごとの認定基準は別途定められています。後遺障害 4つの条件事故による受傷との間に相当因果関係がある将来においても回復が困難と見込まれる医学的に存在が認められる労働能力の喪失を伴うそれぞれ見ていきましょう。事故による受傷との相当因果関係後遺障害の1つ目の条件は、事故による受傷が原因で残存した障害であるということ、すなわち、事故と相当因果関係があることです。事故により発生した損害の賠償ですから、事故との相当因果関係が要求されます。例えば、既存の障害のある人が、事故で増悪した場合、事故との相当因果関係が争いとなることがあります。永久残存性後遺障害の2つ目の条件は、永久残存性です。後遺障害という用語には、「回復しない」という性質が前提にあります。将来においても機能回復しないだろうと見込まれる状態を念頭においているのです。将来も回復せず障害が残るとして後遺障害が認められると、将来の逸失利益について損害賠償を受けることができます。逆にいうと、障害状態が永久には続かないだろうと見込まれる場合には、後遺障害とは評価されないということです。例えば、頸椎捻挫(むち打ち損傷)による神経症状などは、時間が経てば改善すると考えられ、後遺障害「非該当」と判断されることが多く、仮に後遺障害が認められても、永久残存性が否定され、逸失利益発生期間(労働能力喪失期間)を比較的短期間に限定されるのが一般的です。むち打ち症の後遺障害等級と労働能力喪失期間の問題医学的に存在が認められる後遺障害の3つ目の条件は、障害の存在が医学的に認められることです。医学的に認められるとは、障害の存在を「医学的に証明できる」あるいは「医学的に説明できる」ということです。医学的に証明できるというのは、レントゲン写真などの他覚的所見により、障害を他覚的に証明できることです。医学的に説明できるというのは、他覚的に証明することまではできないけれども、受傷態様や治療経過などから、障害が残存していてもおかしくはない、と医学的見地から合理的に推定できるということです。いくら自覚症状を訴えても、医学的に説明すらできなければ、後遺障害とは認められません。医学的に「証明できる」と「説明できる」の違いについて詳しくはこちら労働能力の喪失後遺障害の4つ目の条件は、労働能力の喪失を伴うということです。そもそも労災保険における障害補償は、障害による労働能力の喪失に対する損失填補を目的とした制度であり、自賠責保険の逸失利益に対する保険金(損害賠償額)の支払いも同趣旨ですから、労働能力の喪失を伴うということは大前提といえます。なお、ここでいう労働能力とは、「一般的な平均的労働能力」をいい、被害者の年齢・職種・利き腕・知識・経験等の職業能力的諸条件は、損害の程度を決定する要素とはなっていません(『労災補償 障害認定必携 第17版』70ページ)。その後遺障害によって労働能力がどの程度失われるのかについては、後遺障害等級に応じて、所定の労働能力喪失率が認められる仕組みです。自賠責保険と労災保険で、後遺障害等級の認定に差が出る?交通事故が労災事故でもある場合、同じ後遺障害であっても、自賠責保険と労災保険とで認定に差が出ることがあります。自賠責保険も労災保険も、同じ「労災補償の障害認定基準」を使用しますが、一般的に、自賠責保険による認定の方が、被害者にとって厳しい結果となるようです。これは、労災保険が本来的には「補償」の性格を有するのに対し、自賠責保険は「賠償」の性格を有する、という制度趣旨の違いに由来していると考えられています(『詳説 後遺障害』創耕舎60ページ注37)。適正な後遺障害等級の認定を受けるためのポイント適正な後遺障害等級の認定を受けるためには、次の点が重要なポイントとなります。提出書類が後遺障害を裏付けるものとなっているか事前認定でなく被害者請求する交通事故に詳しい弁護士に相談する提出書類が後遺障害を裏付けるものとなっているか自賠責保険における後遺障害等級の審査は、基本的に書面審査です。審査にあたって、被害者本人に状態を聞くこともなければ、診療医から話を聞くこともありません。提出する書類が全てです。ただし、外貌醜状障害などは、面接して醜状を確認します。ですから、後遺障害等級の認定を受けるには、自賠責保険に提出する書類が、後遺障害の存在を裏付けるものとなっていることが大事です。重要なのは、後遺障害診断書と他覚的所見です。自賠責保険において後遺障害として認定されるには、主治医に後遺障害診断書を作成してもらって、自賠責保険に提出します。この後遺障害診断書こそが、症状固定時の残存症状を記載した書類であり、後遺障害申請手続きにおいて最も重要な書類です。後遺障害診断書の見本後遺障害診断書の記載で注意が必要なのが、「自覚症状」と「①精神・神経の障害/他覚症状および検査結果」の欄です。むち打ち症など局部の神経症状の場合には、これらの記載が特に重要です。よくあるのが、簡単な記載にとどまっているケースです。後遺障害の認定が不利になります。もっとも、記載するのは医師ですから、医師に任せるしかありませんが、残存する自覚症状については、医師にしっかり伝えることが大切です。大事なのは、自覚症状が詳しく記載され、その自覚症状を裏付ける他覚症状や検査結果が整合性をもって記載されることです。さらに、それを画像検査などの他覚的所見で客観的に裏付けることができれば、後遺障害等級が認定される可能性が高まります。こういった点に注意しながら後遺障害診断書を作成してくれる医師ならよいのですが、現実には、そこまで後遺障害診断書の書き方を熟知している医師は多くありません。