交通事故トラブル解決ガイド|損害賠償請求・示談交渉の悩みを解決!

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「 治療費 」の検索結果
  • 治療費の支払い義務
    交通事故で病院にかかったとき治療費の支払い義務は誰にある?
    交通事故の治療費は、加害者が加入している任意保険会社が、病院に直接支払うのが一般的です。被害者は、実際に治療費を支払うことなく、治療を受けられます。そのため、交通事故の場合の治療費は「病院と保険会社との間の問題」と誤解していることが多いようです。この誤解から、トラブルに発展することも少なくありません。交通事故で病院にかかったとき、その治療費は、本来、誰が支払わなければならないのでしょうか?病院に治療費の支払い義務があるのは?「交通事故の治療費は、加害者の側が支払うのが当然!」と思いますよね?もちろん、治療にかかった費用は、加害者の側が賠償すべきものです。だからといって、病院への支払い義務が加害者にあるわけではありません。病院への治療費の支払い義務は、患者である被害者自身にあります。病院での治療は、病院と患者の「診療契約」にもとづいて行われるからです。加害者の側に生じるのは、病院に対する治療費の支払い義務でなく、被害者が治療費を支払ったことによって生じた損害の賠償責任です。本来の治療費の支払いと損害賠償の流れ交通事故の損害賠償の手続には、被害者の救済と迅速な解決のため、「例外的な取扱い」がいくつかあります。その1つが、加害者側の保険会社による治療費の直接支払いです。例外的な取扱いが、いまでは「標準」となっているのです。本来、交通事故における治療費と損害賠償の請求・支払いは、こういう流れになります。①治療費の請求・支払い病院が、患者(=被害者)に対して治療費を請求する患者(=被害者)が、治療費を病院に支払う②損害賠償額の請求・支払い被害者が加害者に、治療にかかった費用を請求する加害者が被害者に、治療費相当額を支払う③損害保険金の請求・支払い加害者が、自分の加入する自賠責保険と任意自動車保険に対し保険金の支払いを請求する保険会社が、加害者(=被保険者)に保険金を支払う※ 交通事故で損害賠償の対象となるものには、逸失利益や慰謝料などもありますが、ここでは治療費のみを考えます。被害者は、病院で治療を受けて治療費を支払います。治療が終了し、損害額が確定したら、加害者側に損害の賠償を請求します。加害者は、損害賠償額を支払い、自分の加入している自動車保険に保険金の支払いを請求します。保険会社は、被保険者である加害者に保険金を支払います。これが、本来の治療費の支払いと損害賠償の流れです。保険会社が治療費を病院に直接支払うのは、この過程を短縮し、被害者の早期救済と迅速な解決を図るためです。いまでは、保険会社による治療費の直接支払いが一般化していますが、本来の損害賠償の手続からすると、あくまでも「例外的な取扱い」なのです。治療は、患者と病院との診療契約そもそも病院での治療は、患者と病院との診療契約にもとづいて行われます。普段、契約などといった難しいことを考えることなく、病院の窓口で健康保険証を提出して診療してもらっているでしょうが、そこには診療契約が成立しているのです。交通事故の場合も同じです。保険診療か自由診療かの違いはありますが、保険診療であれ自由診療であれ、病院で治療を受けるときには、診療契約が成立します。診療契約の法的性質診療契約の法的性質は、症状の医学的解明とともに、その適切な治療を目的とする準委任契約と解されています。準委任は、民法で次のように規定しています。民法(委任)第643条 委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。(準委任)第656条 この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する。診療契約の法的性質については、準委任契約と解するほか、請負契約説、請負と準委任の混合した混合契約説、事務管理説などもあります。しかし、診療は、診断、投薬、手術、そのほかの治療といった総合的な行為全体を含むので、仕事の完成を目的とする請負には馴染みにくいし、事務管理も診療の一場面を示すにすぎません。そのため、「患者の病的症状の医学的解明とともに、その適切な治療を目的とする準委任契約」と解するのが一般的です。(参考:『交通事故における医療費・施術費問題[第3版]』保険毎日新聞社 4ページ)診療契約の当事者診療契約の当事者は、病院と患者です。したがって、病院に治療費(診療報酬)の支払い義務があるのは、患者である被害者となります。加害者の加害行為により生じた傷病の治療であっても、加害者は診療契約の当事者ではなく、診療契約の当事者となるのは、患者である被害者なのです。保険会社による治療費の支払いは「サービス」加害者が任意自動車保険(対人賠償責任保険)に加入していれば、保険会社が治療費を病院に直接支払うのが一般的ですが、これは、保険会社による「サービス」にすぎず、契約にもとづくものではありません。そのため、保険会社が治療費を病院に支払ってくれない場合は、被害者が病院に治療費を支払わざるを得ません。治療費の支払いが困難なとき加害者側の保険会社が治療費を支払ってくれず、被害者が自分で治療費を支払うとなると、たとえ健康保険を使って治療するとしても、治療費の支払いが困難であったり、治療費の支払いが生活費を圧迫することもあるでしょう。そんなときは、いくつか対処方法があります。例えば、相手方の自賠責保険に被害者請求(直接請求)や仮渡金請求をする方法です。これまで保険会社が支払っていたのに、突然治療費の支払い打ち切りを言われたような場合は、交渉により引き続き支払いを継続してもらえる場合もあります。自賠責保険への請求は、被害者自身で行うことも可能ですが、交通事故に遭ってお困りのときは、交通事故に詳しい弁護士に一度相談してみるとよいでしょう。【相談無料】交通事故に詳しい弁護士はこちらまとめ交通事故の治療費は、たいてい加害者側の保険会社が、病院に直接支払っていますが、そもそも病院への治療費の支払い義務があるのは、患者である被害者自身です。