保険会社の「治療費打ち切り」に対する 3つの対処方法

治療費打ち切り

 

交通事故でむち打ち症(頸椎捻挫)になり通院治療していたら、まだ治っていないのに、一方的に「治療費を打ち切られた」というケースが少なくありません。

 

まだ痛みやしびれがあり治療を続けたいのに、保険会社から突然一方的に「治療費の打ち切り」を言われたときには、どうすればいいのでしょうか?

 

保険会社から「治療費打ち切り」を宣告されたときの対処方法は、3つあります。

 

  • 医師に治療継続の必要性を証明してもらう
  • 保険診療に切り替えて治療を続ける
  • 弁護士に相談して対応してもらう

 

詳しく見ていきましょう。

 

「治療費の打ち切り」は「治療の打ち切り」とは違う

対処方法を見る前に、まず、このことを押さえておいてください。

 

保険会社が打ち切るのは、保険会社から医療機関への治療費の支払いです。治療費の支払いを終了することであって、「治療の終了」や「治療の打ち切り」ではありません。

 

ですから、保険会社が治療費の支払いを打ち切ったとしても、治療を受けている本人が引き続き治療を希望し、医師が「治療を継続することで症状の改善が見込まれる」と判断するのであれば、治療は継続できます。というか、治療を継続すべきです。

 

治療が終了するのは、医師が「これ以上の治療を続けても改善は見込めない」と判断したときです。これを「症状固定」といいます。

 

症状固定とは?

交通事故診療における症状固定の判断は、労災保険法の「治癒」に準拠して判断します。労災保険法における「治癒」とは、症状が安定し、疾病が固定した状態にあるものをいい、すなわち治療の必要がなくなった状態とされています。

 

(参考:『Q&Aハンドブック交通事故診療・全訂新版』創耕舎114ページ)

 

保険会社が治療費を打ち切るのは、「もう症状は固定し、これ以上の治療費の支払いは必要ない」と、保険会社として経験則にもとづき判断したからにすぎません。

 

しかし、怪我の程度や治療効果の現れ方は個人ごと異なり、回復状況や治療の必要性は、医師が個別に判断するべきものです。

 

症状固定は、医師が判断することであって、保険会社が決めることではありません。

 

それでは、保険会社から「治療費の打ち切り」を宣告されたときの3つの対処方法について、見ていきましょう。

【対処法①】医師に治療継続の必要性を証明してもらう

痛みやしびれが残っているのに、保険会社から「治療費を打ち切る」と言われたときは、医師に相談します。

 

医師も「治療を続けた方がよい」と判断するなら、保険会社にその旨を説明して、治療費の支払い継続を要請します。

 

その際、「治療の継続を要する」という医師の診断書や意見書があると有効です。今後の治療方針や治療期間の見通しを示すことができれば、保険会社との交渉がやりやすくなります。

 

保険会社との交渉が不安なときは、「対処法③」で紹介するように、交通事故の損害賠償問題に強い弁護士に相談するとよいでしょう。

 

それでも保険会社が治療費の支払い継続に応じない場合

医師の診断にもとづいて説明しても、保険会社が治療費の支払い継続に応じない場合は、次の3つのうちから対処方法を選択することになります。

 

  • 治療を諦める
  • 健康保険診療に切り替えて治療を継続する(⇒対処法②へ)
  • 弁護士に保険会社との交渉を頼む(⇒対処法③へ)

 

保険会社が応じなくても、決して諦めることはありません。

【対処法②】保険診療に切り替えて治療を続ける

保険会社が治療費の支払いを打ち切ったとしても、被害者が治療の継続を望み、医師も治療の継続が必要と判断するなら、治療を続けることができます。

 

この場合、自費診療として治療費を全額支払いながら治療を続けるか、健康保険診療に切り替えて、治療費の3割だけ一部自己負担しながら治療を続けるか、2つの方法があります。

 

なお、勤務中や通勤途中の交通事故の場合は、労災保険を使って治療できます。労災保険診療には、治療費の自己負担がありません。

 

自己負担した治療費は、あとで保険会社に請求する

どちらを選択したとしても、自己負担した治療費は、あとから保険会社に損害賠償請求します。

 

交通事故に遭って治療を受けるのに、治療費を自分で支払わないといけないのは納得しがたいかもしれませんが、そもそも交通事故診療は、患者(被害者)と病院との契約ですから、治療費の支払い義務は患者(被害者)にあります。

 

保険会社が病院に治療費を支払うのは、患者である被害者に代わって支払っているにすぎず、保険会社の自主的なサービスです。

 

つまり、治療費を病院に支払って治療を受け、あとから治療費を含めて損害賠償請求するのは、本来の姿に戻るだけのことなのです。

 