ここまでやるには、あとで説明するように弁護士の力が必要です。事前認定でなく被害者請求する自賠責保険における後遺障害等級の認定手続には、任意保険会社による「事前認定」と、被害者による「直接請求」(被害者請求)の2つの方法があります。事前認定は、任意保険会社が事務的に自賠責保険に書類を提出するだけです。任意保険会社は、積極的に後遺障害等級の認定獲得を目指すわけではありません。任意保険会社が必要な書類をそろえて手続をしてくれるので被害者は楽なのですが、提出した書類の内容を被害者側で把握することはできません。これに対し、被害者請求は、自賠責保険に提出する書類の内容を精査し、必要なら補足資料を追加で提出することもできるので、適切な後遺障害等級が認定される可能性が高くなるのです。事前認定と被害者請求の違いについて詳しくはこちら交通事故に詳しい弁護士に相談する後遺障害等級の認定には、医師の作成する後遺障害診断書等が重要な役割を果たします。ところが、ここで深刻な問題があります。医師は、傷病の治療については専門ですが、「どうすれば後遺障害等級が認定されるか」ということについては専門ではありません。また、治療費が保険会社から支払われますから、保険会社と揉めたくないという思いが先に立ちます。そのため、保険会社に逆らってまで、被害者のために行動してくれる医師は、残念ながら少ないのです。そもそも後遺障害は賠償上の概念ですから、この分野の専門は弁護士なのです。どのように後遺障害診断書や経過診断書が記載されていれば後遺障害等級が認定されるか、後遺障害等級の認定に必要な検査所見は何か、といったことを判断できるのは、医師ではなく弁護士なのです。ですから、弁護士に相談して的確なアドバイスを受けることで、適正な後遺障害等級の認定を受けられる可能性が高まるのです。ただし、交通事故の問題は、弁護士にとっても特殊な法律分野となるため、弁護士なら誰でも対応できるわけではありません。交通事故の損害賠償請求に詳しい弁護士に相談することが大切です。関連いつ・どのタイミングで弁護士に相談すればよいか弁護士に依頼する5つのメリット・1つのデメリット交通事故被害者が知っておきたい弁護士選び3つのポイントまとめ後遺症に対する慰謝料などは、後遺障害等級によって決まります。適正な後遺障害等級の認定を受けることが大切です。むち打ち症などは、後遺傷害の認定を受けるのが難しいので、治療中の早い段階で交通事故に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。自賠責保険で後遺障害「非該当」となったり、想定していた後遺障害等級よりも低い等級となった場合は、異議申し立てができます。後遺障害等級の異議申し立てについてはこちら交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 24時間受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでも無料相談のお申込みができます。公式サイトの無料相談受付フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※「加害者の方」や「物損のみ」の相談は受け付けていませんので、ご了承ください。【参考文献】・『労災補償 障害認定必携 第17版』一般財団法人労災サポートセンター69~70ページ・『弁護士のための後遺障害の実務』学陽書房4~14ページ・『交通事故案件対応のベストプラクティス』中央経済社91~100ページ・『詳説 後遺障害』創耕舎19~21ページ、60~63ページ・『後遺障害入門』青林書院3~5ページ、17~19ページ・『改訂版 後遺障害等級認定と裁判実務』新日本法規2~16ページ・『新・現代損害賠償法講座 5交通事故』日本評論社156~159ページ
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  • 異議申立て
    自賠責の後遺障害等級・非該当に不服のときの異議申立て
    後遺障害「非該当」とされた場合や、認定された等級に納得がいかない場合は、不服を申し立てることができます。不服申立ての方法は2つあります。自賠責への異議申立て損害保険・共済紛争処理機構への調停申立てここでは、自賠責への異議申立てについて見ていきます。損害保険・共済紛争処理機構への調停申立てはこちらをご覧ください。自賠責への異議申立て後遺障害の認定結果に不服がある場合は、自賠責に対して異議申立てができます。自賠責への異議申立ては、最初の申請が事前認定か被害者請求かによって、申立て先が異なります。被害者請求だった場合は、自賠責に対して異議申立書を提出します。事前認定だった場合は、相手方任意保険会社に対して異議申立書を提出します。被害者請求に切り替えて異議申立てをすることもできます。どちらにしても、実際に審査するのは、自賠責保険審査会です。同じ自賠責(損害保険料率算出機構)への申立てなので、再調査という形になります。異議申立書は、保険会社に定型書式も備えられていますが、書式が決まっているわけではありません。申立書に必要なのは、申立ての趣旨(どのように見直せと申し立てるのか)、申立ての理由(申立てが正当であることを基礎づける具体的な理由)、申立て理由を基礎づける証拠資料です。異議申し立ては何度でも可能ですが…異議申立ては、回数に制限はありません。被害者に不利益に変更されることもないとされています。