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  • 背骨骨折による後遺障害
    背骨の骨折による後遺症の障害等級と損害賠償請求
    交通事故で背骨を骨折したことによる後遺症については、変形障害と運動障害につき、後遺障害等級と認定基準が定められており、慰謝料のほか逸失利益を請求できる可能性があります。ただし、脊柱の変形障害・運動障害は、後遺障害等級が認定されても、労働能力への影響は低く評価されやすいため、認定された後遺障害等級のわりに逸失利益の額が下がる傾向にあります。そのため、障害の状況、症状の内容・程度、仕事や生活への影響を具体的に主張し、適正な労働能力喪失率と喪失期間を保険会社に認めさせることが重要です。ここでは、脊柱の変形障害・運動障害の後遺障害等級とその認定基準、脊柱障害による労働能力の喪失をめぐる裁判例の動向、保険会社から労働能力喪失率や喪失期間を制限されたときの反論のポイントについて、解説します。脊柱の後遺障害等級と認定のポイント脊柱の変形障害・運動障害は、後遺障害として等級認定を受けるにあたって、画像診断(XP・CT・MRI)で、障害の原因となる脊椎圧迫骨折等を確認できることが必要です。なので、背骨が曲がっているとか、首・背中・腰に痛みがある場合は、レントゲンやCT、MRI検査をしておくことが重要です。脊柱の後遺障害として評価の対象となるのは、頸椎、胸椎、腰椎です。頸椎と胸腰椎とでは、主たる機能(頸椎は頭部の支持機能、胸腰椎は体幹の支持機能)が異なるため、原則として頸椎と胸腰椎は異なる部位として取り扱い、それぞれの部位ごとに等級を認定します。脊柱の変形障害・運動障害の後遺障害等級とその認定基準は、次のようなものです。脊柱「変形障害」の等級と認定基準脊柱の変形障害は、その程度により、「脊柱に著しい変形を残すもの」は6級「脊柱に中程度の変形を残すもの」は8級相当単に「脊柱に変形を残すもの」は11級の3段階で後遺障害等級が認定されます。等級後遺障害第6級5号脊柱に著しい変形を残すもの8級相当脊柱に中程度の変形を残すもの第11級7号脊柱に変形を残すもの「中程度の変形を残すもの」については、後遺障害等級表に規定はありませんが、等級認定にあたって8級相当として評価されます。「著しい変形」「中程度の変形」については、脊柱の後彎または側彎の程度等によって判定し、これに達しない変形で一定の要件を満たすものは、単なる「変形」と判定されます。事故による脊椎圧迫骨折や脱臼等が、X線写真等により確認できれば、変形が軽度でも11級の変形障害が認定されます。また、脊椎固定術など脊椎の手術により脊柱の形が変わった場合も、変形障害として認定されます。後彎(こうわん)とは、脊柱が背中側に突出するカーブを呈している状態、側彎(そくわん)とは、脊柱が体の正面から見て左右方向に彎曲した状態をいいます。脊柱変形障害の後遺障害等級認定基準について詳しくはこちら脊柱「運動障害」の等級と認定基準脊柱の運動障害は、その程度により、「著しい運動障害を残すもの」は6級単に「運動障害を残すもの」は8級の2段階で後遺障害等級が認定されます。等級後遺障害第6級5号脊柱に著しい運動障害を残すもの第8級2号脊柱に運動障害を残すもの「著しい運動障害を残すもの」とは、①頸椎および胸腰椎のそれぞれに脊椎圧迫骨折等が存在するか(そのことがX線写真等により確認できる)、②頸椎および胸腰椎のそれぞれに脊椎固定術が行われたか、③項背腰部軟部組織に明らかな器質的変化が認められるか、のいずれかにより、頸部および胸腰部(すなわち脊柱全体)が強直したものをいいます。単に「運動障害を残すもの」とは、①頸椎または胸腰椎に脊椎圧迫骨折等を残しているか(そのことがX線写真等により確認できる)、②頸椎または胸腰椎に脊椎固定術が行われたか、③項背腰部軟部組織に明らかな器質的変化が認められるか、のいずれかにより、頸部または胸腰部の可動域が参考可動域角度の1/2以下に制限されたものをいいます。強直とは、関節の完全強直またはこれに近い状態をいいます。脊柱運動障害の後遺障害等級認定基準について詳しくはこちら脊柱障害による逸失利益を請求するときの注意点脊柱の変形障害・運動障害による逸失利益を損害賠償請求するときは、次の点に注意が必要です。画像所見が必須脊柱の変形障害や運動障害として後遺障害等級が認定されるには、X線写真やCT・MRI画像により、後遺障害の原因となる脊椎圧迫骨折等を確認できることが必須です。