権利保護保険と弁護士保険の違いとは?

権利保護保険と弁護士保険の違いは、権利保護保険は、弁護士会から弁護士の紹介を受けられることです。日弁連と協定している保険会社の弁護士保険が、権利保護保険です。

 

権利保護保険とは、どんな保険制度なのか、弁護士保険と何が違うのか、詳しく見ていきましょう。

 

 

弁護士法人・響

権利保護保険とは、こんな弁護士保険

権利保護保険とは、事故や事件により生命・身体・財産に被害を被った場合、被害回復のための権利行使(加害者に対する損害賠償請求)を弁護士に委任するのに必要な法律相談料や弁護士費用、訴訟費用を補償する保険です。

 

(※参考:東京弁護士会「「活用してみませんか? 権利保護保険」より)

 

このように、保険の制度としては、権利保護保険も弁護士保険と同じです。弁護士費用を保険金として支払う保険です。

 

権利保護保険は、日弁連LACが運営する弁護士保険

権利保護保険と弁護士保険の違いは、権利保護保険を運営しているのが、日弁連の委員会であるリーガル・アクセス・センター(通称:LAC)だということです。

 

日弁連が運営する保険といっても、ピンと来ないかもしれませんね。

 

もちろん、権利保護保険(弁護士保険)を保険商品として販売するのは保険会社です。日弁連が保険を販売するわけではありません。

 

では、日弁連LACが運営するとはどういうことかというと、日弁連LACが被害者と保険会社の間に入り、被害者の損害賠償請求権の行使(被害回復のための権利行使)が円滑に行われる仕組みを作っているのです。

 

これこそが、権利保護保険と呼ばれる理由です。つまり、被害者の「権利の行使」をサポートする保険が、権利保護保険なのです。

 

その中核を担うのが、日弁連リーガル・アクセス・センター(LAC)です。

 

権利保護保険は、日弁連が2000年にスタートさせた保険で、権利保護保険という名称は、日弁連が商標登録しています。

 

日弁連リーガル・アクセス・センター(LAC)の役割

日弁連リーガル・アクセス・センター(LAC)の主な役割は、次の2つです。

 

  1. 保険事務処理が円滑に行われるよう、統一基準を策定する
  2. 権利保護保険を利用する被保険者(被害者)に、弁護士を紹介する

 

日弁連LACが、権利保護保険の統一基準を定める

日弁連LACは、日弁連と協定している保険会社(協定保険会社)と協議をし、保険金(弁護士費用)の支払基準や請求手続きについて、統一した基準や書式を定めます。保険事務処理の円滑化がねらいです。

 

この統一基準がLAC基準と呼ばれ、協定保険会社は、LAC基準を尊重することになっています。

 

日弁連と協定していない保険会社は、LAC基準に縛られませんが、だいたい、LAC基準に準じて、弁護士保険の保険金(弁護士費用)支払基準を定めているようです。

 

日弁連LACが、被害者に弁護士を紹介する

権利保護保険を利用するときには、日弁連LACを通して弁護士の紹介を受けられます。

 

保険会社に、権利保護保険の利用と弁護士の紹介を希望すれば、保険会社が日弁連LACに連絡し、日弁連LACから地域の単位弁護士会を通じて、あなたが居住する地域の弁護士を紹介するシステムになっています。

 

権利保護保険は、弁護士費用の補償に加え、弁護士へのアクセスも保障する保険制度です。

 

日弁連と協定している保険会社が販売する弁護士保険が、権利保護保険

日弁連は、日弁連LACと協定した保険会社の販売する弁護士保険を権利保護保険と位置づけています。

 

つまり、こういうことです。

 

協定保険会社の弁護士保険は権利保護保険ですから、弁護士の紹介を受けられます。それ以外の保険会社の弁護士保険は、弁護士の紹介を受けられず、弁護士保険を利用する場合でも、依頼する弁護士を自分で探さなければなりません。

 

これが、権利保護保険と弁護士保険の決定的な違いです。

日弁連と協定している保険会社等(協定保険会社等)とは

日弁連と協定を結んでいる保険会社等(協定保険会社等)は、次の通りです。ここに挙げた協定保険会社等の販売する弁護士保険が、権利保護保険です。

 

(2018年7月2日現在、50音順)

  1. あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
  2. AIG損害保険株式会社
  3. au損害保険株式会社
  4. 共栄火災海上保険株式会社
  5. セゾン自動車火災保険株式会社
  6. 全国共済農業協同組合連合会(JA共済連)
  7. 全国自動車共済協同組合連合会
  8. 全国労働者共済生活協同組合連合会(全労済)
  9. ソニー損害保険株式会社
  10. 損害保険ジャパン日本興亜株式会社
  11. そんぽ24損害保険株式会社
  12. 大同火災海上保険株式会社
  13. Chubb損害保険株式会社(チャブ保険)
  14. チューリッヒ保険会社
  15. プリベント少額短期保険株式会社
  16. 三井住友海上火災保険株式会社
  17. 三井ダイレクト損害保険株式会社
  18. 楽天損害保険株式会社

(参考:日弁連のWebサイトより)

 

東京海上グループ(東京海上日動・日新火災・イーデザイン損保)は、協定保険会社に入っていません。

まとめ

権利保護保険も弁護士保険も、弁護士費用を保険金として保険から支払うという点では同じです。権利保護保険と弁護士保険の違いは、権利保護保険が、弁護士会から弁護士の紹介を受けることができる点です。

 

あなたの弁護士保険が、権利保護保険か一般の弁護士保険かは、契約している保険会社によります。日弁連と協定している保険会社(協定保険会社)であれば、その弁護士保険は権利保護保険ですから、弁護士の紹介を受けられます。

 

もちろん、普通の弁護士保険と同じように、自分で弁護士を探して、弁護士費用を保険から出すことも可能です。

 

権利保護保険は、弁護士会から弁護士の紹介を受けられるメリットがあるのですが、そのことを素直に喜べない事情も残念ながらあります。

 

権利保護保険を利用して弁護士の紹介を受けようと考えている方は、弁護士の紹介を受ける前に、弁護士保険(権利保護保険)の仕組みと4つの注意点をご覧ください。

 

弁護士法人・響

 

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