だからといって、同じような理由で何度も申し立てをしても意味はありません。新たな根拠(例えば診断書や医師の意見など)を提出するか、自賠責の事実認定についての誤りを具体的に指摘しなければ、結論が変更されることはありません。異議申立てが多いのは非該当とされたケース異議申立てで多いのは、後遺障害非該当の結果に対して、適切な等級(多くは14級9号)に該当することを求めて申し立てるケースです。ただ、新たな資料の提出ができないと、結果を変えることは難しいようです。弁護士に相談すれば、後遺障害等級の認定理由をふまえ、刑事記録や経過診断書、診療報酬明細書などを吟味し、必要なら主治医とも面談し、適切な等級認定を受けられるよう動いてくれます。自賠責の認定した後遺障害等級が裁判でも尊重される後遺障害等級は、自賠責の認定が裁判でも尊重されますから注意が必要です。後遺障害等級が1級違うだけで損害賠償金額に大きく影響します。等級認定に納得がいかないときは、異議申立てを弁護士に相談してみましょう。その他の注意点異議申立ては、加害者に対する請求ではないため、時効の更新(中断)とはなりませんから注意してください。この異議申立ての方法は、損害保険料率算出機構に加盟していない共済組合などの認定には利用できません。まとめ後遺障害等級の認定に納得できないときは、異議申立てができます。ただし、新たな根拠が示せなければ、結果が変わることはありません。交通事故の後遺障害に詳しい弁護士とよく相談することが大切です。交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 24時間受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでも無料相談のお申込みができます。公式サイトの無料相談受付フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※「加害者の方」や「物損のみ」の相談は受け付けていませんので、ご了承ください。【参考文献】・『新版 交通事故の法律相談』学陽書房 130~131ページ・『交通事故と保険の基礎知識』自由国民社 30~31ページ・『交通賠償のチェックポイント』弘文堂 51~52ページ・『交通事故案件対応のベストプラクティス』中央経済社 106~107ページ
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  • むち打ち症の損害算定
    むち打ち症(頸椎捻挫)の後遺障害等級と労働能力喪失期間
    むち打ち症(頸椎捻挫)は、後遺障害の等級認定がされにくく、非該当となるケースが多い後遺症です。等級認定されても多くは14級で、12級に認定されるのは稀です。しかも、労働能力喪失期間は、14級が3~5年、12級で5~10年程度に制限されるのが通例です。そのため、後遺障害に対する損害賠償額が認められなかったり、認められても過少になる傾向があります。そもそも「むち打ち症」とは?むち打ち症は、自動車の追突や衝突、急停車などの衝撃によって、頸部がムチのように「しなる」ことで起る様々な症状で、正式な医学上の診断名ではなく、受傷機転(傷害を受けたきっかけ)を示す用語とされています。臨床的には病態が明らかになっていないのが実情で、交通事故後に「骨折や脱臼をともなわない頸椎部症状を引き起こしているもの」が、総じてむち打ち症とされています。診断書には、むち打ち損傷、むち打ち関連障害、頸椎捻挫、頸部損傷、頸部挫傷、頸部外傷、外傷性頸部症候群など様々な診断名が書かれ、統一した診断名はありません。自覚症状には、頭痛、頸部痛、頸部運動制限、上下肢のしびれ、首や肩のこり、めまい、吐き気、疲労感などがみられます。自覚症状が多いにもかかわらず、レントゲン撮影しても客観的な症状が分かりにくいため、後遺障害の等級認定されにくいのが、むち打ち症の特徴です。むち打ち症(むち打ち損傷)について詳しくはこちらむち打ち症の後遺障害等級は「12級13号」か「14級9号」むち打ち症の後遺障害等級は、「12級13号」もしくは「14級9号」の該当の有無が問題となる場合がほとんどです。むち打ち症で「11級」以上が認定されることはありません。「13級」には該当する後遺障害はありません。「12級13号」と「14級9号」の違い「12級13号」と「14級9号」がどのような後遺障害か、認定基準はどのようなものか、まとめておきます。等級後遺障害12級13号局部に頑固な神経症状を残すもの14級9号局部に神経症状を残すもの※自動車損害賠償保障法施行令「別表第二」より抜粋。等級認定基準12級13号他覚的所見によって医学的に証明される場合14級9号医学的に証明しうる精神神経学的症状は明らかでないが、頭痛、めまい、疲労感などの自覚症状が単なる故意の誇張でないと医学的に推定される場合非該当自覚症状に対して医学的に推定することが困難な場合、事故との因果関係がない場合※自賠責の後遺障害認定は、労災保険の『労災補償障害認定必携』に従ってなされます。むち打ち症の場合、よほどのことがない限り「12級」が認定されることはなく、認定されても多くは「14級」です。首が回らなかったり、絶えず頭痛に悩まされたりして、明らかに日常生活に多大な支障が出ていたとしても「14級」がほとんどで、後遺障害「非該当」とされることも珍しくありません。後遺障害等級「12級」と「14級」の違いは、神経症状が「頑固な」かどうかです。認定基準では、医学的に「証明される」か「推定される」かの違いです。