画像で圧迫骨折等を確認できない場合は、脊柱の変形障害や運動障害とは認められません。画像所見がなく、単に疼痛のために運動障害を残すものは、局部の神経症状(12級または14級)として等級認定されることになります。事故との因果関係が問題になりやすい画像診断で脊椎圧迫骨折等が認められても、その圧迫骨折等が事故によるものか疑わしい場合は争いとなります。陳旧性の圧迫骨折(いわゆる「いつの間にか骨折」など)は、後遺障害として認められません。脊椎の固定術を行うと変形障害として後遺障害認定されますが、既往のヘルニアや椎間板変性などがあるときには、固定術と事故との因果関係が問題となり、固定術の相当性が争点になる場合があります。脊椎固定術の相当性が争点になるケース椎間板ヘルニアや椎間板症は、一般には加齢にともなう椎間板変性を原因とする疾患であり、特に中高年が被害者である場合、もともと何らかの椎間板変性を有することもあり得ます。そのため、交通事故後に脊椎固定術が行われた場合、その手術による脊椎変形の後遺障害に関して、交通事故との因果関係の有無や素因減額が争点となることがしばしばあるのです。裁判例の傾向としては、交通事故と症状発生時期が離れている等の事情があるような場合を除き、事故との因果関係を否定する例は少ないようですが、因果関係を肯定したうえで、素因減額等により損害額の調整をした例が多く見られます(『交通事故医療法入門』勁草書房265ページ)。裁判例交通事故後に腰椎椎間板症に対する腰椎後方椎体間固定術が行われた事案につき、交通事故前に生じていた加齢性変化による腰椎椎間板の変性と交通事故による衝撃とがいずれも寄与していたとして、事故と腰椎椎間板症との因果関係は是認しつつ、交通事故による影響の寄与度を5割と認めた例(水戸地裁平成29年3月14日判決)交通事故後に頸椎椎間板ヘルニアに対する頸椎前方固定術が行われた事案につき、当該手術は事故による受傷を契機とした症状に対処するために行われている等として、因果関係を認めつつ、経年性変化により形成されていた頸椎椎間板ヘルニアの程度や交通事故の態様等に照らして3割の素因減額をした例(大阪地裁平成27年7月28日判決)労働能力への影響が争いになりやすい脊柱障害は、中程度以下の変形の場合、同じ等級の他の部位(上肢、下肢、眼)の障害に比べ、仕事や日常生活への影響は小さいとして、労働能力の喪失率を低く評価されることがよくあります。裁判例でも、障害の程度が軽度な11級の脊柱変形の場合には、11級後遺障害の標準的な労働能力喪失率(20%)を下回る数値を認定する例が少なくありません。しかも最近は、「変形自体による障害はあまりなく、併発する神経症状が問題になるだけ」と、軽度神経症状と同視し、12級程度の労働能力喪失率(14%)および喪失期間(10年)と評価する例もあります。裁判例11級7号認定事案につき、症状固定時において圧潰の進行はなく、骨融合に問題も見当たらないことから、労働能力喪失の程度は、他覚的所見の見られる神経症状に伴う労働能力喪失と同程度として、労働能力喪失率14%、喪失期間10年と認定した例(東京地裁平成26年3月26日判決)。もっとも、現実にどの程度の支障を生じているかにより、認定される労働能力喪失率に違いがあります。実際、8級や11級の事案でも、就労や就学の影響が大きいと判断される場合は、労働能力喪失率表どおりの喪失率を認めた裁判例があります。なので、職業、骨折の部位・程度、神経症状の有無・程度等をふまえつつ、就労や日常生活への支障の程度を具体的に主張することが重要です。8級認定事案の労働能力喪失率「中程度の変形を残すもの」(8級相当)と認定された事案について、労働能力喪失率を次のように認定した裁判例があります。ちなみに、8級の標準喪失率は45%です。