治療は、病院と患者(=被害者)との診療契約だからです。加害者や保険会社は、診療契約の当事者ではありません。もちろん、加害者側には、損害賠償の責任があります。相手方の保険会社が治療費を支払ってくれず、治療費の支払いでお困りのときは、交通事故の損害賠償に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 24時間受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでも無料相談のお申込みができます。公式サイトの無料相談受付フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※「加害者の方」や「物損のみ」の相談は受け付けていませんので、ご了承ください。【参考文献】・『交通事故における医療費・施術費問題[第3版]』保険毎日新聞社 4~24ページ・『実例と経験談から学ぶ 資料・証拠の調査と収集―交通事故編―』第一法規 77ページ
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  • 過剰診療・濃厚診療・高額診療の治療費は被害者の負担になる
    交通事故による怪我の治療費は、実費を加害者側(相手方の保険会社)に請求できますが、保険会社から、過剰診療・濃厚診療・高額診療として、治療費の支払いを拒否されることがありますから、注意が必要です。ここでは、過剰診療・濃厚診療・高額診療とはどんな診療のことか、交通事故診療の妥当な診療費水準とはどれくらいか、についてまとめています。過剰診療・濃厚診療・高額診療とは?過剰診療・濃厚診療・高額診療とは、次のような診療です。過剰診療受傷の程度に比べ、医学的に必要性・相当性が認められない診療療行為濃厚診療受傷の程度に比べ、必要以上に丁寧な診療行為高額診療診療行為に対する報酬額が、社会一般の診療費水準に比べて著しく高額治療費は「必要かつ相当な実費」が賠償対象治療費は、必要かつ相当な実費全額が賠償の対象です。注意が必要なのは、単に治療を行い、治療費を支出したというだけでなく、その治療が事故と因果関係があり、治療費として妥当な金額であることです。必要性・相当性が認められなければ、過剰診療・濃厚診療・高額診療とみなされ、治療費は支払われません。必要性・相当性は、請求する被害者の側に立証責任があります。事故と相当因果関係のある損害か否かは、法的な判断です。もちろん、医師の判断や診療行為は尊重されますが、医師が必要と判断した治療費であっても、当然に必要性・相当性が認められるわけではありません。必要性・相当性が争いになったときは、最終的には裁判所が判断することになります。過剰診療・濃厚診療・高額診療が問題となるケースとは?過剰診療・濃厚診療・高額診療の問題は、交通事故被害者の多くが、遭遇する可能性があります。過剰診療・濃厚診療が問題となるケース過剰診療・濃厚診療が問題となるのは、多くは、頸椎捻挫や腰椎捻挫といった他覚所見に乏しい傷病で、治療期間が長期化する場合です。むち打ち症で治療中に、保険会社から治療費を打ち切られるのが代表例です。特に、整骨院や接骨院は、濃厚・過剰な施術とみなされやすい傾向があります。整骨院や接骨院に通う場合は、医師の指示のもとに通い、定期的に医師の診察を受けておかないと、必要性・相当性がないと判断されやすいので注意が必要です。高額診療が問題となるケース高額診療が問題となるのは、自由診療報酬についての1点単価が高い場合です。診療単価が1点25円を超えるような場合は、問題となることがあります。健康保険を使って治療すれば、高額診療として支払いを拒否されるリスクはありませんが、健康保険の使用にはデメリットもあるので、慎重に判断する必要があります。任意一括払いでも、後から必要性・相当性が問題となる任意一括払いで相手方の任意保険会社が治療費を支払っていたとしても、安心はできません。保険会社が治療費として支払ったものは、確定というわけでなく、内払い・仮払いに過ぎません。後で損害賠償額を確定する示談交渉のときに、治療費の必要性・相当性が争いになることは珍しくないのです。示談や裁判で損害賠償額が確定し、賠償すべき治療費の額を超えて病院に支払っていた場合は、その金額は保険会社からすれば過払いですから、既払金として全体の損害賠償額で清算されます。このように、任意一括払いで、任意保険会社が治療費を支払っていても、あとで過剰診療・濃厚診療・高額診療が問題となることはありますから、注意が必要です。過剰診療・濃厚診療・高額診療が生じる理由なぜ、過剰診療・濃厚診療・高額診療の問題が生じるのかというと、①交通事故診療は自由診療が原則で、②診療契約は医療機関と患者との間でなされるのに、③治療費は加害者側の任意自動車保険会社が負担する、という事情が背景にあります。被害者は、治療費を気にすることなく、医師が必要と判断した治療を受けることができます。普段なら、健康保険を使うにしても3割の自己負担がありますから、慎重に判断する検査や治療でも、交通事故の場合は、相手の保険会社が治療費を支払いますから、「この際せっかくだから」と、簡単に決めてしまいがちです。また、医療機関によっては、自動車事故の治療は自由診療だからという理由だけで、治療内容にかかわらず、健康保険の2~3倍の診療報酬を請求する場合があります。一方で、治療費を支払う保険会社は、治療費の妥当性を問題とします。保険会社が治療費を支払うのは、加害者(保険会社にとっては保険契約者や被保険者)の損害賠償を補償するためですから、損害賠償として必要かつ相当な金額を超える治療費は、支払う義務がないのです。こうして、過剰診療・濃厚診療・高額診療の問題が生じるのです。交通事故診療の「妥当な診療費の水準」とは?交通事故診療は自由診療ですから、統一された診療報酬基準はありません。それでは、「妥当な治療費の水準」はどの程度なのか、裁判例をもとに考えてみましょう。裁判では、健康保険の診療単価(1点=10円)を一応の基準とし、修正すべき事情があれば1点10円を超える単価を認める、というのが一般的な考え方です。修正すべき事情とは、患者と医療機関との間で診療報酬について合意が存在する場合患者が重篤で緊急性を有する場合高度・困難・先進技術を用いた治療の場合などです。