自身の任意保険に人身傷害保険を付帯して契約していれば、自己負担した治療費を含めた損害を自分の保険会社に支払ってもらうこともできます。

 

健康保険に切り替えるときの注意点

自費診療(自由診療)の場合は、治療費は高くなりますが、治療内容の制約はありません。一方、健康保険診療に切り替えた場合は、治療費は一部負担で済みますが、治療内容に制約がかかります。

 

自費診療と健康保険診療のどちらを選択するかは、それぞれのメリット・デメリットをふまえて、個別に判断することになりますが、保険適用外の治療が必要なケースは、それほど多くありません。健康保険に切り替えて治療を継続するのが一般的です。

 

なお、交通事故の治療に最初から健康保険を使うと、自賠責様式の診断書・後遺障害診断書を発行してもらえない場合がありますが、治療の途中で健康保険に切り替える場合は、交通事故診療の扱いは継続されるため、その心配がありません。

 

 

治療費の打ち切り後に治療を続けるときの注意点

保険会社が治療費の支払いを打ち切った後、治療を継続する場合は、次の点に注意が必要です。

 

保険会社が治療費の支払いを打ち切るということは、保険会社としては「これ以上の治療費の支払いは損害賠償の範囲を超える」と判断したということです。

 

そのため、あとで損害賠償請求するとき、治療費打ち切り後の治療費については、保険会社が任意の支払いに応じる見込みは低くなります。示談交渉で保険会社が支払いに応じなければ、最終的には裁判で争うことになります。

 

ですから、保険会社が治療費の支払いを打ち切った後、自己負担で治療を続ける場合は、あらかじめ弁護士と相談し、あとから治療費を回収できるよう、必要な対策をとりながら治療することをおすすめします。

【対処法③】弁護士に相談して対応してもらう

保険会社から治療費の打ち切りを言われたとき、弁護士に相談して対応してもらうのが、最も有効な対処法です。

 

弁護士に頼めば、治療費の支払い継続について保険会社と交渉してもらえます。実際、弁護士が介入して、治療費の支払いを1~2ヵ月程度延長できたケースは多くあります。

 

治療費の支払いが打ち切られてしまった場合でも、弁護士に相談し依頼することで、あとから治療費を回収できる可能性が高まります。

 

保険会社が治療費の支払いを打ち切った後の治療費を請求する場合、治療の必要性や事故との相当因果関係を証明しなければならなず、被害者が個人でそれを立証するのは困難です。

 

弁護士に頼むことで、裁判で通用するレベルの書類を治療中から準備することが可能となり、いざとなれば裁判で争うこともできます。それを武器に、実際に訴訟を提起しなくても、示談交渉で保険会社が任意で支払いに応じる可能性が高まるのです。

 

その他にも、弁護士に相談し依頼することには、次のようなメリットがあります。

 

後遺障害の認定申請や示談交渉まで全て任せられる

保険会社が治療費を打ち切った後も治療が必要なケースというのは、たいてい後遺障害が問題となります。弁護士に依頼することによって、後遺傷害等級認定の際にも、様々なサポートを受けることができます。

 

さらに、保険会社との示談交渉に至るまで全て任せられ、納得できる損害賠償金(示談金)を得ることができます。

 

生活に困窮するときの対応も可能

治療費を打ち切られると、休業補償も打ち切りとなります。そうなると、生活に困窮する場合もあります。

 

弁護士に相談すると、当面必要な治療費や生活費の支払いを求め、仮払い仮処分を裁判所に申し立てることもできます。裁判所の決定が出れば、保険会社は通常ただちに支払いに応じます。

 

保険会社から治療費の打ち切りを宣告されたとき、弁護士に相談すれば、こういった対応も可能なのです。

まとめ

保険会社が治療費の打ち切りを言ってきたときは、①医師に治療継続の必要性を証明してもらう、②健康保険等に切り替えて治療を継続する、③弁護士に相談して対応してもらう、といった3つの対処法があります。

 

痛みやしびれがある状態で、治療費の支払いを求めて保険会社と交渉するのは、相当なストレスになります。

 

休業補償を受けていれば、治療費の支払い終了とともに休業補償もストップします。そうなると、生活が成り立たなくなり、早々に示談に追い込まれることもあり得ます。

 

健康保険に切り替えて治療を継続するにしても、治療費が負担になります。あとで治療費を賠償請求する場合も、保険会社が必要ないと判断した治療費の支払いを認めさせるのは容易ではありません。

 

保険会社から治療費の打ち切りを宣告されたときは、弁護士に相談し、対応を任せるのがベストです。

 

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