裁判例症状固定時21歳の大学生につき、腰から足にかけてのしびれや背中の鈍痛があること、同じ姿勢で座っているのは1時間程度が限度であること、20分程度立っていると足が張った感じになること等の事情から、労働能力喪失率を45%と認めた例(さいたま地裁平成27年4月7日判決)症状固定時20歳の大学生につき、脊柱変形そのものによる労働能力低下は顕在化しておらず、労働能力に影響し得るのは、もっぱら変形した胸椎周辺の疼痛(局部の神経症状)であるという旨を指摘して、労働能力喪失率を11級相当の20%の限度で認めた例(名古屋地裁平成28年3月18日判決)症状固定時54歳の女性(家事労働者)につき、胸腰椎部の可動域が参考可動域の1/2以下となっておらず、運動障害があるとは認められないことや、症状固定前の通院期間中において日常生活動作に特に問題はない、胸椎・腰椎の痛みはほとんどないなどとされている経過等を考慮して、労働能力喪失率を12級相当の14%と判断した例(東京地裁平成29年5月29日判決)11級認定事案の労働能力喪失率単に「変形を残すもの」(11級)と認定された事案について、労働能力喪失率を次のように認定した裁判例があります。ちなみに、11級の標準喪失率は20%です。裁判例薬剤師として勤務する兼業主婦(症状固定時58歳)につき、症状固定後も腰背部痛が続き、家事や就労に支障が生じていることを認め、脊柱の有する支持機能や運動機能の重要性に鑑みて20%の労働能力喪失を認めた例(横浜地裁平成27年4月13日判決)労働能力の喪失は脊柱変形それ自体ではなく、腰痛等の神経症状によるものであると判示して、労働能力喪失率を9%とした例(京都地裁平成27年3月19日判決)骨折による脊柱変形の程度は比較的軽微であって、労働能力喪失率表所定の労働能力喪失率に相当するだけの脊柱の支持機能・保持機能への影響が生じるとは認めがたいと判断して、股関節の局部神経症状とあわせて、就労可能年数35年のうちの最初の10年間は14%、残りの25年間は10%の限度で労働能力喪失を認めた例(大阪地裁平成28年3月24日判決)労働能力喪失期間が限定される場合がある労働能力喪失期間については、限定されないケースが多いといわれています。脊椎変形による腰痛等の神経症状について、「器質的な原因があるから、馴化等により労働能力の回復が認められるものではない」と判示する裁判例もあります(京都地裁平成27年3月19日判決)。ただし、疼痛や疲れやすさは、若年であれば馴化してゆくことも考えられるとして、労働能力喪失期間を限定するとともに、喪失率を逓減させる裁判例も見られますから、注意が必要です。裁判例38歳の女性家事従事者の労働能力喪失期間を15年に限定(労働能力喪失率は、最初の10年間を14%、その後の5年間を5%と逓減)した例(東京地裁平成27年12月22日判決)31歳の男性の労働能力喪失期間を20年に限定(労働能力喪失率は、最初の10年間を14%、その後の10年間を5%と逓減)した例(金沢地裁平成28年7月20日判決)喪失期間の限定・喪失率の逓減に対する考え方被害者が若年者で、変形が軽微な場合、圧迫骨折した局所の疼痛が緩解し消失する可能性も否定できないことから、後遺障害の残存期間およびその程度を予測することが難しいことを考慮して、労働能力喪失期間を分けた上で、期間ごとに労働能力喪失率を逓減する考え方に合理性があるとする見解があります(『赤い本2004年版』436ページ)。一方、このような取り扱いについては慎重に判断すべきとの指摘もあります(『交通関係訴訟の実務』商事法務208ページ)。脊柱の変形障害の逸失利益について、最近の赤い本では、「労働能力の喪失期間を就労可能期間よりも短く制限することや、喪失率を一定期間ごとに逓減させることについては慎重に判断する必要がある」「喪失率の低減や喪失期間の制限が認められているとはいえ、その数はあまり多くなく、裁判所としても慎重に判断しているといえる」と指摘されています(『赤い本2021(下)』81~82ページ、『Q&A交通事故の示談交渉における保険会社への主張・反論例』日本加除出版102ページ)。神経症状の軽快を考慮するにしても、具体的な障害の状況や現実に発生している症状およびその程度などを総合的に考慮して判断するべきとされています(『新版注解交通損害賠償算定基準』ぎょうせい228ページ)。こうした指摘があることもふまえ、労働能力の喪失率・喪失期間については、障害の状況や就労・日常生活への影響、現実の収入減等について、具体的に保険会社に対して主張立証することが大切です。まとめ脊柱の変形障害・運動障害の後遺障害認定では、X線写真・CT・MRI画像により、後遺障害の原因となる脊椎圧迫骨折等を確認できることが前提です。ただし、画像診断により脊椎圧迫骨折等が確認できても、事故によるものか疑わしい場合は争いになるし、等級認定されても、その等級の標準的な労働能力喪失率よりも低い喪失率とされることが少なくなく、喪失期間が制限されるケースもあります。