このうち、緊急性を有する場合や高度な治療の場合は、保険会社も、高額診療として治療費の支払いを拒否することは滅多にありません。よく問題となるのは、比較的軽傷で治療期間が長期化する場合です。裁判例を具体的に見ていきましょう。①患者と医療機関との間で診療報酬について合意のない場合の裁判例、②合意のある場合の裁判例、③合意の有無にかかわらず健康保険診療単価を基準とするとした裁判例、を紹介します。①診療報酬の合意がない場合自由診療における診療報酬について、患者と医療機関との間で合意がない場合は、健康保険の診療報酬体系(1点=10円)を基準とするとした裁判例があります。「1点10円判決」と呼ばれ、後の裁判や医師会の対応に大きな影響を与えたとされる東京地裁判決(平成元年3月14日)です。診療報酬について患者と医療機関との間に合意が存在しない中で、過剰診療・高額診療が行われたとして、保険会社が、すでに支払った治療費のうち過剰・高額の部分について、医療機関に対し不当利得の返還を求めた事案です。判決では、過剰・高額診療部分について、薬剤料については1点10円とし、その他の医療費については1点10円50銭としました。50銭の加算は、自由診療の診療報酬には社会保険診療のような税法上の特別措置が適用されないことを考慮したものです。判決は、診療における医師の一定の裁量を認めつつ、次のように指摘しました。東京地裁判決(平成元年3月14日)自由診療において…医師が、特段の制約を受けずに診療行為を行えるからといって、一方的意思表示により自由に診療報酬額を決定し得るものではなく、診療報酬額は、社会通念に従った合理的なものであることが必要である。保険診療でも治療しうる傷害に対する診療報酬額が、保険診療でなく自由診療によるという形をとることのみによって高額化するのは、合理性を欠くものというべきであり、保険診療の場合と自由診療の場合の診療報酬額を異にすべきことを根拠付けるには、診療行為の内容の違い等その実質的差異を合理的に説明しうる事情が必要であるといわなければならない。健康保険法の診療報酬体系には、一般の診療報酬を算定する基準としての合理性も存するのであって、自由診療における診療報酬についての合意を欠く場合の診療報酬額についても、健康保険法の診療報酬体系を基準とし、かつ、ほかにこれを修正すべき合理的な事情が認められる場合には、当該事情を考慮し、右基準にそれらに即応した修正を加えて、相当な診療報酬額を決定するのが相当というべきである。(参考:「判例タイムズ№691」51~93ページ)②診療報酬の合意がある場合患者と医療機関との間で、診療報酬について合意がある場合は、社会通念に照らして極端に高額な単価でなければ、診療単価そのものは許容されますが、その診療単価が認められる治療期間は、合理的な期間に制限されるとした裁判例があります。たとえ自由診療で、診療報酬について患者と医療機関とで合意があったとしても、その合意の効力が無制限に認められるわけではありません。横浜地裁判決(平成14年10月28日)診療単価1点25円で患者の同意がある場合について、裁判所は、事故から4ヵ月間は1点25円を認めましたが、4ヵ月経過以降は、緊急性を要する事情や治療内容が特に高度・困難な事情はなく、1点25円とする合理的事情がないため、1点20円で計算すべきとしました。(参考:交通事故賠償研究会編集『交通事故診療と損害賠償実務の交錯』創耕舎 56ページ)③診療報酬の合意の有無にかかわらず1点10円交通事故診療(自由診療)において、患者と医療機関との診療報酬に関する合意の有無にかかわらず、1点10円が妥当とした裁判例があります。頸椎捻挫等の治療を受けた被害者が原告となり、医療機関が1点25円で治療費を算定していることを前提に、加害者に対し損害賠償請求訴訟を提起した事案です。医療機関が原告側に補助参加しました。これ以前の1点10円を妥当とした裁判は、患者と医療機関との間に自由診療における診療報酬額について合意が存在しない中で、一括払いをした任意保険会社から医療機関に対する不当利得返還請求訴訟でした。それに対し、この判決は、診療報酬について患者と医療機関との間で合意が存在した中で、被害者からの損害賠償請求訴訟について、1点10円を妥当と判断したのです。東京地裁の民事交通専門部の判断であることからも注目されています。判決のポイントを紹介します。東京地裁判決(平成25年8月6日)まず、基本的な考え方についてです。治療内容の選択と実施については、医師の判断を尊重し、医師に一定の裁量を認めることが相当であり、明らかに不合理で医師の裁量の範囲を超えると認められる場合でない限り、必要性・相当性を欠く過剰診療・濃厚診療とすることはできない。加害者が被害者に賠償すべき治療費の額については、事故と相当因果関係があると認められる範囲に限られ、治療費の算定については、治療内容の選択と実施のように医師や病院の裁量に委ねられるものとすることはできない。被害者が病院との間で一定の算定方法により算定された額の治療費を支払う旨の合意をしたとしても、加害者は当該合意に拘束されるものではないから、相当な範囲を超える治療費については賠償責任を負わない。その上で、次のように指摘しました。本件事故により負った頸椎捻挫の傷害は、治療経過や治療内容からみても、特に高い専門知識や技術を要する治療がされたわけでなく、頸椎捻挫に対する一般的な治療の域を出るものではないから、健康保険に基づく治療の範囲により実施することも十分可能だった。健康保険に基づく治療の範囲により治療を実施することも十分可能だったと認められるときは、賠償すべき相当な治療費の額を判断するうえで、健康保険の診療報酬体系による算定方法が一応の基準となる。健康保険の診療報酬体系における診療単価を修正すべき事情もない。以上のことから、賠償すべき本件事故と相当因果関係のある治療費を算定するにあたっては、1点単価を10円とすべきである、としました。(参考:最新青林法律相談12『損害保険の法律相談Ⅰ〈自動車保険〉』青林書院 72~74ページ)示談で解決する場合の治療費の水準裁判によらない場合、すなわち示談で解決する場合は、自賠責診療費算定基準にもとづき、1点20円程度で診療報酬を算定するのが一般的です。