実況見分調書について被害者が知っておきたいこと

Point
  • 実況見分調書は、そもそも加害者の刑事責任を問う場合の証拠として警察が作成するものですが、示談交渉や民事裁判において、過失割合を判断する際の有力な証拠となります。
  • 特に、被害者が重症の場合や死亡したときは、被害者の主張が反映されず、加害者側の言い分だけで調書が作成され、被害者に不利な内容となることが多いので注意が必要です。

 

実況見分調書には被害者側の主張をしっかり反映させることが重要

警察官が交通事故の現場に到着すると、通常、実況見分(現場検証)が行われます。人身事故や重大な物損事故の場合には、実況見分調書が作成されます。

 

実況見分調書は、その後の事故捜査の基本となるもので、加害者の刑事責任を問う場合の証拠として警察が作成するものです。

 

だからといって、被害者側が実況見分調書の内容に無関心でいると、あとで大変なことになってしまいます。

 

実は、実況見分調書は、被害者側にとっても、損害賠償請求の際に重要な役割を果たします。実況見分調書にもとづき、過失割合が判定されるからです。ですから、調書の内容には、被害者側も十分注意する必要があるのです。

 

実況見分調書には、次のような内容が記載されます。

 

実況見分調書の内容
  1. 事故発生日時、場所、天気
  2. 立会人(被害者・加害者・目撃者)の氏名
  3. 事故当時の交通量や路面状況、加害者量と被害者または被害車両の位置
  4. 事故車両のナンバー、損害状況
  5. 現場見取り図や写真

 

被害者側にとって重要なのは、過失割合に関わる部分です。交通事故では、一方の側に100%過失があるというのは稀で、多くは、被害者側にも一定の過失があるものです。それが正しく反映されるよう、事実が記載されているかどうかをチェックすることが大切です。

 

実況見分調書について、次の3つのことを知っておいてください。

 

実況見分調書について知っておきたい3つのポイント

  1. 実況見分調書は「過失割合」判定の参考にされる。
  2. 実況見分調書は一度作成されると後で直せない。
  3. 被害者側に不利な内容となることが多い。

 

実況見分調書は「過失割合」判定の参考にされる

実況見分調書は、過失相殺率・過失割合の判定の参考にされる重要な書類です。保険金額の算定の際はもちろん、示談交渉や裁判で賠償額を決める際にも参考にされます。

 

そのため、被害者に不利な調書が作成されていると、支払われる保険金や損害賠償金に悪影響を及ぼします。

 

実況見分調書は一度作成されると後で直せない

実況見分調書は、いったん作成されると後から訂正するのは困難です。

 

警察官は現場を目撃したわけでないので、憶測にもとづき「○○だったのではないですか?」と誘導質問することがあります。調書を作りやすいように答えを引き出すためです。

 

事故直後は、どんな人でも動揺しているものです。しかし、「少しぐらい違っていても後で直せばいい」と軽い気持ちで警察官の誘導にのって答えてしまうと、あとで取り返しのつかないことになってしまいます。

 

被害者側に不利な内容となることが多い

通常、実況見分は当事者立会いのもとで事故直後に行われます。被害者が負傷して病院へ運ばれていたら、加害者だけで先に行い、被害者からは後で話を聞くことになります。

 

加害者だけの立ち会いで実況見分が行われると、加害者の言い分にもとづいて調書が作成されるため、被害者に不利な偏った内容になりがちです。

 

こういうケースが多いので、事故直後、被害者側が独自に事故の状況を記録し、証拠や目撃証言を集めておくことが必要なのです。

 

大切なのは、実況見分や事情聴取では、自分の記憶と違うことは絶対に認めないことです。もし調書に間違いがあれば訂正を求め、訂正に応じてもらえないときは署名押印を断固拒否すべきです。

 

署名押印して調書が作成されてしまえば、後から訂正するのは困難です。

 

納得できない調書が作成されようとしているなら、この段階から早めに交通事故に強い弁護士に相談しておくことが大切です。

まとめ

実況見分調書は、損害額算定の有力な証拠となります。警察が実況見分調書を作成するとき、次の3つが被害者のとるべき鉄則です。

 

  1. 記憶と違うことは認めない
  2. 警察官の誘導にのらない
  3. 調書に間違いがあれば訂正を求め、応じてくれなければ署名押印を拒否する

 

実況見分調書の内容は、過失割合の判定に影響を与えます。納得できないときは、この段階から交通事故に強い弁護士に相談するなどの対応をしましょう。

お困りのときは、今すぐ弁護士に相談

こんなことで、お困りではありませんか?

  • 実況見分調書を訂正させたい。
  • 警察が実況見分調書の訂正に応じない。

 

お困りのことがあったら、今すぐ交通事故の損害賠償請求に強い弁護士に相談することをおすすめします。早く弁護士に相談するほど、メリットが大きいのです!

 

弁護士法人・響

 

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