もっとも、労働能力喪失率表どおりの喪失率を認めた裁判例もありますから、障害の状況や症状、仕事や日常生活への影響などを具体的に主張し、適正な労働能力喪失率や喪失期間を保険会社に認めさせることが大切です。保険会社との交渉でお困りのときは、交通事故による後遺障害に詳しい弁護士に相談されることをおすすめします。交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人ステラ へ弁護士法人ステラは、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績17,000件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。もちろん弁護士保険にも完全対応。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-221-274     ( 24時間・365日受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでも無料相談のお申込みができます。公式サイトの無料相談予約フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※ 「加害者の方」や「物損のみ」の相談は受け付けていませんので、ご了承ください。【参考文献】・厚生労働省「整形外科の障害認定に関する専門検討会報告書」平成16年2月・厚生労働省労働基準局長通達「せき柱及びその他の体幹骨、上肢並びに下肢の障害に関する障害等級認定基準について」平成16年6月4日基発第0604003号・『労災補償障害認定必携第17版』一般財団法人労災サポートセンター229~242ページ、283~297ページ・『詳説後遺障害』創耕舎33~34ページ・『Q&A交通事故の示談交渉における保険会社への主張・反論例』日本加除出版株式会社102~104ページ・『交通関係訴訟の実務』商事法務206~208ページ・『被害者側弁護士のための交通賠償法実務』日本評論社511~513ページ・『交通事故医療法入門』勁草書房259~265ページ・『改訂版後遺障害等級認定と裁判実務』新日本法規545~573ページ・『新版注解交通損害賠償算定基準』ぎょうせい227~229ページ
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  • 脊柱変形
    脊柱変形障害・運動障害の後遺障害等級と認定基準
    脊柱の骨折による後遺障害は、変形障害と運動障害に分けられます。脊柱の変形とは、骨折や脱臼によって背骨の形が変わることですが、それだけでなく、脊椎の手術によって形が変わることも、後遺障害として認定されます。ここでは、脊柱の変形障害・運動障害の後遺障害等級とその認定基準について、詳しく解説します。脊柱障害の後遺障害等級脊柱の後遺障害は、変形障害・運動障害につき次のように等級が定められています(自賠法施行令別表第二)。変形障害等級後遺障害労働能力喪失率第6級5号脊柱に著しい変形を残すもの67/1008級相当脊柱に中程度の変形を残すもの45/100第11級7号脊柱に変形を残すもの20/100「脊柱に中程度の変形を残すもの」は、後遺障害等級表に規定はありませんが、等級認定実務において、6級「脊柱に著しい変形を残すもの」と11級「脊柱に変形を残すもの」の中間に8級相当として加え、3段階で認定しています。運動障害等級後遺障害労働能力喪失率第6級5号脊柱に著しい運動障害を残すもの67/100第8級2号脊柱に運動障害を残すもの45/100表中の労働能力喪失率は、労働能力喪失率表の標準喪失率です。脊柱障害は、これより低い喪失率とされるケースが多くあります。それでは、後遺障害等級の認定基準について見ていきましょう。脊柱の後遺障害認定における基本的な留意点後遺障害としての脊柱障害は、頸部および体幹の支持機能と運動機能に着目したものです。そのため、解剖学上、脊柱は、頸椎、胸椎、腰椎、仙骨、尾骨から形成されますが、頸部や体幹の支持機能等を有していない仙骨および尾骨については、後遺障害の認定にあたって、脊柱に含みません。また、頸椎と胸腰椎とでは、主たる機能が異なることから(頸椎は主として頭部の支持機能、胸腰椎は主として体幹の支持機能を担っています)、脊柱の後遺障害等級の認定にあたっては、原則として頸椎と胸腰椎は異なる部位として取り扱い、それぞれの部位ごとに等級を認定します。