自賠責診療費算定基準は、損保会社側と医師会が合意した交通事故診療における診療報酬の算定基準です。強制力はありませんが、自賠責診療費算定基準にもとづき治療費を計算すると、保険会社が、高額診療を理由に治療費の支払いを拒否するリスクは低くなります。まとめ交通事故診療(自由診療)の診療報酬については、患者である被害者と医療機関との診療契約で決まりますが、治療費を支払うのは相手方保険会社ですから、保険会社が過剰診療・濃厚診療・高額診療とみなすと、治療費の支払いを拒否する場合があります。保険会社が支払わない治療費は、被害者の負担となりますから、過剰診療・濃厚診療・高額診療とならないよう注意が必要です。むち打ち症で治療期間が長期化しそうなときは、早めに弁護士に相談しながら治療を受けると安心です。過剰診療・濃厚診療・高額診療として治療費の支払いを保険会社から受けられないときは、交通事故の損害賠償に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 24時間受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでも無料相談のお申込みができます。公式サイトの無料相談受付フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※「加害者の方」や「物損のみ」の相談は受け付けていませんので、ご了承ください。【参考文献】・伊藤文夫・丸山一朗・末次弘明『損害保険の法律相談Ⅰ<自動車保険>』青林書院 66~74ページ・交通事故賠償研究会編集『交通事故診療と損害賠償実務の交錯』創耕舎 52~63ページ・「判例タイムズ№691」51~93ページ・実務の技法シリーズ4『交通賠償のチェックポイント』弘文堂 62~68ページ・『事例にみる交通事故損害主張のポイント』新日本法規 8~9ページ
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  • 施術費が治療費と認められる要件
    交通事故で接骨院・整骨院の施術費が治療費として損害賠償される要件
    接骨院や整骨院の施術費が損害として認められるには、一定の要件を満たす必要があります。ここでは、接骨院・整骨院の施術費が損害として認められる要件、裁判例について、まとめています。接骨院・整骨院の施術費が損害として認められる要件接骨院・整骨院の施術費が、損害賠償の対象となる治療費として認められる要件は、大きく次の2つです。柔道整復の施術を受けることに「医師の指示」があること施術に必要性・合理性・相当性・有効性があることそれぞれ、詳しく見ていきましょう。柔道整復施術を受けることに「医師の指示」があること接骨院・整骨院での柔道整復施術は、医師の指示があれば「治療の一環」とみなされ、施術費が損害賠償の対象となる治療費として認められやすくなります。医師の指示には、消極的な承諾も含む医師の指示とは、医師の積極的な指示だけでなく、患者が接骨院や整骨院で柔道整復施術を受けることを希望し、医師が消極的に承諾した場合も含みます。整形外科の医師が、接骨院や整骨院で柔道整復施術を受けるよう指示することは稀です。柔道整復師施術を認めない医師もいるくらいです。患者が希望して医師が承諾するケースが大半でしょう。柔道整復の施術費について、日弁連交通事故相談センターが発行している「青本」「赤本」では次のようになっています。青本医師の指示により受けたものであれば認められる。医師の指示は積極的なものでなくとも、施術を受けることによる改善の可能性が否定できないことから、とりあえず施術を受けることを承諾するという消極的なものも含まれる。このような医師の指示・承諾がなくとも、改善効果があれば賠償を認める例もある。(青本25訂版)赤本症状により有効かつ相当な場合、ことに医師の指示がある場合などは認められる傾向にある。(赤本2017年版)医師の指示がない場合は?上で紹介したように「青本」では、「医師の指示・承諾がなくとも、改善効果があれば賠償を認める例もある」とされています。医師の指示・承諾がない場合でも、接骨院や整骨院へ通うことを、保険会社が頭から否定することはありません。柔道整復師による施術が、怪我の治療に有効な場合があることは、一般に認められているからです。ですから、接骨院・整骨院での施術に必要性や有用性などが認められ、妥当な金額であれば、保険会社は施術費の支払いに応じています。裁判でも、加害者(保険会社)側が施術費について争わない限り、裁判所は原則として施術費を損害として認めています。裁判で施術費が争われた場合でも、「医師の指示がない」という理由だけで認めないということはありません。一定の要件を満たせば、損害として認められます。その要件とは、次の必要性・合理性・相当性・有効性が立証できることです。施術に必要性・合理性・相当性・有効性があること施術費が損害賠償すべき治療費として認められるには、医師の指示の有無にかかわりなく、施術に必要性・合理性・相当性・有効性があることが必要です。医師の指示があれば、施術の必要性・合理性・相当性・有効性が認められやすいのですが、医師の指示がない場合は、これらの点について立証しなければなりません。施術費が損害として認められる4つの要件施術の必要性施術を行うことが必要な身体状態であったのかどうか。施術の合理性施術の内容が合理的であるといえるかどうか。過剰・濃厚な施術となっていないか。施術の相当性医師による治療ではなく施術を選択することが相当かどうか。医師による治療を受けた場合と比較して、費用、期間、身体への負担等の観点で均衡を失していないかどうか。施術の有効性施術の具体的な効果が見られたかどうか。(参考:東京地裁判決・平成14年2月22日)これらの立証が必要なのは、「医師の治療」と「柔道整復師の施術」の違いがあります。柔道整復師は、レントゲンやMRIなど画像を用いた損傷状況の把握ができず、医師のような医学的見地から総合的な判断ができないこと、施術者によって技術が異なること、施術費用についても客観的な目安がないこと、などが理由です(東京地裁判決・平成14年2月22日)。