12級13号が認定される要件「12級」の「他覚的所見によって医学的に証明される」というのは、レントゲンやCT、MRIなどから、傷みやしびれなどの症状が、何によって引き起こされているのかが医学的に証明できるということです。つまり、神経症状を引き起こしている物理的な損傷(器質的損傷)が存在し、画像所見として目に見える形で証明されなければ、「12級」認定は難しいということです。14級9号が認定される要件「14級」の「医学的に推定される」というのは、受傷状況、症状経過、治療経過、臨床所見などから、現在の自覚症状が医学的に説明が付くということです。画像から異常所見が認められず、後遺障害診断書で自覚症状を裏付ける客観的な医学的所見に乏しい場合、症状経過や治療経過を勘案して、将来においても回復が困難と認められれば「14級」が認定されます。認定基準の問題交通事故で骨折したことが原因で神経を圧迫し、痛みやしびれを生じさせているのであれば、骨折という器質的損傷が画像としても残されるので、「12級」認定の条件を満たします。しかし、骨折や脱臼などがない場合は、いくら本人の自覚症状を訴えても、目に見える形での器質的損傷がないので、認定されても「14級」どまり、場合によっては「非該当」ということになるのです。神経の損傷は画像には映りません。神経症状の認定要件として、器質的損傷や画像所見を要求すること自体、そもそも矛盾しています。むち打ち症の労働能力喪失期間は、なぜ制限されるのか?むち打ち症のような局部の神経症状の後遺障害(後遺障害等級の12級13号または14級9号)は、労働能力喪失期間が制限される傾向にあります。裁判でも同じです。神経症状の場合の労働能力喪失期間は、12級で5年~10年。14級だと5年以下とされることが多いようです。このように労働能力喪失期間が制限される理由として、訓練や慣れによって次第にその影響が緩和されていく、症状に永続性がない、などが言われます。ですが、神経症状といっても、その原因や症状は一律ではありません。神経症状12級で、喪失期間が就労可能年限の67歳まで認められた裁判例や、神経症状14級でも、喪失期間を5年以下に制限しなかった裁判例もあります。労働能力喪失期間は、被害者の症状とその原因、後遺障害等級、年齢、職業などから、個別に判断することが大切です。むち打ち症(12級13号・14級9号)の後遺障害逸失利益の計算例まとめむち打ち症の後遺障害等級認定は難しく、症状に見合った適正な等級認定を受けるためには、そのための準備が必要です。交通事故の損害賠償問題に詳しい弁護士に相談し、自賠責に異議申立てすることで、非該当とされた後遺障害が認定されたり、後遺障害等級が引き上げられたりする可能性があります。まずは、弁護士に相談してみることをおすすめします。交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 24時間受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでも無料相談のお申込みができます。公式サイトの無料相談受付フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※「加害者の方」や「物損のみ」の相談は受け付けていませんので、ご了承ください。
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  • むち打ち損傷の後遺障害
    むち打ち症の後遺障害12級13号・14級9号の認定基準と認定獲得のポイント
    むち打ち症は、他覚的所見に乏しいため、後遺障害等級の認定を受けるのに困難を伴います、後遺障害「非該当」となることもよくあります。ここでは、交通事故による「むち打ち症」で、12級13号ないし14級9号の後遺障害等級の認定を受けるために知っておきたいポイントについて、お伝えします。むち打ち損傷による後遺障害むち打ち損傷(頸部捻挫・外傷性頚部症候群)による後遺症は、末梢神経障害として取り扱われます。後遺障害等級は、「局部の神経系統の障害」として、12級13号ないし14級9号該当性が問題となります。自賠責保険における後遺障害の等級認定は、原則として労災保険における障害の等級認定の基準に準じて行うとされていますから、労災保険の障害認定基準を参照しながら見ていきます。末梢神経障害の等級認定は、次のように行います。末梢神経障害の等級認定末梢神経麻痺に係る等級の認定は、原則として、損傷を受けた神経の支配する身体各部の器官における機能障害に係る等級により認定することとなる。(『労災補償障害認定必携第17版』158ページ)例えば、こうです。聴神経を損傷して難聴が残存した場合は、聴力障害の等級を適用する。視神経を損傷して視力障害が残存した場合は、視力障害の等級を適用する。腕神経叢の損傷にともない上肢の関節機能障害が残存した場合は、上肢の機能障害の等級を適用する。(参考:『詳説 後遺障害 等級認定と逸失利益算定の実務』創耕舎30ページ)末梢神経障害は、損傷した神経の支配する「身体部位の機能障害」が生じている場合には、その器官の機能障害として後遺障害等級を評価しますが、身体部位の機能障害として独立して評価できない場合には、「局部の神経系統の障害」として取り扱われます。むち打ち損傷による後遺症は、たいてい、このケースに該当します。局部の神経系統の障害は、後遺障害等級表(自賠法施行令2条別表第2)において、12級13号ないし14級9号(労災保険の障害等級表では12級の12ないし14級の9)に分類されています。