頸部と胸腰部のそれぞれに脊柱の変形障害または運動障害がある場合には、併合の方法を用いて相当する等級を定め、頸部に複数の脊柱障害がある場合は、いずれか上位の等級で認定します。なお、脊柱の変形障害・運動障害が後遺障害として等級認定されるには、いずれも画像診断(XP・CT・MRI)で、障害の原因となる脊椎圧迫骨折等を確認できることが前提です。脊柱の変形障害や運動障害の認定基準の説明において、「脊椎圧迫骨折等」「X線写真等」という表現が出てきます。「脊椎圧迫骨折等」には、脊椎圧迫骨折のほか、脱臼等が含まれます。「X線写真等」には、X線写真、CT画像、MRI画像が含まれます。脊柱変形障害の認定基準脊柱の変形障害は、「脊柱に著しい変形を残すもの(6級)」、「脊柱に中程度の変形を残すもの(8級)」、「脊柱に変形を残すもの(11級)」の3段階で、後遺障害等級が認定されます。6級「脊柱に著しい変形を残すもの」と8級「脊柱に中程度の変形を残すもの」については、脊柱の後彎または側彎の程度等によって等級を認定し、これらに達しない変形で一定の要件を満たすものは11級「脊柱に変形を残すもの」に認定されます。後彎脊柱が背中側に突出するカーブを呈している状態側彎脊柱が体の正面から見て左右方向に彎曲した状態また、これらとは別に、環椎(第1頸椎)または軸椎(第2頸椎)の変形・固定は、個別の要件により8級が認定されます。環軸椎は、第3頸椎以下と異なる形をしているため、同じ測定方法を使えないからです。脊椎変形障害として後遺障害認定されるには、X線写真等により脊椎圧迫骨折等を確認できることが前提です。従前は、6級5号(脊柱に著しい奇形を残すもの)と11級7号(脊柱に奇形を残すもの)の2段階で格付けされ、6級は「レントゲン写真上明らかな脊椎圧迫骨折または脱臼等に基づく強度の亀背・側弯等が認められ、衣服を着用していても、その変形が外部から明らかにわかる程度以上のもの」とされ、外見による該当判断が行われていました。労災認定基準の平成16年の改正にともない、第6級5号「脊柱に著しい変形を残すもの」と第11級7号「脊柱に変形を残すもの」の中間に8級相当「脊柱に中程度の変形を残すもの」を加え、3段階で認定することになるとともに、判定方法の客観化がなされました。脊柱の後彎・側彎の程度の判定方法脊柱の後彎・側彎の程度は、次のように測定し判定します。後彎の程度の判定方法脊柱の後彎の程度は、脊椎圧迫骨折等により変形した椎体につき、前後の椎体高を比較し、前方椎体高の後方椎体高に対する減少度を測定し判定します。上図は、3個の椎体が変形した状況のイメージ図です。変形により、3個の椎体の前方椎体高は、それぞれa、b、cとなり、これに対する後方椎体高はA、B、Cです。変形した椎体の前方椎体高の合計(a+b+c)と、後方椎体高の合計(A+B+C)の差Xが、後方椎体高の1個当たりの高さY((A+B+C)÷ 3 )以上、ないしYの50%以上であることが要件となります。X=(A+B+C)ー(a+b+c)Y=(A+B+C)÷3 X≧Y   ⇒ 後彎のみで著しい変形 X≧0.5Y ⇒ 側彎も合わせれば著しい変形つまり、変形がない(あるいは少ない)側の「椎体高の平均」の1個以上ないし50%以上の変形が、変形した側の椎体高全体にあるかどうかで判定されます。側彎の程度の判定方法脊柱の側彎は、コブ法による側彎度で判定します。コブ法とは、X線写真により、脊柱のカーブの頭側および尾側において、それぞれ水平面からもっとも傾いている脊椎を特定し、頭側で最も傾いている脊椎の椎体の上縁の延長線と、尾側で最も傾いている脊椎の椎体の下縁の延長線が交わる角度(側彎度)を測定する方法です。それでは、脊柱の変形障害につき、各等級の認定基準を見ていきましょう。脊柱に著しい変形を残すもの(6級)の認定基準「脊柱に著しい変形を残すもの」とは、X線写真等により、脊椎圧迫骨折等を確認できる場合であって、次のいずれかに該当するものをいいます。脊椎圧迫骨折等により2個以上の椎体の前方椎体高が著しく減少し、後彎が生じているもの。この場合、「前方椎体高が著しく減少」したとは、減少したすべての椎体の後方椎体高の合計と減少後の前方椎体高の合計との差が、減少した椎体の後方椎体高の1個当たりの高さ以上であるものをいいます。