なお、医師の指示がない場合は、施術の必要性や有効性が認められても、期間や費用が制限され、施術費の全額が認められることは少ないと考えておいた方がよいでしょう。医師の指示がなくても施術費が認められた裁判例をご覧ください。立証に必要な証拠書面損害の発生の証拠書面としては、接骨院・整骨院の領収書だけでは足りません。接骨院や整骨院の柔道整復師の作成する施術証明書、施術費支払明細書のほか、診療を受けた医療機関の医師の診断書、診療録、医師の同意書もしくはこれに代わる書面、診療報酬明細書などが必要です。施術費の妥当性を証明するには、健康保険や労災保険における柔道整復師施術料金算定基準などがあれば、その基準と比較して妥当性を判断する証拠となります。裁判で施術費を争うと、裁判所は厳密に審理します。場合によっては、すでに保険会社が支払っていた通院期間までも否定されることもありますから、注意してください。医師の指示がなくても施術費が認められた裁判例医師の積極的な指示がない場合に、接骨院や整骨院の施術費が事故と相当因果関係のある損害として認定・一部認定された裁判例をご紹介します。大阪地裁判決(平成13年8月28日)頸部・腰部捻挫の傷害を受けて後遺障害等級14級10号の認定を受けた被害者の整骨院における施術について、医師の明確な指示を受けたことの証明はないが、ある程度の痛みを緩和する効果はあったものと認められるとして、120万円の請求のうち30万円の限度で認めた。東京地裁判決(平成16年2月27日)頸椎捻挫、両膝捻挫、右下腿打撲で併合14級の認定を受けた被害者の整骨院における施術について、医師の指示はないが、施術により疼痛が軽快し、整形外科における治療回数が減少していること、施術費の額が社会一般の水準と比較して妥当であること、加害者らが一定期間の施術を認めていたこと等から、症状固定日までの整骨院の施術費全額を認めた。東京地裁判決(平成16年3月29日)頸椎捻挫等の被害者が、医師の指示・同意なく約14ヵ月間に185回整骨院で施術を受け、1回あたり平均3万9,040円、合計722万円余の請求した事案で、頸部及び右肩部については6ヵ月程度(実通院日数96日)の施術の必要性を認め、損害額としては、自賠責保険施術料金、厚生省の施術費算定基準、健康保険診療報酬算定方法の手引も参考に50万円の限度で認めた。大阪地裁判決(平成18年12月20日)整骨院での施術について、整形外科の医師は施術を受けることを容認し、症状を緩和する効果があったと認められるが、医師は施術を積極的に指示していたとまでは認められないこと、治療日が整形外科と重複していることなどを考慮し、症状固定時期までの施術費等のうち50%を認めた。京都地裁判決(平成23年11月18日)病院の医師が医学的必要性から整骨院への通院を指示した旨の意見書を差し入れていること、整骨院の詳細な施術録から施術により症状が改善していること、ほぼ連日にわたり整骨院に通院しているが医学的に見てそれほどの頻回な施術が必要であったと認めるに足りる証拠がないことから、被害者の症状の程度と改善効果とを総合考慮し、施術料の8割を認めた。東京地裁判決(平成25年8月9日)診療時間が限られている整形外科医院には、ほとんど週末しか受診することができなかったため、勤務終了後に通院できる整骨院に通院し、医師もこれを承知していたこと、整骨院で受けた施術の内容は、整形外科で受けていた消炎鎮痛等の処置と概ね同じであり、症状改善に効果的であったことから、整骨院の施術を事故と相当因果関係があると認めた。裁判で施術費を争うかどうかの判断は慎重に!接骨院・整骨院での施術費について、よく争点となるのは、事故との相当因果関係と通院期間の妥当性です。保険会社が任意で支払った施術費については、示談交渉で問題となることは通常ありません。医師の指示がないような場合でも、保険会社も、柔道整復の施術の有効性について社会一般で認められているので、緩やかな対応をしています。しかし、裁判で施術費が争点となった場合は、厳密な対応となります。保険会社側は、医師の指示の有無、事故との相当因果関係、通院期間の妥当性などを争点化してきます。裁判所も、施術を受けることに医師の指示があったか、施術に必要性・合理性・相当性・有効性があるか、事故との相当因果関係、通院期間や施術費の妥当性など、厳密に審理します。場合によっては、保険会社が既に支払った通院期間まで否定される場合があります。判決だけでなく、裁判上の和解の場合も同様に厳格な判断がなされています。訴訟を提起して接骨院・整骨院の施術費を争うかどうかは、慎重に判断する必要があります。まとめ交通事故による負傷(捻挫・打撲など)で接骨院・整骨院に通う場合は、まず整形外科で医師の診断を受け、柔道整復施術の承諾を得ることが重要です。また、定期的に整形外科を受診し、治療の経過を医師が把握できるようにしておくことが大切です。これは、治療費のみならず、後遺障害の損害賠償を受ける際にも大切なポイントとなります。そうでなければ、医師が後遺障害診断書を書けないからです。整形外科でなく接骨院や整骨院に通うときには十分注意してください。もし、接骨院や整骨院の施術費が損害として認められないなど、お困りのときは、交通事故の損害賠償に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 24時間受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでも無料相談のお申込みができます。公式サイトの無料相談受付フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※「加害者の方」や「物損のみ」の相談は受け付けていませんので、ご了承ください。【参考文献】・日弁連交通事故相談センター編『交通賠償実務の最前線』ぎょうせい・『交通損害関係訴訟(補訂版)』青林書院・『プラクティス交通事故訴訟』青林書院・『交通事故裁判和解例集』第一法規
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  • 損害項目
    交通事故で賠償請求できる損害は積極損害・消極損害・慰謝料
