示談交渉の回数・期間、裁判を起こす判断の目安

示談交渉の回数・期間の目安

 

こんな疑問ありませんか?

  • 示談交渉は、一般的に何回くらいでまとまるのか?
  • 示談交渉開始から示談成立まで、どれくらいの期間がかかるのか?
  • 示談交渉が難航する場合、示談交渉を打ち切って裁判を起こすときは、どう判断すればいいのか?

 

こういったことの目安や判断の仕方について、ご紹介します。

 

 

示談交渉の回数と期間の目安

示談交渉の回数や期間は、おおむね回数にして10回、期間にして3~6ヵ月くらいが限度といわれます。

 

回数は10回程度、期間は交渉の頻度にもよりますが3ヵ月から半年程度、これを1つの目安として、これくらいの回数・期間にわたって示談交渉を重ねても、示談成立の見通しも立たないような場合には、裁判による解決も選択肢となります。

 

もちろん、これは、あくまでも一般論。個別の事情により異なります。

 

双方の主張にあまり隔たりがなければ、比較的早く示談を成立させることができるでしょう。逆に、双方の主張に大きな隔たりがあるようなら、示談交渉は難航する可能性があります。

 

交渉の仕方や、誰が交渉するかによっても変わります。加害者の側は、たいてい任意自動車保険会社の担当者が示談代行します。

 

自動車同士の事故で、こちらにも過失責任(損害賠償責任)があれば、保険会社の示談代行サービスを利用できますが、もらい事故の場合は、自分で示談交渉するか、弁護士に頼むしかありません。

 

経験豊富な弁護士に任せれば、特に難しい争いとなることでもなければ、比較的スムーズに交渉は進行します。交通事故の損害賠償は、ほぼ基準化されているからです。
(⇒3つの損害賠償額算定基準

 

しかし、素人が無理をして交渉しようとしても、結局、相手方保険会社の言うままで示談してしまうか、無駄に示談交渉を長引かせてしまうか、どちらかです。

 

示談は、当事者双方が互いに譲歩しなければ成立しません。被害者の側も、示談するかどうかは、最後は「ふんぎり」の問題。むやみに交渉を重ねても、効果が上がるものではないのです。

 

示談交渉は期限を設定すると進展しやすい

示談交渉を始めるときには、一応の期限を決めて相手にも伝えておくと、話し合いが進展しやすくなります。

 

示談交渉の期限を設定するということは、「期限内に示談が成立しないときは裁判を起こす」ということですから、1回ごとの話し合いが真剣になるのです。

 

ただし、期限はあくまでも目途として考え、柔軟に対応することが大切。期限が来たからといって機械的に打ち切る必要はありません。示談が成立しそうな一歩手前まで話が具体的に煮詰まってきているのなら、当然、示談交渉を継続すべきです。

 

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ちなみに、民事訴訟を提起した場合、統計によれば、交通損害賠償事件の平均審理期間は約1年です。

 

こんな場合は、早々に裁判を起こすことも選択肢

両者の主張が極端に違う場合や、加害者の側が誠実に話し合いに応じない場合は、示談による解決は難しく、早々に訴訟を提起することも選択肢となります。

 

両者の主張が極端に違うとき

双方の主張に大きな隔たりがある場合は、示談での解決は難しいと考えた方がよいでしょう。

 

2~3回交渉してみて、歩み寄りが全く見られなければ、早々に示談交渉を打ち切り、裁判に持ち込むのがよいでしょう。そうでないと、時間の無駄です。

 

賠償責任の有無や過失割合で対立があるとき

特に、過失割合で両者の主張が真っ向から対立するような場合は、示談による解決は困難です。

 

例えば、こういうケースを考えてみてください。

 

被害者が「自分にも過失があった」と、2割の過失を認めているとします。

 

これに対して加害者が「被害者の過失割合は4割だ」と主張しているような場合は、3割前後で落ち着く余地があります。

 

しかし、加害者が「被害者の過失割合は8割だ」と主張しているような場合は、ほとんど「被害者側が全面的に悪い」と言っているようなものですから、示談は困難です。

 

双方の主張が真っ向から対立するわけですから、こういう場合は、いくら交渉を重ねても折り合いはつかず、裁判で解決するしかありません。

 

示談交渉が難航する場合には、裁判以外にも、ADR(裁判外紛争解決機関)に示談の斡旋を申立てる方法ありますが、過失割合で争いがある場合は、ADRに申立てをしても解決は困難です。

 

客観証拠が不可欠

賠償責任や過失割合で争いがある場合は、事故態様を証明する客観的証拠が不可欠です。最近はドライブレコーダーを搭載している車が増えていますから、ドラレコの画像データがあれば有力な証拠となります。

 

その他、刑事記録(実況見分調書、写真撮影報告書、供述調書など)を入手して、事故態様を明らかにする方法もあります。

 

ただし、刑事記録は、被疑者(加害者)の起訴・不起訴が決まるまでは、閲覧することができません。不起訴となった場合は、原則として非公開です。実況見分調書や写真撮影報告書など客観証拠は閲覧できる可能性がありますが、供述調書は、民事裁判(損害賠償請求訴訟)を起こさない限り開示されません。

 

 

相手が誠実に話し合いに応じないとき

相手が誠実に話し合いに応じない場合は、すぐにでも裁判を起こすのが賢明です。

 

例えば、相手方が、示談交渉の席にすら着かない加害者、こちらの話を全く聞かず根拠のない自説を延々と主張する加害者、あるいは「従業員の起こした事故で会社は無関係」と、無責任な態度をとる雇用主などの場合です。

 

こういう相手の場合は、何回か説得を試みて、話し合いは無理だと判断したら、すぐにでも訴訟を提起するのがよいでしょう。

 

相手に賠償資力がない場合は訴訟を提起しても無意味

相手に賠償資力がない場合は、裁判所の判決をもらっても「絵に描いた餅」になってしまいます。

 

事実上、自賠責保険の範囲でしか賠償を受けられず、訴訟費用や弁護士費用が、余分な出費になるだけです。

 

こういう場合は、相手の自賠責保険に被害者請求し、そのうえで相手が少しでも賠償金の支払いが可能なら、話を詰めるべきでしょう。あるいは、自分の人身傷害補償保険があるのなら、その保険金の支払いを請求するのが賢明です。

 

まとめ

示談交渉は、回数にして10回、期間にして3~6ヵ月が目安です。交渉を重ねれば、効果が高まるわけではありません。期限を設定して交渉することが大切です。

 

お互いの主張に極端に大きな隔たりがある場合は、示談交渉で解決するのは困難です。そういう場合は、早めに示談交渉を打ち切り、訴訟を提起して裁判で解決することも選択肢となります。

 

なお、ここに挙げたことは、あくまでも一般論です。個別の事情を考慮して判断する必要がありますから、交通事故の損害賠償に詳しい弁護士に相談してみることをおすすめします。

 

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