つまり、むち打ち損傷(外傷性頚部症候群)の後遺障害認定は、残存症状が「局部の神経系統の障害」に該当するか、該当する場合、14級となるか12級が認定されるかが焦点です。後遺障害等級12級13号と14級9号の認定基準の違いとは?では、「局部の神経系統の障害」の12級と14級の認定基準の違いは何か?後遺障害等級表(自賠法施行令2条別表第2)では、12級13号は「局部に頑固な神経症状を残すもの」、14級9号は「局部に神経症状を残すもの」と規定しています。等級後遺障害12級13号局部に頑固な神経症状を残すもの14級9号局部に神経症状を残すもの残存する神経症状が「頑固か、そうでないか」の違いですが、「頑固さの程度」に基準があって、12級か14級かが決まるわけではありません。自賠責保険の後遺障害等級12級13号ないし14級9号に該当するかどうかは、労災保険の障害等級認定基準に準じて判断します。後遺障害12級13号と14級9号の認定基準労災保険における「神経系統の機能または精神の障害」の認定基準では、12級は「通常の労務に服することはでき、職種制限も認められないが、時には労務に支障が生じる場合があるもの」、14級は「12級よりも軽度のもの」が該当するとされています(『労災補償障害認定必携第17版』141ページ)。これを、自賠責保険の後遺障害等級表に当てはめると、こうなります。等級後遺障害の程度認定基準12級13号局部に頑固な神経症状を残すもの通常の労務に服することはでき、職種制限も認められないが、時には労務に支障が生じる場合があるもの14級9号局部に神経症状を残すもの第12級より軽度なもの労災保険の障害認定基準は、労働災害を前提としたものですから、補償の対象は労働者であり、労務への支障の有無や程度が認定基準の中心となっています。自賠責保険の後遺障害認定の対象となる被害者は、労働者だけでなく、老若男女すべての属性の人が対象となり得ます。したがって、ここでいう「労務」には、家事や就学といった賃金を得る目的以外のものも当然に含まれます(『後遺障害入門』青林書院170ページ)。12級は「労務への支障」が判断の基準とされていますが、抽象的です。14級は「12級より軽度なもの」とあるだけで、何について、どれほど軽度であるか不明です。判断要素が、客観的に明確でありません。それでは、自賠責保険(正確には損害保険料率算出機構)では、むち打ち損傷による後遺症が、後遺障害等級12級13号ないし14級9号に該当するか否かを、どう判断しているのでしょうか?実は、現行の障害認定基準には明記していない大原則があります。それは、12級は「障害の存在が医学的に証明できるもの」、14級は「障害の存在が医学的に説明可能なもの」という判断基準です。後遺障害12級と14級の認定基準(改正前後の比較)労災保険の障害等級認定基準は、平成15年(2003年)に大幅な改正が行われました。平成15年8月8日に厚生労働省労働基準局長通知「神経系統の機能又は精神の障害に関する障害等級認定基準について」として公表され、その後、数次の改正を経て現行に至っています。平成15年の改正で「神経系統の機能または精神の障害に関する障害等級認定基準」がどう変わったのか、12級と14級の関係部分をピックアップし、改正前後の認定基準を比べてみます。労災保険の障害等級「12級の12」「14級の9」は、自賠責保険の後遺障害等級「12級13号」「14級9号」に相当します。障害等級認定の基準「神経系統の機能または精神の障害」の等級認定の基準は、次の通りです。改正前改正後第12級他覚的に神経系統の障害が証明されるもの通常の労務に服することはでき、職種制限も認められないが、時には労務に支障が生じる場合があるもの第14級第12級よりも軽度のもの第12級よりも軽度のもの改正前の等級認定基準では、「他覚的に証明されるもの」が、第12級に該当するとされていました。末梢神経障害末梢神経障害の等級認定の仕方については、認定基準の改正前後において基本的に変わっていません。いずれも「損傷を受けた神経の支配する身体各部の器官における機能障害に係る等級」によるとされています。改正前改正後根性及び末梢神経障害 根性及び末梢神経麻痺に係る等級の認定は、原則として、損傷を受けた神経の支配する身体各部の器官における機能障害に係る等級を準用すること。末梢神経障害 末梢神経麻痺に係る等級の認定は、原則として、損傷を受けた神経の支配する身体各部の器官における機能障害に係る等級により認定すること。中枢神経系(脳)の障害中枢神経系(脳)の障害については、MRI・CT等の画像診断技術の進歩や最新の医学的知見もふまえ、次のように説明が変わっています。等級改正前改正後12級の12労働には通常差し支えないが、医学的に証明しうる神経系統の機能又は精神の障害を残すもの 中枢神経系の障害であって、たとえば、感覚障害、錐体路症状及び錐体外路症状を伴わない軽度の麻痺、気脳撮影により証明される軽度の脳萎縮、脳波の軽度の異常所見等を残しているものが、これに該当する。 なお、自覚症状が軽い場合であっても、これらの異常所見が認められるものは、これに該当する。通常労務に服することはできるが、高次脳機能障害のため、多少の障害を残すもの 4能力のいずれか1つ以上の能力が多少失われているものが該当する。