    交通事故による被害で賠償請求できる損害には、大きく「財産的損害」と「精神的損害」があります。財産的損害には「積極損害」と「消極損害」があり、精神的損害は「慰謝料」です。賠償請求する損害額は、これらをすべて積算した額です。詳しく見ていきましょう。交通事故による被害で、賠償請求できる損害とは?交通事故で賠償請求できる損害は、大きく「積極損害」「消極損害」「慰謝料」の3種類に分類されます。財産的損害積極損害事故に遭ったことで余儀なくされた支出(財産がマイナスになった損害)積極損害事故に遭ったことで得られなくなった収入(財産がプラスにならなかった損害)精神的損害慰謝料事故に遭ったことで受けた精神的な苦痛積極損害、消極損害、慰謝料について、それぞれ詳しく見ていきましょう。積極損害とは?積極損害は、交通事故の被害に遭ったことにより支払いを余儀なくされた費用です。事故に遭わなければ支払う必要のなかった費用であり、事故と相当因果関係のある損害ですから、加害者には賠償する責任が生じます。人身事故の積極損害人身事故の積極損害の費目には、治療費、付添看護費、入院雑費、通院交通費、義肢等の装具費用、後遺障害が残った場合の家屋や自動車の改造費、死亡した場合の葬儀費用などがあります。これらは、あらかじめ一定の基準が設けられています。主な積極損害について簡単に説明しておきます。損害内容治療費その事故による傷害の治療に必要かつ相当な範囲で実費全額が損害として認められます。付添看護費原則として医師の指示がある場合、または受傷の程度、被害者の年齢等により必要性がある場合に認められます。職業付添人は実費全額、近親者付添人は入院付添1日につき5,500円から7,000円程度です。入院雑費入院にともなう日用雑貨費(寝具・衣類・洗面具等の購入費)、電話代、新聞・雑誌代、テレビ・ラジオ賃借料などの費用は、多品目にわたるため定額化しています(入院日額1,500円程度)。通院交通費原則として、バス・電車等公共交通機関の利用料金が基準となります。自家用車による通院は、ガソリン代等の実費相当額です。葬儀関係費定額化が図られ、原則として150万円。これを下回る場合は、実際に支出した額が認められます。さらに詳しくは、次の記事をご覧ください。傷害事故の積極損害(治療費など)の計算方法死亡事故の積極損害(葬儀費用など)の計算方法物損事故の積極損害物損事故の積極損害は、車両の損害と車両以外の損害があります。損害内容車両損害車両の積極損害の主な費目には、修理費用、評価損(格落ち損)、代車使用料などがあります。車両に損害を受けた場合は、買換えでなく、修理費用の賠償が原則です。車両以外の物損車両以外の積極損害の費目には、建物の修理費、物品の修理・交換、後片付け費用などがあり、そのほか積荷や農作物などの損害賠償も認められます。車両損害について詳しくはこちら車両以外の物損について詳しくはこちら消極損害とは?消極損害は、事故に遭わなければ得られたであろう経済的利益を、事故によって得られなくなったことによる損害です。「得べかりし利益」とも呼ばれます。財産的損害には、積極損害と消極損害があります。積極損害との関係で消極損害を規定すれば、積極損害が、相手の不法行為により「財産がマイナスになった損害」をいうのに対し、消極損害は、相手の不法行為により「財産がプラスにならなかった損害」といえます。人身事故の消極損害人身事故の消極損害には、休業損害と逸失利益があります。逸失利益とは、加害行為がなければ、被害者が将来得られるであろう経済的利益を逸失したことによる損害です。休業損害も広い意味では逸失利益に含まれますが、通常、休業損害と逸失利益は分けて考えます。事故発生から症状固定まで(あるいは死亡まで)が休業損害、症状固定(あるいは死亡)以降が逸失利益です。治療により怪我が治癒した場合は、休業損害のみで、逸失利益は請求できません。休業損害休業損害は、治療・療養のために、休業または不十分な就業を余儀なくされたことにより生じた収入減(経済的利益の喪失)のことです。休業のほか労働能力の低下による減収も、休業損害として認められます。事故前の収入を基礎とする現実の収入減を補償するものです。給与所得者や個人事業主の収入減のほか、主婦・主夫が家事労働に従事できなかった場合や、学生のアルバイト収入減も休業損害として認められます。休業損害の計算方法逸失利益逸失利益には、後遺症(後遺障害)による逸失利益と、死亡による逸失利益があります。後遺障害逸失利益は、後遺障害が残り労働能力が喪失・低下することにより逸失する経済的利益のことです。事故前と同じように働けなくなることによる収入減のことです。死亡逸失利益は、被害者が死亡したことにより逸失する経済的利益のことです。死亡した被害者が、生きていたら働いて得られたであろう収入のことです。後遺障害が残った場合は、症状固定日までが休業損害、その後は逸失利益として計算します。被害者が治療の甲斐なく死亡した場合は、死亡するまでが休業損害、死亡後は逸失利益として計算します。後遺障害逸失利益の計算方法死亡逸失利益の計算方法物損事故の消極損害物損事故の消極損害として認められるのは、休業損害です。休車損害と営業損害があります。損害内容休車損害タクシーや運送会社のトラックのような営業車両が事故で破損し、修理や買換え期間中に見込まれる収入の損失です。営業損害店舗などに車が突っ込んで破損し、営業できなかった期間中の損害です。休車損害について詳しくはこちら営業損害について詳しくはこちら慰謝料とは?慰謝料は、交通事故による精神的損害(精神的な苦痛)に対する賠償です。精神的苦痛には個人差があり、被害者の心理的状態を第三者が客観的に判断することは難しいため、慰謝料は一定の基準を設け、定額化されています。入院・通院したことに対する傷害慰謝料(入通院慰謝料)、後遺障害が生じたことに対する後遺傷害慰謝料、被害者が死亡したことに対する死亡慰謝料があります。慰謝料を請求できるのは、原則的に人身損害が発生した場合のみです。物損については、「財産上の損害は、その損害が賠償されることによって精神的な苦痛も回復される」とみなされ、慰謝料は原則認められません。ただし、特別の事情がある場合は、物損でも慰謝料が認められることがあります。