脊椎圧迫骨折等により1個以上の椎体の前方椎体高が減少し、後彎が生じるとともに、コブ法による側彎度が50度以上となっているもの。この場合、「前方椎体高が減少」したとは、減少したすべての椎体の後方椎体高の合計と減少後の前方椎体高の合計との差が、減少した椎体の後方椎体高の1個当たりの高さの50%以上であるものをいいます。脊柱に中程度の変形を残すもの(8級)の認定基準「脊柱に中程度の変形を残すもの」とは、X線写真等により、脊椎圧迫骨折等を確認できる場合であって、次のいずれかに該当するものをいいます。脊椎圧迫骨折等により1個以上の椎体の前方椎体高が減少し、後彎が生じているもの。この場合、「前方椎体高が減少」したとは、減少したすべての椎体の後方椎体高の合計と減少後の前方椎体高の合計との差が、減少した椎体の後方椎体高の1個当たりの高さの50%以上であるものをいいます。コブ法による側彎度が50度以上であるもの。環椎または軸椎の変形・固定(環椎と軸椎との固定術が行われた場合を含む)により、次のいずれかに該当するもの。(a)60度以上の回旋位となっているもの(b)50度以上の屈曲位または60度以上の伸展位となっているもの(c)側屈位となっており、X線写真等により、矯正位の頭蓋底部の両端を結んだ線と軸椎下面との平行線が交わる角度が30度以上の斜位となっていることが確認できるもの認定基準①の「前方椎体高の減少度」と認定基準②の「側彎度」の要件は、6級「著しい変形」の認定基準②の「前方椎体高の減少度」と「側彎度」についての要件と同じです。すなわち、「後彎の程度」および「側彎の程度」とも基準を満たせば「著しい変形」として6級が認定され、いずれか一方のみ基準を満たす場合には「中程度の変形」として8級が認定されます。環軸椎損傷による脊柱障害の評価認定基準③は、環軸椎損傷による脊柱変形障害の等級認定基準です。環椎(第1頸椎)と軸椎(第2頸椎)は、第3頸椎以下と異なる形をしているため、前方椎体高の減少の程度によって評価することも、コブ法による評価も困難です。そのため、異なる評価方法が採られています。環椎には椎体がなく、前弓と後弓より構成され、文字どおり環状を呈しています。軸椎は、椎体の上端に歯突起があります。この上位頸椎部(第1・第2頸椎)は、大きな可動性を有し、環軸椎間で左右それぞれ40度の回旋可動域があり、全頸椎回旋可動域の50%以上を占めるとされます(『標準整形外科学第14版』医学書院507~508ページ)。環椎または軸椎については、X線写真等で脊椎圧迫骨折等による変形が確認できる場合、もしくは環椎と軸椎との固定術が行われた場合は、いずれも環軸椎そのものの可動域はほとんど失われるか固定となることから、認められる変位に応じ、以下の要件に該当する場合は8級相当、該当しない場合は11級と判定されます。(a)回旋位となっている場合60度以上の回旋位となっているもの(b)屈曲位・伸展位となっている場合屈曲50度以上、伸展60度以上となっているもの(c)側屈位となっている場合X線写真等により、矯正位の頭蓋底部の両端を結んだ線と軸椎下面との平行線が交わる角度が30度以上の斜位となっていることが確認できるもの なお、軸椎の歯突起は、頭部の支持機能に関係がないことから、その変形は後遺障害として評価しません。 環軸椎は、頸椎全体による可動範囲の相当の割合を担っているため、上記の認定基準③に該当する変形・固定となると、同時に「脊柱に運動障害を残すもの」(第8級2号)にも該当するケースがほとんどとされています(『労災補償障害認定必携第17版』238ページ)。 脊柱に変形を残すもの(11級)の認定基準「脊柱に変形を残すもの」とは、次のいずれかに該当するものをいいます。脊椎圧迫骨折等を残しており、そのことがX線写真等により確認できるもの(変形の程度は問いません)脊椎固定術が行われたもの(移植した骨がいずれかの脊椎に吸収されたものを除く)3個以上の脊椎について、椎弓切除術等の椎弓形成術を受けたもの事故による脊椎圧迫骨折等がX線写真等により確認できれば、変形が軽度でも11級の変形障害が認定されます。脊椎固定術により2椎体以上の脊椎間が骨等の移植によって癒合変形した状態について、脊柱の変形と評価します。ただし、脊椎固定術を行ったものの中には、移植した骨等が治癒時には吸収されるなどして2椎体以上の脊椎間が癒合しないものがありますが、このようなケースは除外します。 