14級の9労働には通常差し支えないが、医学的に可能な神経系統又は精神の障害に係る所見があると認められるもの 医学的に証明しうる精神神経学的症状は明らかではないが、頭痛、めまい、疲労感などの自覚症状が単なる故意の誇張ではないと医学的に推定されるものが、これに該当する。通常労務に服することはできるが、高次脳機能障害のため、軽微な障害を残すもの MRI、CT等による他覚的所見は認められないものの、脳損傷のあることが医学的にみて合理的に推測でき、高次脳機能障害のためわずかな能力喪失が認められるものが該当する。※4能力とは、①意思疎通能力、②問題解決能力、③作業負荷に対する持続力・持久力、④社会行動能力の4つです。改正後の12級の12の認定基準では、MRIやCT等による他覚的所見についての記述はありませんが、実は、脳の器質性障害の認定について説明している前段部分に、「高次脳機能障害は、脳の器質的病変に基づくものであることから、MRI、CT等によりその存在が認められることが必要となる」とあります(『労災補償障害認定必携』142ページ)。つまり、高次脳機能障害について後遺障害等級の認定をする場合、MRI・CT等によりその存在が認められることが前提であって、例外的にMRI・CT等による他覚的所見が認められない場合でも、脳損傷のあることが医学的にみて合理的に推測できるときは、14級該当性の評価対象となるということです。「医学的(他覚的)に証明できるもの」が12級に該当し、「医学的に説明可能なもの」「医学的に証明はできないが、自覚症状が単なる故意の誇張ではないと医学的に推定されるもの」「他覚的所見は認められないが、損傷のあることが医学的にみて合理的に推測できるもの」が14級に該当します。ちなみに、認定基準の見直しを行った専門検討会の報告書には、高次脳機能障害の評価について、次のような記載があります。本検討会としては、後遺障害として労働能力のそう失を伴うと認められる高次脳機能障害についても上記の各障害等級に区分して評価することが妥当であり、また、上記の各障害等級に相当する障害の程度は、以下のとおりとするのが適当であると考える。……(第1級~第9級)……第12級 MRI、CT等により他覚的に証明される軽度の脳挫傷、脳出血等又は脳波の軽度の異常所見が認められるものであって、4能力のいずれか1つ以上の能力が「困難はあるが概ね自力でできる」に該当すると認められるものが該当する。第14級 MRI、CT、脳波等によっては、脳の器質的病変は明らかではないが、頭部打撲等の存在が確認され、脳損傷が合理的に推測されるものであって、4能力のいずれか1つ以上の能力が「困難はあるが概ね自力でできる」又は「多少の困難はあるが概ね自力でできる」ような状態に該当するものが該当する。この内容によれば、12級は「MRI、CT等により他覚的に証明される異常所見がみとめられるもの」であり、14級は「MRI、CT等により他覚的に確認はできないが、頭部打撲等の存在が確認され、脳損傷が合理的に推測されるもの」です。この判断基準は、他の神経症状の認定基準としても妥当すると考えられています(『後遺障害の認定と意義申立ーむち打ち損傷事案を中心としてー』保険毎日新聞社29ページ)。頭痛頭痛については、改正後の認定基準において、「頭痛については、頭痛の型の如何にかかわらず、疼痛による労働または日常生活上の支障の程度を疼痛の部位、性状、強度、頻度、持続時間及び日内変動並びに疼痛の原因となる他覚的所見により把握し、障害等級を認定すること」という文言が、新たに加えられています。等級改正前改正後12級の12労働には通常差し支えないが、時には労働に差し支える程度の強い頭痛がおこるもの通常の労務に服することはできるが、時には労働に差し支える程度の強い頭痛がおこるもの14級の9労働には差し支えないが、頭痛が頻回に発現しやすくなったもの通常の労務に服することはできるが、頭痛が頻回に発現しやすくなったもの失調、めまい及び平衡機能障害失調、めまい及び平衡機能障害については、改正後の認定基準において、「失調、めまい及び平衡機能障害については、その原因となる障害部位によって分けることが困難であるので、総合的に認定基準に従って障害等級を認定すること」という文言が加えられました。等級改正前改正後12級の12労働には通常差し支えないが、眼振その他平衡機能検査の結果に異常所見が認められるもの通常の労務に服することはできるが、めまいの自覚症状があり、かつ、眼振その他平衡機能検査の結果に異常所見が認められるもの14級の9めまいの自覚症状はあるが、他覚的には眼振その他平衡機能検査の結果に異常所見が認められないもので単なる故意の誇張でないと医学的に推定されるものめまいの自覚症状はあるが、眼振その他平衡機能検査の結果に異常所見が認められないものの、めまいのあることが医学的にみて合理的に推測できるもの「検査の結果に異常所見が認められるもの」が12級に該当し、「他覚的には異常所見が認められないが、自覚症状が単なる故意の誇張でないと医学的に推定されるもの」「検査の結果に異常所見が認められないが、症状の存在が医学的にみて合理的に推測できるもの」が14級に該当します。疼痛等感覚障害受傷部位の疼痛については次により認定し、疼痛以外の異常感覚(蟻走感、感覚脱失等)が発現した場合は、その範囲が広いものに限り、14級の9に認定するとしています。