加害者に故意もしくは重過失(無免許、ひき逃げ、酒酔い、著しいスピード違反、信号無視の繰り返し、薬物等の影響により正常な運転ができない状態で運転した場合など)または著しく不誠実な態度がある場合には、慰謝料の増額事由となります。傷害慰謝料(入通院慰謝料)傷害慰謝料は、入院・通院の期間や怪我の状態により、一定の基準が決まっています。傷害慰謝料(入通院慰謝料)の計算方法後遺障害慰謝料後遺障害慰謝料は、後遺障害等級に応じて、ある程度定額化されています。後遺障害慰謝料の計算方法重度の後遺障害の場合は家族にも慰謝料が認められる死亡慰謝料死亡慰謝料は、死亡した本人と遺族に対して支払われます。請求権があるのは、父母・配偶者・子です。死亡した本人の年齢や家庭内の地位(一家の支柱・支柱に準じる)などにより、定額化されています。死亡慰謝料の計算方法事故の種類別に賠償請求できる損害費目を分類交通事故の損害賠償は、どんな事故かによって、すなわち、人身事故か物損事故か、人身事故の中でも傷害事故・後遺障害事故・死亡事故によって、賠償請求できる損害の項目・費目が異なります。事故の種類ごとに、賠償請求できる積極損害・消極損害・慰謝料の費目をまとめておきます。傷害事故積極損害治療費、付添看護費、通院交通費、入院雑費、義肢等の装具費用、診断書の発行費用など消極損害休業損害慰謝料入通院慰謝料傷害事故の損害賠償額の算定方法後遺傷害事故積極損害将来の治療費、付添看護費、介護費、家屋等改造費、義肢等の装具費用消極損害後遺障害による逸失利益慰謝料後遺障害慰謝料※後遺障害認定までの治療期間中の損害については、傷害事故の場合の各損害費目を賠償請求できます。後遺障害事故の損害賠償額の算定方法死亡事故積極損害葬儀費消極損害死亡による逸失利益慰謝料死亡慰謝料※死亡に至るまでの治療期間中の損害については、傷害事故の場合の各損害費目を賠償請求できます。死亡事故の損害賠償額の算定方法物損事故積極損害修理費、評価損、代車使用料、買換え諸経費、建物の修理費など消極損害休業損害(休車損害・営業損害)車両損害の賠償額の算定方法まとめ交通事故の被害者が賠償請求できる損害項目には、積極損害、消極損害、慰謝料があります。治療費や慰謝料は、ほぼ定型化・定額化されていますが、休業損害や逸失利益は、被害者の収入に応じて決まります。被害者の収入の証明は、被害者側でしなければなりません。特に逸失利益は将来の収入に対する賠償なので、被害者が若年者の場合ほど高額になります。被害者の職種別・年齢別の収入額の計算と証明の方法について詳しくはこちらで紹介しています。また、東京地裁・大阪地裁・名古屋地裁の民事交通部が、交通事故による逸失利益の算定方式について「共同提言」を発表しています。参考にしてみてください。交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 24時間受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでも無料相談のお申込みができます。公式サイトの無料相談受付フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※「加害者の方」や「物損のみ」の相談は受け付けていませんので、ご了承ください。こちらも読まれています「示談後に失敗を後悔する人」と「満足できる損害賠償額を得る人」の違いとは?交渉力だけではない! 弁護士の介入で賠償額が増える本当の理由とは?交通事故の被害者が本来取得できる適正な損害賠償金額の調べ方弁護士に相談するタイミングはいつ?【参考文献】・『新版 交通事故の法律相談』学陽書房 169~175ページ・『補訂版 交通事故事件処理マニュアル』新日本法規 96~105ページ
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  • 治療費の計算
    傷害事故の積極損害(治療費など)の裁判所基準での計算方法
    傷害事故の積極損害には、治療関係費、通院交通費、雑費などがあります。実費もしくは1日あたりの定額とされています。治療関係費治療関係費とは、治癒または症状固定までの、病院の治療費、整骨院の施術費、薬局の調剤費などのことです。治療関係費は、「必要かつ相当な範囲」で、実費を全額請求できます。請求には、次のものが必要です。請求に必要なもの入通院先が病院自賠責診断書交通事故の場合の診断書。事故日、傷病名、治療経過、入通院期間等が記載されています。自賠責診療報酬明細書交通事故の場合の診療報酬明細書。診療内容内訳や治療関係費が記載されています。通院が整骨院等自賠責施術証明書・施術費明細書交通事故の場合の施術証明書。事故日、傷病名、施術経過、施術期間、施術内容、施術関係費が記載されています。病院は、診断書と診療報酬明細書が別ですが、整骨院等では、一体として作成されます。薬局調剤報酬明細書が添付された請求書、または、領収書相手方任意保険が一括対応している場合は、薬局から相手方任意保険へ、調剤報酬明細書を添付し、請求書が発行されます。注意点自由診療で必要以上の治療が行われた場合は、過剰診療と判断される場合があります。特別室料や差額ベッド料は、救急車で搬送されたときに一般病室に空きがなかった場合や医師から指示があった場合など、特別な理由がない限り認められません。整骨院等の施術証明書に、病院の診断書に記載されていない傷病名が記載されている場合、その施術費の回収が困難となるので、注意が必要です。鍼灸、マッサージ、温泉療養費なども、医師の指示がある場合は認められます。揉めることが多いので、「マッサージの必要あり」「湯治の必要あり」という医師の診断書を取っておくことが大切です。付添看護費付添看護を必要とする場合には、付添人費用を損害額として賠償請求できます。職業的付添人を雇った場合は、支払った金額の実費を請求できます。家族や近親者が付き添った場合も、実際に金銭の支払いはありませんが、提供した労務を金銭に換算して請求できます。付添看護費は、医師が付添人の必要性を判断した場合に請求できます。なお、被害者が小学生以下の場合は、医師の指示は必要なく無条件で認められます。