脊柱運動障害の認定基準脊柱を損傷すると、頸部や胸腰部の関節が動かなくなったり、動かせる範囲が狭くなる運動障害を生じることがあります。脊柱の運動障害と認定されるには、X線写真等で、脊椎圧迫骨折等が認められる脊椎固定術が認められる項背腰部軟部組織の器質的な変化が認められることが前提です。X線写真等では、脊椎圧迫骨折等または脊椎固定術が認められず、また、項背腰部軟部組織の器質的な変化も認められず、単に疼痛のために運動障害を残すものは、局部の神経症状(12級または14級)として等級認定されることになります。脊柱の運動障害は、6級「脊柱に著しい運動障害を残すもの」、8級「脊柱に運動障害を残すもの」の2段階で、後遺障害等級が認定されます。脊柱運動障害の評価方法関節の機能障害は、障害を残す関節の可動域を測定し、原則として健側の可動域角度と比較することにより、関節可動域の制限の程度を評価します。例えば、手や足などの可動域制限については、障害が生じた側と生じていない側(健側)の可動域を比較します。しかし、脊柱の場合は、比較すべき対象がありませんから、「関節の機能障害の評価方法及び関節可動域の測定要領」に定める参考可動域角度と比較して、関節可動域の制限の程度を評価することになります。関節の運動は、主要運動、参考運動、その他の運動に区別されます。主要運動と参考運動は「測定要領」に示されており、この主要運動と参考運動の可動域制限が評価の対象となります。これ以外の運動に可動域制限が生じていても、評価対象となりません。主要運動とは、関節における日常の動作にとって最も重要なものをいい、関節の機能障害は、原則として主要運動の可動域の制限の程度によって評価します。ただし、一定の場合には、主要運動および参考運動の可動域制限の程度によって評価します。脊柱運動障害8級の認定基準に、このケースがあります。脊柱関節の主要運動と参考運動部位主要運動参考運動頸部屈曲・伸展、回旋側屈胸腰部屈曲・伸展回旋、側屈参考可動域角度屈曲・伸展回旋側屈運動方向屈曲伸展左回旋右回旋左側屈右側屈頸部60度50度60度60度50度50度胸腰部45度30度40度40度50度50度屈曲と伸展、回旋の左右、側屈の左右の運動は、それぞれ同一面にある運動なので、両者の可動域角度を合計した値をもって、関節可動域の制限の程度を評価します。脊柱に著しい運動障害を残すもの(6級)の認定基準「脊柱に著しい運動障害を残すもの」とは、次のいずれかにより、頸部および胸腰部が強直したものをいいます。頸椎および胸腰椎のそれぞれに脊椎圧迫骨折等が存しており、そのことがX線写真等により確認できるもの。脊椎および胸腰椎のそれぞれに脊椎固定術が行われたもの。項背腰部軟部組織に明らかな器質的変化が認められるもの。関節の強直とは、関節の完全強直(関節が全く動かない状態)またはこれに近い状態にあるものをいいます。この場合、「これに近い状態」とは、主要運動のすべてが参考可動域角度の10%程度以下に制限されるか、関節可動域が10度以下に制限されるか、いずれかの状態です。「10%程度」とは、参考可動域角度の10%に相当する角度を5度単位で切り上げた角度です。例えば、頸部の回旋運動に大きな可動域制限がある場合、回旋運動の参考可動域角度は120度(左回旋60度+右回旋60度)ですから、120度の10%を5度単位で切り上げた15度以下であれば、頸椎の強直となります。この強直が、頸部と胸腰部の両方に生じているときに、「著しい運動障害を残すもの」として後遺障害等級6級が認定されます。脊柱に運動障害を残すもの(8級)の認定基準「脊柱に運動障害を残すもの」とは、次のいずれかに該当するものをいいます。次のいずれかにより、頸部または胸腰部の可動域が参考可動域角度の1/2以下に制限されたもの(a)頸椎または胸腰椎に脊椎圧迫骨折等を残しており、そのことがX線写真等により確認できるもの(b)頸椎または胸腰椎に脊椎固定術が行われたもの(c)項背腰部軟部組織に明らかな器質的変化が認められるもの頭蓋・上位頸椎間に著しい異常可動性が生じたもの単なる運動障害は、頸部または胸腰部のいずれかに可動域の制限(参考可動域角度の1/2以下)があれば認定されます。頸部は、主要運動が「屈曲・伸展」と「回旋」の2種類ありますが、いずれか一方の可動域が、参考可動域角度の1/2以下に制限されているときは、8級に認定されます。参考運動を評価の対象とする場合とは?