等級改正前改正後12級の12労働には通常差し支えないが、時には強度の疼痛のため、ある程度差し支えがあるもの通常の労務に服することはできるが、時には強度の疼痛のため、ある程度差し支えがあるもの14級の9労働には差し支えないが、受傷部位にほとんど常時疼痛を残すもの通常の労務に服することはできるが、受傷部位にほとんど常時疼痛を残すもの12級と14級の認定要件このように「局部の神経系統の後遺障害」の認定においては、現行の認定基準と従前の認定基準に文言上の相違がありますが、文言が変わったからといって、12級と14級の認定要件が変更されたというわけではなく、実務上は従来と同様に取り扱われています(『後遺障害の認定と意義申立ーむち打ち損傷事案を中心としてー』保険毎日新聞社29ページ)。すなわち、自賠責保険実務において、現在も、12級は「障害の存在が医学的に証明できるもの」、14級は「障害の存在が医学的に説明可能なもの」という考え方が採用されているのです(『改訂版 後遺障害等級認定と裁判実務』新日本法規289ページ)。12級13号・14級9号を獲得するためのポイント「医学的に証明できる」と「医学的に説明可能」はどう違うのか、さらに、12級13号ないし14級9号の認定を獲得するためのポイントについて、見ていきましょう。12級13号の認定基準と認定獲得における注意点後遺障害12級13号は「局部に頑固な神経症状を残すもの」が該当し、等級認定には、神経系統の障害を医学的(他覚的)に証明できることが必要です。他覚的に証明できなければなりませんから、当然、他覚的所見が不可欠です。「医学的(他覚的)に証明できる」とは?痛みや痺れなどの症状は、あくまで神経系統の障害による結果であって、神経系統の障害そのものではありません。神経系統の障害が証明されるということは、症状の原因となる神経組織・機能の異常の存在が証明されることです。例えば、「症状は、頸椎の神経根症によるもの」ということが、神経系統の障害の存在の証明に当たります(『新・現代損害賠償法講座5交通事故』日本評論社158ページ)。つまり、「医学的(他覚的)に証明できる」とは、残存している症状の原因が何か、他覚的所見にもとづいて判断できるということです。ここで重要なのは、他覚的所見の捉え方です。「画像所見」=「他覚的所見」ではないよくある誤解が、画像所見のみを他覚的所見と捉え、画像検査において異常が確認できれば、医学的(他覚的)に証明されたとするものです。もちろん、他覚的所見には画像所見を含みますが、画像所見だけが他覚的所見ではありません。他覚的所見とは、理学的検査、神経学的検査、臨床検査、画像検査等により認められる異常所見です。他覚的所見について詳しくはこちらをご覧ください。むち打ち症で、後遺障害認定の根拠となるのは、おもに画像所見と神経学的検査所見です。XP、CT、MRI等の画像検査は、患者の意思と無関係に結果が得られるので客観性が高く、神経学的検査は、検査結果が患者の意思に左右されうるため客観性が低いと評価されます。そのため、画像所見のみを他覚的所見と評価し、「医学的(他覚的)に証明できる」ことの意味を「画像で明らかになること」と考えてしまうのです。確かに、画像所見は、症状の存在を裏付ける有力な根拠となり得ますが、異常画像が確認されたからといって、それだけで「医学的(他覚的)に証明された」とはいえません。この点に注意が必要です。他覚的証明に必要なこと医学的(他覚的)に証明できるかどうかにおいては、「どのような検査が他覚的なのか、そうではないのか」ではなく、自覚症状を裏付けるため、どのような検査所見が、どういう具合にそろっているかが大事といわれます(『改訂版 後遺障害等級認定と裁判実務』新日本法規290ページ)例えば、神経根症状型であれば、画像上、神経圧迫の存在が考えられる所見があり、圧迫されている神経の支配領域に知覚障害などの神経学的異常所見が確認された場合には、神経障害が医学的(他覚的)に証明されたとして、12級13号と認定されやすくなります。しかし、画像所見があっても、画像所見において圧迫されていることが疑われる神経の支配領域と神経学的異常所見が一致しないと、神経障害が他覚的に証明されたとはいえません。もっとも、画像上の異常所見がない場合には、たとえ神経学的検査で異常所見が認められたとしても、神経障害が他覚的に証明されたということは困難です。すなわち、局部の神経系統の障害について「他覚的に証明された」といえるためには、他覚的所見として画像所見は必須ですが、画像所見さえあれば十分というわけではなく、画像所見と整合性のある神経学的検査所見が不可欠です。大事なのは、①自覚症状、②神経学的所見、③画像所見の整合性です。むち打ち症で12級13号を獲得するポイント残存する「頑固な神経症状」の原因を、画像所見と神経学的所見により整合性をもって裏付けることができれば、局部の神経系統の障害の存在を他覚的に証明できたといえ、12級13号の認定に近づきます。加えて、後遺障害の認定には、残存症状が事故による受傷を原因とすること(事故との因果関係)の立証が不可欠であることはいうまでもありません。14級9号の認定基準と認定獲得における注意点後遺障害14級9号は「局部に神経症状を残すもの」が該当し、等級認定には、障害の存在を他覚的に証明はできないが医学的に説明可能であること、あるいは、自覚症状が故意の誇張でないと医学的に推定されること、が要件です。「医学的に説明可能」とは?14級9号の認定には、必ずしも画像所見や神経学的検査所見などの他覚的所見は必要ありません。自覚症状を裏付ける他覚的所見がない場合には、14級9号の認定をねらうことになります。