職業的付添人実費近親者付添人入院付添 1日5,500円~7,000円(自賠責基準は4,200円)通院付添 1日3,000円~4,000円(自賠責基準は2,100円)※幼児・老人・身体障害者などの場合(自賠責は歩行困難者・幼児)通院交通費被害者本人が治療を受けるために通院する場合の交通費は、原則実費を請求できます。電車やバスを利用した場合は、費用を請求するのに領収書は必要ありませんが、通院日と運賃を書き留めておきましょう。自家用車で通院した場合は、ガソリン代、駐車場代などの実費が認められます。請求には領収書が必要です。有料道路代・高速道路代は、有料道路を通らないと病院に行けない、専門医がいる病院が遠くて高速道路を利用したなど、必要性があれば認められます。タクシーの利用は、重症で緊急を要する場合、足の怪我の治療で歩けない場合、体が衰弱している、タクシー以外に交通手段がないなど、相当性がある場合に限られます。請求には領収書が必要です。通院日、通院方法、金額、医療機関名を記録しておくことが大切です。公共交通機関片道運賃 × 2(往復分)× 通院日数(入退院日を含む)自家用車距離(㎞)× 2(往復分)× 通院日数 × 15円ガソリン代は、1㎞あたり15円程度の単価を前提に計算します。タクシー実費(領収書の金額を合計する)被害者が救急搬送され、家族に自家用車で迎えに来てもらって病院から帰宅した場合、往復のガソリン代を請求できます。被害者自身は退院時の片道乗車でも、迎えに行った家族は往復しているので、往復分のガソリン代が認められます。入院時に家族が送迎した場合も、往復のガソリン代を請求できます。雑費交通事故に遭わなければ必要とならなかった次のような諸費用について、必要かつ相当な範囲で損害と認められます。入院雑費病衣代、タオル代など、入院中の生活消耗品や通信費、テレビの貸借料などを請求できます。金額は日額で定額化されているので、領収書は必要ありません。逆に、それ以上の出費があり、領収書を添付して請求しても、特別に必要があったもの以外は認められません。入院1日につき、1,400円~1,600円(自賠責基準は、1日1,100円)次のようなものが、入院雑費で賄えます。日常雑貨品寝具、パジャマ、洗面具、ティッシュペーパー、文房具、食器などの購入費栄養補給費牛乳、お茶、茶菓子などの購入費通信費電話、電報、郵便代文化費新聞・雑誌代、テレビ・ラジオ貸借料などよく問題になるのが、電気ポットや電気毛布、テレビなどですが、これらの購入費は認められません。レンタル料は請求できます。損害賠償請求関係費用損害額を算定するために必要となった費用です。文書料(医療機関関係)後遺障害診断書、後遺障害等級申請に必要な検査画像のコピー等を発行してもらうためにかかる費用です。自賠責診断書、自賠責診療報酬明細書の文書料は、通常は治療関係費に含んで計算します。文書料(その他)後遺障害等級申請に必要な印鑑証明書代、交通事故証明書代、過失割合の検討に必要な刑事事件記録の取り付けにかかる費用、謄写代等。その他医学鑑定料、事故状況の鑑定料など、損害額の算定に必要で支出した費用。損害賠償請求関係費用は、どこまで認められるか?相手方任意保険会社が、示談交渉段階で、刑事記録の取得費用や鑑定書の作成費用の支払いに応じることはありません。裁判では、刑事記録を用いて過失の有無や過失割合を認定するのが一般的なので、刑事記録の取得費は、被害者に通常生じる損害として認定される傾向にあります。工学鑑定や医学鑑定は、それにもとづいて過失の有無や過失割合、被害者の後遺障害を認定するのが裁判で一般的とは言えず、鑑定書の作成費用は、損害認定されない傾向にあります。(参考:『交通事故事件処理の道標』日本加除出版株式会社63ページ)被害者が、自身の傷害保険の保険金を請求するために、診断書を取った場合、診断書を取得するのに要した費用は、損害賠償請求のためではなく、保険金請求のためにかかった費用なので、加害者から賠償を受けることはできません。その他その他、こんな費用も損害として認められます。装具費用義肢、義足、義歯、義眼、眼鏡、コンタクトレンズ、補聴器、松葉杖、車椅子、かつら、身障者用パソコンなど医師が必要と認めた装具費用は、実費相当額を請求できます。義肢、義足、義歯、義眼などの身体的補助器具は、一度作れば一生もつものではないので、数年おきに作り直す必要があります。その費用も請求できます。ただし、その費用を一度に請求するとなると、医師の診断書が必要なことは言うまでもありませんが、中間利息を控除して請求することになります。その他の費用学生が治療のため、留年・入学延期した場合の授業料、受傷した子どもの学習の遅れを取り戻すための補習の費用、子どもを預けなければならなくなった費用(保育費)などの実費相当額を請求できます。そのほか、自賠責保険の支払基準には明記されていませんが、後遺障害が残った場合の家屋や自動車の改造費も、裁判所基準では実費相当額を請求できます。まとめ傷害事故の積極損害の賠償額の算定は、これらの損害額を積み上げる作業です。定型化・定額化されているとはいえ、事故ごとの個別事情を考慮する必要があります。被害者自身が行うには大変な作業になりますから、漏れなく算定するには、詳しい弁護士に相談することをおすすめします。交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人・響 へ弁護士法人・響は、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績 6万件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-690-048 ( 24時間受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでも無料相談のお申込みができます。公式サイトの無料相談受付フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※「加害者の方」や「物損のみ」の相談は受け付けていませんので、ご了承ください。関連自賠責保険の支払い基準と支払限度額
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