頸椎または胸腰椎の主要運動の可動域制限が、参考可動域角度の1/2をわずかに上回る場合には、頸椎または胸腰椎の参考運動が1/2に制限されているときは、8級に認定されます。この場合、「わずかに上回る」とは、頸部は10度、胸腰部は5度です。また、参考運動が複数ある場合は、そのうちの1つの参考運動の可動域が、参考可動域角度の1/2以下に制限されていれば足ります。なお、参考運動が複数ある関節は、1つの参考運動の可動域角度が上記のとおり制限されていることをもって足りるとされています。(「関節の機能障害の評価方法及び関節可動域の測定要領」『労災補償障害認定必携第17版』286~287ページ)荷重機能障害の等級認定基準脊柱は、体位保持のための支柱としての機能を果たすものです。荷重機能障害とは、体位保持が困難な状態です。荷重機能障害は、脊椎に骨折や脱臼が生じ、その部分の支持性が失われた場合や、脊柱を支える筋肉に麻痺等が生じ、脊柱の支持力が弱くなったり、失われたりした場合に生じます。 荷重機能障害は、後遺障害等級表に該当するものがなく、相当等級として認定されます。荷重機能障害については、その原因が明らかに認められる場合であって、そのために頸部および腰部の両方の保持に困難があり、常に硬性補装具を必要とするものを6級相当、頸部または腰部のいずれかの保持に困難があり、常に硬性補装具を必要とするものを8級相当の運動障害として取り扱います。荷重機能障害の原因が明らかに認められる場合とは、脊椎圧迫骨折・脱臼、脊柱を支える筋肉の麻痺または項背腰部軟部組織の明らかな器質的変化が存し、それらがX線写真等により確認できる場合をいいます。まとめ脊柱の変形障害は、その程度により、6級(著しい変形)、8級相当(中程度の変形)、11級(変形)の3段階で後遺障害等級が認定されます。脊柱の運動障害は、その程度により、6級(著しい運動障害)、8級(運動障害)の2段階で後遺障害等級が認定されます。なお、変形障害も運動障害も後遺障害認定においては、X線写真等により脊椎圧迫骨折等を確認できることが必須です。ただし、画像診断により脊椎圧迫骨折などを確認できても、事故との因果関係が争点となることもあるし、等級認定されても、労働能力喪失率が争点となることがあります。脊柱障害による逸失利益を請求するうえでの注意点背骨を骨折して後遺症が残り、保険会社の提示する損害賠償額に疑問のある方は、交通事故による後遺障害に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。交通事故による被害・損害の相談は 弁護士法人ステラ へ弁護士法人ステラは、交通事故被害者のサポートを得意とする弁護士事務所です。多くの交通事故被害者から選ばれ、相談実績17,000件以上。相談無料、着手金0円、全国対応です。もちろん弁護士保険にも完全対応。交通事故被害者からの相談は何度でも無料。依頼するかどうかは、相談してから考えて大丈夫です!交通事故の被害者専用フリーダイヤル 0120-221-274     ( 24時間・365日受付中!)無料相談のお申込みは、こちらの専用ダイヤルが便利です。メールでも無料相談のお申込みができます。公式サイトの無料相談予約フォームをご利用ください。評判・口コミを見てみる公式サイトはこちら※ 「加害者の方」や「物損のみ」の相談は受け付けていませんので、ご了承ください。【参考文献】・厚生労働省「整形外科の障害認定に関する専門検討会報告書」平成16年2月・厚生労働省労働基準局長通達「せき柱及びその他の体幹骨、上肢並びに下肢の障害に関する障害等級認定基準について」平成16年6月4日基発第0604003号・『労災補償障害認定必携第17版』一般財団法人労災サポートセンター229~242ページ、283~297ページ・『詳説後遺障害』創耕舎33~34ページ・『Q&A交通事故の示談交渉における保険会社への主張・反論例』日本加除出版株式会社102~104ページ・『交通関係訴訟の実務』商事法務206~208ページ・『被害者側弁護士のための交通賠償法実務』日本評論社511~513ページ・『交通事故医療法入門』勁草書房259~265ページ・『改訂版後遺障害等級認定と裁判実務』新日本法規545~573ページ・『新版注解交通損害賠償算定基準』ぎょうせい227~229ページ
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