受傷状況・治療経過・臨床所見などから、事故による受傷と残存症状に整合性が認められる(=神経症状の存在を医学的に合理的に説明可能である)場合や、症状の一貫性・治療の継続性などから、神経症状が残存していても不自然でないと推測できる(=自覚症状が故意の誇張でないと医学的に推定される)場合は、14級9号が認定される可能性があります。14級の認定には、必ずしも画像所見や神経学的検査所見などの他覚所見を必要としない取扱いがされていますが、次のような指摘もあり、14級といえども、むち打ち症で後遺障害の認定獲得は簡単ではないのが実情です。自賠責保険を管轄する自動車保険料率算定会(現在の損害保険料率算出機構)の方から伺ったところでは、他覚的所見がなくても、被害者の愁訴が神経の流れに沿って合理的な内容であれば14級に認定する、とのことであった。しかし、一線の損害調査事務所において、そのような認定がなされているかは、はなはだ疑問というのが実感である。(北河隆之「いわゆる鞭打ち症に関する賠償医学的アプロウチに対する批判的検討」『人身賠償・補償研究第2巻』判例タイムズ社152ページ注7)14級9号認定のポイント14級9号の認定獲得のポイントは、医学的に見て、後遺症が残存していても「おかしくはない」と説明できる要素をそろえることです。症状を医学的に説明できる他覚的所見の存在画像所見や神経学的検査所見に、自覚症状があっても不自然でないといえる程度の所見がある場合には、14級9号の認定に近づきます。例えば、神経根症状型については、画像所見において明らかな神経圧迫の存在は認められないが、頸椎椎間板の膨隆等による神経圧迫を示唆する程度の画像所見があり、神経学的検査所見において、神経症状を示す異常所見が得られている場合には、14級9号に認定されやすいといえます。症状の一貫性・治療の継続性自覚症状が一貫して訴えられており、症状に対する適切な治療を症状固定まで継続して受けていたか、がポイントです。事故直後の症状、その後の症状の推移、治療内容、治療期間、治療頻度などにより、症状の一貫性・治療の継続性が認められれば、14級9号認定の要素となります。例えば、症状が受傷数日以内に発症して、症状固定まで一貫して持続し、それに対する治療が継続されていれば、その症状が事故による外傷を原因とするものであることは比較的明らかです。他方、事故後数週間を経過してから症状が現われた場合や、治療中いったん軽快した後に再び症状が増悪したような場合には、症状と事故との因果関係の認定が難しくなります。受傷態様事故により「後遺障害が残存するほどのダメージを受けた」ということを、実況見分調書や事故状況報告書、物損資料などにもとづき立証することができれば、14級9号認定の要素となります。事故の発生状況は、受傷の妥当性の判断要素となります。受傷自体が疑問視されるような軽微事故の場合には、自覚症状と事故との因果関係が問題となるケースも少なくありません。まとめ12級13号の獲得には、後遺障害の存在を医学的(他覚的)に証明できなければなりませんから、他覚的所見が不可欠です。むち打ち症の場合、おもに画像所見と神経学的検査所見が必要となります。大切なのは、自覚症状を裏付ける画像所見と神経学的所見の整合性です。なお、他覚的所見が存在し、医学的に証明できるとしても、事故との因果関係が否定されることも多いので注意が必要です。14級9号の獲得をめざすようなケースの場合には、他覚的所見がなく、自覚症状のみであることがほとんどです。こういう場合は、各要素を駆使して、医学的に説明可能であることを立証しなければなりません。当然、事案ごとに、どんな資料が有効であるか変わってきます。有利な事実・資料を見逃さずに用いることが重要です。むち打ち損傷(頸椎捻挫・外傷性頚部症候群)による後遺障害は、保険会社との間でよく争いになりやすいところです。むち打ち損傷による後遺症が心配な方、むち打ち症の後遺障害で保険会社と揉めている方は、交通事故の損害賠償に詳しい弁護士に相談してみることをおすすめします。交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 24時間受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでも無料相談のお申込みができます。公式サイトの無料相談受付フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※「加害者の方」や「物損のみ」の相談は受け付けていませんので、ご了承ください。【参考文献】・『交通事故医療法入門』勁草書房135~140ページ・『改訂版 後遺障害等級認定と裁判実務』新日本法規 287~319ページ・『裁判例と自賠責認定にみる神経症じぃおうの等級評価』新日本法規 1~9ページ・『交通事故における むち打ち損傷問題 第3版』保険毎日新聞社 190~194ページ・『後遺障害入門』青林書院 169~174ページ・『三訂版 交通事故実務マニュアル』ぎょうせい 179~180ページ・『詳説 後遺障害』創耕舎 29~31ページ・『賠償科学概説』民事法研究会 116~120ページ、130~137ページ・『新・現代損害賠償法講座5交通事故』日本評論社 155~164ページ・『交通事故案件対応のベストプラクティス』中央経済社91~117ページ・『弁護士のための後遺障害の実務』学陽書房24~32ページ・『労災補償障害認定必携 第17版』一般財団法人労災サポートセンター 137~163ページ
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